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令和 4年  3月 予算特別委員会−03月08日-02号

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    令和 4年  3月 予算特別委員会−03月08日-02号


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    令和 4年  3月 予算特別委員会−03月08日-02号令和 4年  3月 予算特別委員会 令和四年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第二号 日 時  令和四年三月八日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十六名) 委員長  菅沼つとむ 副委員長 平塚けいじ 副委員長 藤井まな      阿久津 皇      石 川ナオミ      おぎのけんじ      加藤たいき      上島よしもり      河野俊弘      宍戸三郎      畠山晋一      真鍋よしゆき      山口ひろひさ      和田ひでとし
         いたいひとし      岡本のぶ子      河村みどり      佐藤ひろと      高橋昭彦      津上仁志      福田たえ美      いそだ久美子      桜井純子      中塚さちよ      中村公太朗      中山みずほ      羽田圭二      大庭正明      田中優子      ひえしま進      桃野芳文      江口じゅん子      たかじょう訓子      中里光夫      高岡じゅん子      田中みち子      小泉たま子      つるみけんご      あべ力也      上川あや      ひうち優子      佐藤美樹      そのべせいや      神尾りさ      くりはら博之      青空こうじ  欠席委員(一名)      金井えり子  出席事務局職員          議事担当係長 長谷川桂一  出席説明員   区長            保坂展人   副区長           中村哲也   副区長           岩本 康   世田谷総合支所 総合支所長 清水昭夫           保健福祉センター所長                 土屋雅章   北沢総合支所  総合支所長 木本義彦           保健福祉センター所長                 安間信雄   玉川総合支所  総合支所長 工藤 誠           保健福祉センター所長                 山本恵造   砧総合支所   総合支所長 佐々木康史   烏山総合支所  総合支所長 皆川健一           保健福祉センター所長                 相馬正信   政策経営部   部長    加賀谷 実           財政課長  五十嵐哲男   デジタル改革担当部           部長(政策経営部長兼務)                 加賀谷 実   交流推進担当部 部長    小澤弘美   総務部     部長    池田 豊           総務課長  後藤英一   庁舎整備担当部 部長    佐藤絵里   危機管理部   部長    菅井英樹   財務部     部長    工藤郁淳   施設営繕担当部 部長    小柴直樹   生活文化政策部 部長    片桐 誠   地域行政部   部長    舟波 勇   スポーツ推進部 部長    内田政夫           ホストタウン調整担当参事交流推進担当部長兼務)                 小澤弘美   環境政策部   部長    清水優子   経済産業部   部長    田中耕太   清掃・リサイクル部           部長    辻  正   保健福祉政策部 部長    澁田景子           地域包括ケア担当参事保健福祉政策部長兼務)                 澁田景子   高齢福祉部   部長    長岡光春   障害福祉部   部長    須藤剛志   子ども・若者部 部長    柳澤 純   児童相談所   所長    土橋俊彦   保育部     部長    和田康子   世田谷保健所  所長    辻 佳織   住民接種担当部 部長    久末佳枝   技監            松村浩之   都市整備政策部 部長    畝目晴彦   防災街づくり担当部           部長    笠原 聡   みどり33推進担当部           部長    釘宮洋之   道路・交通計画部           部長    田中太樹   土木部     部長    青木 誠           豪雨対策推進担当参事                 桐山孝義   会計室     会計管理者 原田茂実   教育長           渡部理枝   教育監           粟井明彦   教育総務部   部長    知久孝之   教育政策部   部長(教育監兼務)
                    粟井明彦   生涯学習部   部長    内田潤一   選挙管理委員会事務局           局長    渡邉謙吉   監査事務局   局長    庄司秀人     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 令和四年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 令和四年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 令和四年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 令和四年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 令和四年度世田谷区学校給食費会計予算 (総括説明、総括質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○菅沼つとむ 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 なお、本日、欠席の届けがありますので、御報告いたします。  欠席者は金井委員でございます。  以上であります。  本日から、当委員会に付託されております令和四年度予算五件の審査を行いますが、さきに決定しました運営方針に基づき、また、新型コロナウイルス対策を十分に講じた上で委員会を運営してまいりますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。  さて、本日は、区長から挨拶の後、政策経営部長から総括的な説明を受けた後、各会派の質疑に入ります。  それでは、区長から挨拶があります。 ◎保坂 区長 おはようございます。予算特別委員会の開催に当たり御挨拶を申し上げます。  令和四年度予算は、新たにスタートする世田谷区未来つながるプラン二〇二二―二〇二三(実施計画)に掲げる四つの政策の柱に基づきまして、コロナ後を見据え、誰もが安全で安心に暮らせるまちの実現を目指す地域社会から福祉を向上させる予算として編成を進めました。具体的には、感染拡大防止対策と区民生活支援、区内経済活性化の両立を図るとともに、社会保障関連経費の増加や、都市基盤整備、公共施設の改築、改修への対応、さらには大規模自然災害への備えや自治体DXの推進など、将来を見据えながら、増加する行政需要に確実に対応するため、必要な予算を計上しているところでございます。  また、参加と協働を区民とともに進めるため、九十二万区民の日々の暮らしの足元の身近な地域コミュニティーの取組を大切にしていきます。詳細につきましてはこの後、政策経営部長より説明させていただきますが、委員会審議の中で委員の皆様からいただく御意見、御提案につきましては、今後の区政運営に生かしてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。  本日より長期間にわたる委員会になりますが、委員の皆様におかれましては、体調に御留意いただきながら御審議いただくようお願いを申し上げ、御挨拶といたします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区長の挨拶は終わりました。  次に、政策経営部長より説明を行います。 ◎加賀谷 政策経営部長 おはようございます。令和四年度世田谷区各会計予算案五件につきまして御説明申し上げます。  初めに、世田谷区予算・同説明書と令和四年度世田谷区予算説明書、こちらのデータを御覧ください。この後の説明のページ番号ですけれども、恐縮ですが、右下のページ番号、紙資料でのページ番号の説明とさせていただきます。  初めに、予算編成の概要についての説明でございまして、五一ページ、データベースでは五六ページになりますけれども、五一ページを御覧ください。予算編成の基本的考え方でございます。  令和四年度の国の経済見通しは、経済対策を迅速かつ着実に実施することなどにより、消費の回復や堅調な設備投資に牽引される形で成長と分配の好循環の実現に向けて着実に前進していくとしております。一方で、供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスク、感染症による内外経済への影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があるとしております。  また、国の令和三年度の経済動向では、行動制限の段階的な緩和により厳しい状況は徐々に緩和されているとしておりますけれども、困窮世帯への支援策である生活福祉資金貸付の申請状況は高止まりとなっており、さらには原油高騰の影響による生活必需品の値上げなど、区民生活の実態は依然として厳しい状況にあります。また、新たな変異株による感染拡大の懸念など、引き続き今後の動向に注視していく必要があります。  世田谷区の財政見通しとしましては、特別区税は、令和三年度当初予算においては新型コロナウイルス感染症等の影響による大幅な減収を見込みましたが、地域経済や人口の動向等を踏まえ、令和四年度は前年度比九十四億円の増収を見込んでおり、また、特別区交付金においても、財源である固定資産税や市町村民税法人分の増を見込み、前年度比で百二十一億円の増額としました。しかしながら、区財政においては感染状況や地域経済の動向、拡大するふるさと納税の影響など、依然として予断を許さない状況が続いています。  こうした状況下においても、感染拡大防止対策と区民生活支援、区内経済活性化の両立を図りながら、障害者自立支援給付などの社会保障関連経費、子ども関連施策や道路、公園等の都市基盤整備、本庁舎等整備や区立小中学校をはじめとする公共施設の改築、改修、さらには大規模自然災害への備えなど、増加する行政需要に対し、将来を見据えながら確実に対応していく必要があります。  令和四年度当初予算編成においては、新型コロナウイルス感染拡大防止対策、区民生活支援や区内経済活性化など、区民の生命と暮らしを守る課題への対応に加え、行政経営改革の取組を一層推進するとともに、DX推進方針の下、急速に進化するICT技術や区民生活の変化を踏まえ、事業手法の転換や区民の利便性の向上に取り組みました。その上で、新たにスタートする世田谷区未来つながるプラン二〇二二―二〇二三(実施計画)に掲げる四つの政策の柱に基づき、コロナ後を見据え、誰もが安全で安心に暮らせるまちの実現を目指す地域社会から福祉を向上させる予算として編成いたしました。  次に、五二ページを御覧ください。当初予算の概要について説明いたします。  歳入予算につきましては、歳入の根幹となる特別区税、特別区交付金ともに前年度比で大幅な増を見込んでおりますが、新たな変異株の出現による地域経済への影響や、拡大するふるさと納税の影響など、区財政は引き続き予断を許さない状況が続いております。このような状況下においても、重点課題に対し将来を見据え、確実に対応していくため、特定目的基金や特別区債の計画的な活用を図ってまいります。  歳出予算につきましては、区民の生命と暮らしを守る課題への対応に加え、行政経営改革の取組を一層推進するとともに、DX推進方針の下、事業手法の転換や区民の利便性の向上に取り組みました。その上で、新たにスタートする世田谷区未来つながるプラン二〇二二―二〇二三(実施計画)に掲げる四つの政策の柱に基づき、六つの分野に重点的に予算を配分いたしました。  五三ページを御覧ください。今後の課題(目標)でございます。  新たな変異株の出現による感染拡大への懸念や地域経済への影響、拡大するふるさと納税の影響など、予断を許さない状況が続く中、区は、社会保障関連経費や大規模自然災害への対応、公共施設の改築、改修など増加する行政需要に確実に対応していく必要があることから、引き続き行政経営改革の取組を一層進め、持続可能で強固な財政基盤を確立するため、記載の十一項目の課題と目標を立てております。  次に、五四ページを御覧ください。各会計当初予算規模でございます。  一般会計でございますが、本庁舎等整備経費、感染症対策経費の増などにより三千三百三十六億三千四百万円、前年度比四・三%、百三十六億四千五百万円の増となっております。  特別会計ですが、国民健康保険事業会計は、被保険者数の減少があるものの、一人当たりの保険給付費の増などで八百二十三億六千九百万円、前年度費で三・三%、二十六億二百万円の増でございます。  後期高齢者医療会計は、被保険者数の増加による保険料等負担金の増や、窓口負担割合の見直しに伴う被保険者証の交付経費の増などにより二百三十三億八千万円、前年度比八・二%、十七億七千六百万円の増となっております。  介護保険事業会計は、サービス受給者数の増加等に伴う居宅介護サービス給付費施設介護サービス費などの増により六百九十九億二千六百万円、前年度比二・九%、十九億六千七百万円の増となっております。  学校給食費会計は、配食人数の増などで三十億八千八百万円、前年度比一・〇%、三千百万円の増となっております。  これら一般会計、特別会計の合計ですが、五千百二十三億九千七百万円、前年度比較四・一%、二百億二千万円の増となっております。  続きまして、各会計の概要についての御説明でございます。  五八ページを御覧ください。令和四年度当初予算総括といたしまして、令和四年度の財政計画をお示ししております。  次のページ、五九ページに第一表、令和四年度当初財政計画(一般会計)を御覧ください。こちらについて御説明いたします。  年間収入見込額の欄ですが、一般財源のうち特別区税は、地域経済や人口動向等を踏まえ、一千二百七十二億八千七百万円、前年度比較八・〇%の増となっております。  特別区交付金においては、財源である固定資産税や市町村民税法人分の増を踏まえ、六百三億九千三百万円、前年度比較二五・一%の増となっており、特別区税と合わせて合計では二百十四億九千三百万円の大幅な増収を見込んでおります。  繰越金については、これまでの決算実績を踏まえ、三十億円を見込んでおります。  その他につきましては、財政調整基金から繰入れを行わないことなどにより、三十億四千百万円、前年度比較でマイナス七一・六%の減となっております。  これらによりまして、一般財源の年間収入見込額は二千百九十六億七千八百万円、前年度比較で六・九%の増となっております。  特定財源につきましては、国庫支出金は都市基盤施設整備に係る補助金の増額などで五百五十四億一千七百万円、前年度比較で三・二%の増でございます。  都支出金は、新型コロナウイルス感染症に係る補助金の増額などで、三百五億九千四百万円、前年度比較で二・六%の増でございます。  特別区債は、本庁舎等整備をはじめ、学校改築、公園整備など公共施設整備について三十二億七千万円、前年度比較でマイナス六七・三%の減となっております。  その他ですが、本庁舎整備に係る庁舎等建設等基金からの繰入金の増額などで二百七十六億七千四百万円、前年度比較で一五・八%の増となっております。  これらによりまして、特定財源の年間収入見込額は一千百六十九億五千五百万円、前年度比較でマイナス〇・四%の減となっております。  以上、一般財源と特定財源を合わせました当初の財政計画では、三千三百六十六億三千四百万円、前年度比較で四・二%の増となってございます。  なお、当初予算が確定した後に生じる緊急需要等に備えては、前年度繰越金三十億円を留保しているため、当初の予算計上額では三千三百三十六億三千四百万円となってございます。  次に、ページは飛びますが、六四ページ、六五ページには歳入予算を款別にお示ししてございます。  続いて六六ページ、六七ページには、歳出の款別の予算額を記載してございます。  予算額につきましては、百万円未満を四捨五入した概数として説明をさせていただきます。  六六ページの中ほどになります性質別内訳、下から三段目の合計欄、太字の部分を御覧ください。まずは人件費ですが、退職手当の減、特別区人事委員会勧告を踏まえました期末手当の減などで五百八十三億三百万円、前年度比較で十五億一千六百万円の減となっております。  その隣、行政運営費につきまして、新型コロナウイルス感染症対策経費の増などで二千三百九十一億三千二百万円、前年度比較で八十四億五千五百万円の増となっております。  その隣、投資的経費は、本庁舎等整備経費や都市計画道路用地取得費、学校改築経費の増などで三百六十一億九千八百万円、前年度比較で六十七億五百万円の増となっております。  この後、六九ページ以降ですけれども、一般会計におけます歳入歳出それぞれ款・項・目別にお示ししております。  また、かなりページは飛びますけれども、五二一ページ以降には、特別会計における歳入歳出予算の事項別明細、款・項・目別の内訳を掲載しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。  それでは次に、もう一つの冊子になりますけれども、データですが、令和四年度世田谷区予算説明書(別冊)、こちらのほうを御覧ください。別冊のほうの重点項目事業等の説明をいたしますので、こちらもページの中ほどにそれぞれページ番号を記載してございますので、紙ページの番号で申し上げさせていただきます。  まずは、別冊の一六ページを御覧ください。データですと二二ページになろうかと思います。一六ページに行政経営改革の取組みを記載してございます。こちらの取組による見直し効果額ですが、合計では二十六億円となってございます。詳細につきましては後半の四六、四七ページのほうにお示ししてございますので、こちらも後ほど御覧いただければと思います。  一八ページにお進みください。一八ページでございます。こちらからは、重点項目について新規、拡充の項目を中心に御説明を申し上げます。  項目欄に重点項目説明資料の資料ナンバー、それから右下の該当のページ番号を記載してございますので、関連するページを後ほど御参照いただければと存じます。  それでは、(1)健康・福祉から順次の説明です。  1の保健所の防疫体制の確保ですが、疫学調査や区発熱相談センターなどの相談窓口、健康観察センターなどの自宅療養者支援により、新たな感染拡大の波にも耐え得る保健所の体制を引き続き確保してまいります。  次に、3の検査体制の確保でございます。  感染症の疑いがある有症状の方や濃厚接触者となった方のPCR検査及び社会的インフラを継続的に維持するための社会的検査について、継続して実施をするとしてございます。  続いて、二〇ページを御覧ください。5の介護人材の確保・育成・定着支援の総合的推進でございます。  こちらは介護職の住まい支援として実施しております特別養護老人ホーム福祉避難所協定施設への宿舎借り上げ支援の対象を拡充しまして、認知症高齢者グループホームなど地域密着型サービス事業所についても宿舎借り上げ支援を新たに開始することにより、介護人材の確保、定着と雇用環境改善につなげてまいります。  続いて、二二ページにお進みください。二二ページ、10でございます。医療的ケア児(者)への支援でございます。  医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービスを対象とした夕方受入促進補助の追加、ふるさと納税による寄附を活用した医療的ケア児等を育てる世帯への支援、医療的ケア相談支援センターの開所日の増などで、医療的ケアを必要とする障害児者への支援を拡充してまいります。  続いて、二三ページに進んでいただいて、12生活困窮者等自立支援事業でございます。  住居確保給付金、自立相談・就労相談に加え、子ども食堂への支援、区内社会福祉法人による新たなフードパントリー拠点の設置等に対する補助など、地域で支える食の支援事業を推進してまいります。  次に、13ひきこもり対策です。  ぷらっとホーム世田谷とメルクマールせたがやが連携し、一元的な相談窓口を開設し、年齢を問わない支援を実施することにより相談支援体制の充実を図ってまいります。  次に、二五ページへお進みください。二五ページ、子ども若者でございます。  1の私立幼稚園教育の振興及び充実です。  私立幼稚園等に通園する幼児の保護者に対する保育料負担軽減補助について拡充をしてまいります。  次に、3ひとり親世帯への支援でございます。  母子生活支援施設の機能強化、母子・父子家庭自立支援教育訓練給付金について拡充するほか、東京都住宅供給公社の住宅の空き住戸を活用した居住支援を拡充することで、ひとり親世帯への支援に引き続き取り組んでまいります。  続いて、二七ページへお進みください。二七ページ、教育でございます。  1のICT基盤を活用した新たな教育の推進でございます。  一人一台のタブレット型端末等を活用した学習の推進や、統合型校務支援システムの導入により、ICT基盤を効果的に活用した新たな教育の推進に取り組んでまいります。  次に、2教育総合センターを拠点とした質の高い教育及び保育の推進でございます。  令和三年十二月に開設いたしました教育総合センターを拠点とし、STEAM教育講座や教育課題に関する研究、教員研修など、質の高い教育と保育を推進してまいります。  次に、3不登校児童・生徒への支援です。  教育会館内に不登校特例校分教室を開設し、不登校支援グループの設置、教育総合センターへ移転したほっとスクール城山の定員拡充など、不登校児童生徒への支援を強化してまいります。
     次に、二九ページにお進みください。二九ページ、暮らし・コミュニティでございます。  1の脱炭素に向けた省エネルギー化の推進と再生可能エネルギーの利用拡大でございます。  新たに創設いたします気候危機対策基金を活用し、電気自動車の公共用急速充電機の整備や環境配慮型住宅リノベーション助成の拡充などにより、脱炭素に向けた取組を計画的に推進してまいります。  次に、三〇ページにお進みください。4の産業振興でございます。  地域連携型ハンズオン支援事業の拡充や、せたがやPay・プレミアム付区内共通商品券の発行支援、融資利子の全額補給及び信用保証料を全額補助する緊急融資の実施など、新型コロナウイルス感染症による区内経済への影響が長引く中、区内中小事業者に対する経営安定化やコロナ後を見据えた支援を推進してまいります。  三二ページへお進みください。三二ページ、安全・安心でございます。  三三ページに進んでいただいて、4の災害時の情報収集・情報共有体制の強化でございます。  本庁舎等整備に伴う災害対策本部の移転に合わせ、災害時の被害状況等を一元的に共有、発信可能な防災情報システムを構築することで、災害対策本部機能の充実及び体制の強化を図ってまいります。  次に、7特殊詐欺被害防止に向けた取組みでございます。  自動通話録音機貸与を継続し、新たにATMコーナーへの携帯電話抑止装置を設置することで、特殊詐欺被害防止に向けた取組を一層推進してまいります。  続いて、三四ページにお進みください。都市づくりでございます。  1のみどりのまちづくりでございます。  瀬田農業公園、深沢二丁目緑地など公園整備のための用地取得を進めるとともに、上用賀公園拡張用地の暫定整備など、公園や緑道の整備に取り組んでまいります。  次に、2災害に強い都市基盤の整備でございます。  補助第四九号線などの都市計画道路や主要生活道路、地先道路など、区民生活に欠かせない道路について、土地開発公社による先行取得も含めた用地取得や整備を推進し、災害に強い都市基盤整備を着実に進めてまいります。  次に、三六ページにお進みください。三六ページ、その他になりますが、1のDXの推進でございます。  くみん窓口や出張所におけるキャッシュレス決済の導入や、まちづくりセンターでの総合支所とのオンライン相談等のモデル実施、特別区民税等の納付に係る口座振替登録のウェブ受付の開始など、ICT等を活用した行政サービスの向上に取り組むとともに、高齢者向けスマホ講座の実施などのデジタルデバイド対策により、デジタル社会の実現に向けた取組を推進してまいります。  これらを合わせまして、一般会計の重点項目ですが、三七ページの下に記載のとおり、総額では一千三十八億六千八百万円となってございます。  次の三八ページ、三九ページには、四つの特別会計における主な項目を掲載してございます。内容については冒頭説明申し上げたとおりでございますので、後ほどお目通しいただければと思います。  以上をもちまして、令和四年度世田谷区各会計予算案五件に関する説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で政策経営部長の説明は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時二十七分休憩    ──────────────────     午前十時四十分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  これより総括質疑に入ります。  質疑者はネームプレートを質疑者席にお持ちください。なお、持ち時間の終了五分前には予鈴と緑のランプの点灯でお知らせいたします。さらに一分前には赤のランプの点滅でお知らせいたします。  また、質疑者はマイクから離れ過ぎないようにお願いいたします。  続いて、理事者の皆さんに申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお答えください。  また、やむを得ない場合には席を離れることが認められていますので、御無理しないでください。  それでは、総括質疑に入ります。  自由民主党、どうぞ。 ◆おぎのけんじ 委員 まず冒頭、ロシアのウクライナ侵攻が始まってしまって二週間になろうとしていますけれども、三回目の停戦協議も合意に至らずということで、対話が進むどころか日に日にエスカレートしていく暴挙に私も大きな怒りと悲しみを覚える一人でありますけれども、いかなる理由があろうとも、力による現状変更というものは許されるものではありませんし、一日も早くロシア軍が完全撤退することと、あとはウクライナ国民の方々の貴い命がこれ以上犠牲とならないことを心から願いつつ、自民党世田谷区議団の総括質疑を始めてまいりたいと思います。  まず、先ほど政経部長から御説明がありました来年度の行政経営改革です。代表でもちょっと触れたんですけれども、あの改革メニューの中の税外収入の確保というところが一億二百万円だと。うち一億円がふるさと納税で入ってくる見込みとして計上されている額で、区有資産を活用した税外収入というのがたった二百万円ということなんですね。この数字の管轄所管て政策経営部になると思いますし、私は政策経営部で何人の方が働かれているか存じ上げませんけれども、二百万円というのは政策経営部の人件費の総額の何分の一なんですかね。あるいは区の総資産額、これも私は知りませんが、総資産利益率、ROAとかで言ったらもう〇・〇〇〇〇〇一%とかという世界じゃないですか。誤差の範囲ですよね。やっぱりこれじゃ駄目だと思うんですよ。  しかも、毎年二百万円ぐらいの予算でやろうというふうになっていますけれども、それすら達成できていないこともあるじゃないですか。やっぱりこれは目標設定の方法というか仕方自体に根本的な問題があると思っていまして、やっぱり桁一つ、二つ上げていかないと、職員の考え方も動き方も変わってこないと思いますよ。  例えば、二億円という目標が課せられたとしたら、毎月二千万円弱やらないといけないわけで、そうしたらどうしようかというふうに多分必死になって考えると思いますので、少なくともふるさと納税でこれだけ出ていっているわけですから、例えば七十億円出ているんだとしたら、うち一割の七億円ぐらいは税外収入で取り戻すんだというぐらいの計画をつくるぐらいしないと区民に申し訳が立たないと思いますので、今日は聞きませんけれども、そうした考え方をちょっと根本的に改めていただきたいということをまず要望しておきたいと思います。  今日は、私からは池尻中の跡地活用につきまして、これまで指摘してきた問題点の整理と今後に向けた要望ということで区長とやり取りさせていただきたいと思います。  ちょっと今の話とも絡みますが、まず、うちの会派としては、あそこの土地を活用して収益化をしてほしいというようなことを言ってきました。まず、ちょっとここで区長の誤解を一つ解いておきたいと思いますけれども、昨年の決特からこれまでの間、私は決して少なくない数の方からこういうことを言われてきました。保坂区長が、自民党はあそこの校舎を壊してマンションを造れと言っていると、そういうことを吹聴して回っているよというようなことを聞いてきたんですよ。これが事実かどうかは分かりませんけれども、事実だとするならば、今日を限りにやめていただきたいと思います。多分、区長もいる場でやり取りをさせていただいたように記憶していますけれども、我々は、池尻中跡地という立地条件もよくて資産価値も高いあの土地が、十七年間微々たる価値しか生んでこなかったという事情を鑑みて、かつ、耐震基準を校舎が満たしていないことが図らずも発覚したと。かつ、ものづくり学校の事業が一段落するというベストなタイミングで、公共に資する事業を展開しながらあそこを最大限収益化することを検討してもいいんじゃないですかということを提案したんですよ。  私の場合は、渋谷区の本庁舎整備の例を挙げて、確かに定期借地権の設定をして、あそこはマンションを建てましたから、そういうことも紹介をしましたけれども、そこまでストレッチをして考えたっていいんじゃないですかということ言ったんです。ですから、決してあそこをぶっ壊してマンションをおっ建てろなんていう断定的な言い方は決してしていませんので、今日を限りにそれを改めていただきたいと思います。  その時に中村副区長が再検討しますということをおっしゃって、十二月の特別委員会で報告されましたけれども、あの時の内容が収益化しないという結論ありきの、とても率直に言ってひどい内容だったなと思っています。要は、区長の政治信条的なところも多分にあるんでしょうけれども、わざわざうちの会派へのネガティブキャンペーンのようなものを張ってやるほどの拒否反応を示されたんだろうなというふうに思います。  ちなみに、今のはハードの収益化という話でしたけれども、一方でソフトのほうですね。現在の事業計画ですと、事業者から家賃として月百万円納めていただくというような計画になっていますけれども、これも率直に言っていかにも寂しいなと思います。ただ、これが今の限界なんだろうなというふうに思いますけれども、私、今でも思いますのは、あの一等地を丸々使っていいですよと、ただし公共に資する事業を営んでください、かつ家賃を月五百万円納めてくださいねという条件でサウンディング調査を幅広にやったとしても、十分気の利いた事業案というものは集まってきたはずだと私は今でも思っています。  ただ、この収益化云々についてはもうしつこく言いません。言わないというのは、定期借地権を設定して云々ということはもう言わないということです。区長もどうしてもやりたくないということもよく分かりましたし、さっきの税外収入で二百万円という目標を掲げるような組織では土台無理だと思いますので。ただ、池尻を使えば年間二百万円の税外収入なんていうのを稼げるプランというのは幾らでも考えられると思いますし、家賃以外でですよ。あまり期待はしませんけれども、ぜひ少しでも稼ぐ工夫というものをやめないでいただきたいということを要望しておきます。  次に、本会議で先日やり取りさせていただきました区長の答弁で、ものづくり学校への評価が我々と区長とでは百八十度違うということがよく分かりました。区長はこのような答弁をされていました。世田谷ものづくり学校は、廃校利用の好事例として行政視察等を多く受け入れて、シティプロモーションにつながる役割を果たしたと考えていますと。あの施設はシティプロモーションするためにやっていたんですか。ではないですよね。去年の三定ですと、「J―WAVEとのタイアップ放送や一流のプロ講師による起業支援などで知名度を全国的に高め、廃校活用事例として、当時まだ珍しかった先駆けとしての大きな役割を果たしたものと考えております」と、廃校を利用して知名度が上がればよかったんですかね。ではなくて、廃校を活用して何が生み出されたかということだと思うんですよ。というように、産業政策上、あの事業がどういうプラスの効果を生んだのかということに対して一切言及がないわけですよ。当然ながら数字も入ってきていないと。こういうことからすると、やっぱり区長は見たいものしか見ていないというか、都合の悪い事実を余り見ようとしていないように思います。  その後の答弁で、課題も大きいと認識してきましたということも答弁しているんですけれども、それで終わりなんですよ。課題が大きいならば、そことちゃんと向き合って解消した上で仕切り直さないと、また同じ過ちを繰り返すだけでしょうということを我々はずっと言ってきたつもりなんですけれども、それがあまり伝わっていなかったということがよく分かりました。  幾らこっちが系統立てて言っても、ただよかったじゃないかみたいな印象で語られると、正直こっちもきついんですよね。この池尻の問題がいつまでたっても平行線なのは、やっぱり区長のこの問題に対する認識というものが極めて表面的で、いいとこ探ししかできていないという点に尽きると思います。  加えて、所管についても委員会でこちらがいろいろ問題点を指摘すると、一問一答かのように次の委員会で返されてくるわけですが、それ以上のものはなかなか出てこないわけです。区の関与はどうするんですかとか、あるいは評価の仕方、在り方はどうするんですかとか、KPIはどうするんですかと、私もいろいろ指摘をしてきましたけれども、言わなきゃ出てこないという状態が本当にこの事業をやれるのかという疑念につながってきたわけですよ。我々もただそこまでお人よしじゃありませんので、課題を指摘しては回答するというこのモグラたたきみたいなことをいつまで続けなくちゃいけないのかということも思うわけです。  区長とはなかなかかみ合ってこない、所管とは千本ノックみたいなことをずっとやっていると。ただ、この状況を何とかやっぱり打開したいという思いも我々ありますので、しようがないというか、苦肉の策で我々が一旦引きます。引きますというのは、もう経産部での検討をやめろというようなことは言わないということです。ですから、経産部で引き続き検討していただいていいと思うんですけれども、それにはちょっと幾つか条件を提示させていただく必要があるということで、以下述べさせていただきたいと思います。  まず、当初、この四月から、来月から事業者の募集を開始するというスケジュールを引かれておりましたけれども、この四月からの事業者募集というのは、ちょっと今の状況を鑑みるとあまりにも無謀なのでやめていただきたいということです。というのは、委員会だとか本会議で指摘された諸問題というものが数多く残っていると思いますし、池尻小のPTAの方々から陳情が出されてきたということもありますので、そうしたことをクリアにしてもらうことが大前提かなと思います。  改めてこの四月からの事業者募集についてやめていただきたいということに対して、区長、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎保坂 区長 今の御質問にお答えする前に、前段御要望としてあった池尻ものづくり学校のいわゆる民間マンション案などを、私が至るところに行って吹聴しているという、風説というかお話があったわけですが、私は振り返る限り、そのような場面というのは全く思い出せないんです。ですので、吹聴しているということはないし、今そういうふうに御否定なさったので、当然今そういうふうに言っているというようなことは、今後は言うつもりはありません。  そして、ものづくり学校の評価はいろいろあるんですけれども、十七年にわたって、今回ちょっと耐震がコロナの関係で遅れたりして、結局その見直し年次が遅れましたけれども、後半に至ってはやはり枠組みが非常に繰り返しになってきたことや、様々、一事業者がずっと十五年以上にわたってこの事業をしていることについて公平性、そしてまた事業をやはりバージョンアップすることの必要性などから、今回リセットして、耐震の改修という必要不可欠なことがありましたので踏み切っていくということであります。  さて、御質問にお答えしていきます。  まず、池尻中学校の跡地活用につきましては、令和元年十一月の区民生活常任委員会において今後の方向性を御報告いたしました。それ以来、議会、事業者、区民の意見も踏まえながら、産業活性化拠点としての具体的な機能や成果指標の設定や運営、事業評価の在り方について検討を進めて報告をしてまいりました。とりわけ、この間も議員も含めて多くの御指摘や、あるいは御提案、御意見がありますので、また、地元学校関係者のお声もあるということでございます。よりこれは丁寧にしっかりとその成果を上げるべく実行するためには、当初予定していた四月の運営事業者募集の時期については一旦遅らせたいと考えています。 ◆おぎのけんじ 委員 では、遅らせていただくということでよろしくお願いします。  四月に募集をやめてからの期間を使ってやっていただきたいということが二点ありまして、まず一点目は、先ほど言いましたけれども数ある問題点が積み残されていると。ただ、それを全部クリアにしようとしているとこれも切りがないと思いますから、ある程度絞り込んだ上でちゃんと煮詰めていただきたいということです。  例えば、経済効果の見立て、これがいいのかどうか。私は個人的にはちょっと低いと思っていますけれども―だとか、あるいは産業振興公社や商業課、教育総合センターとの事業のダブりと思われるようなものがあるけれどもそれをどうするのか、役割分担はどうするんですかと、機能集約できないんでしょうかというようなことだとか、あるいは校庭、校舎、体育館を三位一体で活用するということの必要性、妥当性ですね。これは池小のPTAの陳情にもつながってくるところだと思いますけれども、そういったようなことがありますから、今日は時間がないので個々の問題について深堀りはしませんけれども、これらについて我々と議会と一定の合意形成がなされるまで真摯に議論を尽くしていただきたい。これが次の要望ですけれども、区長、いかがでしょうか。 ◎保坂 区長 この産業活性化のための拠点として、これまで経済産業部中心に検討を進めてきました。もちろん、これは大学連携であるとか各地方との連携だとか、企業、NPO、様々な社会資源を動員してということで産業の基盤をつくっていくということと、おっしゃった教育の面での教育資源と、非常にその共通の土台を持つものであります。そういう意味からも、区政全般を見渡した横断的な視点に立って活用ができるように、しっかりと私も見ていきたいというふうに思います。  この間、議会などから御指摘、御意見があることを踏まえて、では、区内事業者にとってのどのようなメリットがあるのか、区民の暮らしや日常にどのようなリターンがあるのかということも分かりやすくお示しすることも課題だと考えています。  また、産業振興公社との役割分担、それぞれの違いと重きの置き方ですね、こういったところの整理。また、校庭などの使用方法などについてのルール、こういったことも重要だと考えておりまして、議会をはじめ必要なステークホルダーの皆様のお話を聞きながら、経済産業部を中心にしながら、しかし全庁を挙げてこの施設が本当にバージョンアップされる、よくなるということのために御理解がいただけるよう努力をしてまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 しっかりと着地点を見つける努力をお互いやっていきましょうと。でないと、事業者が決まったとしてもとても困ると思いますので、よろしくお願いします。  それから、最後の提案ですけれども、我々、我が会派として池尻中跡地活用について最も恐れているというか危惧しているということは、あの池尻の土地が、また何の価値だとか収益を生み出さず、十年、二十年と時が過ぎて、都合三十七年間塩漬けになってしまった、野放しになってしまったというようなことになることなんですよ。つまるところそれだけなんですけれども、ただ、区長は収益は取りにいかないというようなことをはっきりと態度で示されていると思いますし、ただ、その上、何の付加価値もあそこは生み出さないということになるととても困りますので、そうなったときには即刻やめていただきたいと思います。  そのために、その事業実績が芳しくないならば、いつでもその事業を畳める、つまり、やめられる仕組みをつくっていただきたいというのが最後の提案です。ものづくり学校は、委員会での報告もありましたように評価の仕組み自体がなかったがゆえに、事業者の逃げ場が幾らでもあった、言い訳もできたと。結果、ある意味いいようにされてきた部分もあったかと思います。収支報告なんて、改めて見てみると突っ込みどころがやっぱり満載ですから。それでは駄目だということで、私も委員会で区の関与をいかに強めますかとか、評価の仕組みをいかにつくるのかということで指摘して、区のほうから運営委員会をつくります、評価委員会をつくっていきますというような話が出てきたと認識をしていますけれども、ただ、それだとまだ甘いと思います。  というのは、今の想定でいきますと、世田谷区と事業者は単なる賃貸借契約の関係性でしかないからなんですね。ですから、評価委員会でいかに厳しい評価が下されて是正勧告が出されたとしても、事業者は知らんぷりしようと思えばできるんですよ。ましてや契約解除なんていうことはできないということです。ですから、まずは事業者と行政とで業務委託契約のようなものを締結するということがマストだと思います。  加えて、その中に盛り込むのか別立てにするのでもいいんですけれども、KPIとは別に、事業の撤退基準のようなものをつくっていただきたい。我々もこれまで経産部ではもう限界じゃないですかと、やめてはいかがですかというようなことを言ってきて、それでもやりたい、やりたいと、そこまでやりたいというのならば成功させる自信がおありなんだろうと思います。思いますというか、思うようにします。だったら、逃げ場をつくらずに退路を断って臨む覚悟というものを示していただきたいと思うんですね。区長の印象と我々の印象のレベル感がちょっとあまりにも違うので、もうロジック云々とかじゃなくて、撤退基準という仕組みを共通言語としてこの事業をお互い見ていきましょうよということです。  なぜならば、この事業というのはゼロからのスタートではなくてマイナスからのスタートだと思うんですよ。区長はそう認めないかもしれませんけれども、所管は事あるごとに反省点をるる述べていますよ。ですから、もうある意味失敗は許されないという状態だと思います。確かに、あのものづくり学校の失敗は新しい事業者の責任ではありませんけれども、少なくとも同じ路線を踏襲するならば、新しい事業者にも背水の陣であるという緊迫感を持ってもらわないといけないと思います。そういう意味で言っています。もちろん、結果で示していただければ我々も文句は言いません。むしろ私、個人的に謝りますよ、ここまで言ってすみませんでしたと。ただ、結果が出なかった場合に潔く、ちゅうちょなく撤退するための仕組みをつくっていただきたいということです。区長、この点についていかがでしょうか。 ◎保坂 区長 まず、経済産業部のほうで様々な御指摘を受ける中で、区と運営事業者で運営委員会を設置するであるとか、また、第三者による評価委員会で評価をしていく仕組み等を導入するということを申し上げているところです。この池尻ものづくり学校、確かに失敗というふうにおっしゃいましたけれども、十六の企業の、いわゆるサウンディングで手を挙げ、いわゆるこういう青写真でいきたいという提案を受けているわけです。我々としては、賃貸借契約の中でできるだけ民間企業の創意工夫や、いわば企業としての先見性や、積極的な提案というのを生かしていこうというふうに考えてきました。今おっしゃるところ業務委託というような話で、業務委託であれば確かに委託を年次を切ってやっていけば、いつでも違っていれば切れるということになるわけなんですけれども、では、そこのところはまた今後議論させていただきたいと思います。  企業の、あるいは民間事業者の創意工夫をもっと全面的に発揮してもらうような枠組みを区としてはつくりたいと思います。中途打切りというようなことについて、これはやはり法令に基づいたルールの中で、信頼関係の下にこういった事業は出発するわけですから、信頼関係を著しく損ねて破壊をしたり、あるいは出された企画提案と全く違う内容のことがなされているとか、御懸念されるところをどういう基準で線引きするかということ、それと、現行法令とのそごがないように、つまり、おぎの委員がおっしゃるような、このものづくり学校の改め第二ステージがしっかりと区民に便益をもたらし、世田谷区の新たな産業政策の価値を提供できるように努力してまいります。 ◆おぎのけんじ 委員 繰り返しますけれども、我々としては十年、二十年でまた無駄な使われ方をすることだけはどうしても阻止したいと思っています。そうならないことを願ってはいますけれども、いざとなったら区民に申し訳が立たないと思っていまして、我々が一番こだわっているポイントですから、これも一方的に決めました、つくりました、はい終わりじゃなくて、お互い納得できるまで話合いを持っていただければと思います。  以上で石川委員に交代します。 ◆石川ナオミ 委員 本日は、国際女性デーです。もう皆さんも御存じだと思います。女性の生き方を考えるという日でもあります。女性の暮らしですとか女性の権利、そしてこの戦禍にあります、平和のことについても、やはり私たちは世界に声を発信していくという日にしていきたいと思います。先ほどおぎの委員からもお話がありましたけれども、こうしている瞬間にも命の危険にさらされている人々がいるということ、それからロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は断じて許すことではありません。この世界国際女性デーに合わせて、私たちは平和についても改めて考える今日一日にしたいと思っております。  それでは質疑に入ります。  まずは、高校生の医療費の助成事業について伺ってまいります。  このほど東京都は、現在中学生までとしている医療費助成の対象を、二〇二三年度からは高校生まで拡大をするという発表がなされまして、さきの定例会でも他の会派から質問がなされておりました。ただ、はっきりした具体的な制度設計がなされていない、示されていないという状況でもありました。そして、つい先日、三月三日に東京都から補助額などの情報が公表されたというところで、その最新情報によりますと、東京都が全額負担、いわば十分の十の補助がなされるということなんですが、区の財政負担も発生をしてくるということでもあります。  まずは、この東京都の最新情報に対する区の考え方を伺います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 区では、平成四年度から所得制限のない子どもの医療費無償化を実施しまして、現在では中学三年生まで対象を拡大しております。委員お話しございましたけれども、先般、東京都では高校三年生まで医療費無償化を公表いたしまして、二月の区長会の総会では、まだその時点では制度詳細は白紙で、所得制限であるとか財源構成は未定ということだったんですが、三月三日に東京都のほうでは所得制限と自己負担がある制度として、区に対しては補助を市町村同様に二分の一、ただ、当面三年間は全額、十分の十の補助をするという情報がございました。  今後、課題整理を進めまして、都に対しては所得制限撤廃など制度の見直しや、現在の中学三年生までの無償化を含む財源確保などの必要な措置を求めまして、区全体あまねく子どもの保健の向上と育成が図られるような制度になるよう引き続き要望してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 改めて、この子ども医療費の補助につきまして調べておりますと、やはり各自治体によってその補助の額も違ってきている、補助の制度も違ってきているということが分かりました。特に、千代田区は既に独自で高校生までの医療費補助の制度がありますけれども、人口の多い世田谷では、なかなか他区と同じように足並みをそろえていきましょうということは難しいという状況も、それは十分理解をしております。  これまで中学三年生までを対象といたしました医療費補助の執行額、昨年度は三十六億四千万円余りということでしたけれども、仮に高校生までの医療費補助がされた場合でも、実際のところ、都が十分の十出すといっても区の財政負担が出てしまう、発生してしまうということを伺っております。どのぐらいの財政負担額なんでしょうか、伺います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 委員お話しございました、当面都は十分の十やると言っているんですけれども、都制度と区制度は所得制限、自己負担のない制度でやっておりますので、ちょっと都制度の詳細が明らかになっていない状態でございますが、現行の中学一から三年生までの医療費を基に試算しますと、十分の十都補助がある当面三年であっても、新たな区の負担は年間約三億円、都補助が二分の一になります四年目以降になりますと、年間約五億円というふうに見込んでございます。 ◆石川ナオミ 委員 未来への投資という観点からも、高校生までの医療費の無償化ということは大変喜ばしいことではありますが、追加の財政負担も出てくるということでもございますから、しっかりとこれからも東京都と協議をしていただきたいということは要望していきたいと思います。  聞くところによりますと、この高校生の医療費補助につきましては、東京都からこれまでもちょっと御答弁がありましたけれども、検討してくださいというか、事前の調整がなされないままに、この制度ありきでマスコミ等ですとか区長総会などへ報告されたということを伺っております。  さあ、保坂区長、事前説明がなされていないままに、区長会で初めて耳にされたということもあったかと思うんです。このような説明の在り方を区長はどのように思われますか。 ◎保坂 区長 まず、高校生までの医療費無償化は大変いい政策だと思います。やるべきだと思います。世田谷区としては中学生まで完全無償化しているわけで、高校生からのいわゆる所得制限というのはなかなか導入が困難だなというふうに今所管が答弁したように、区の財政負担も発生してくるだけじゃないんですね。幼児から小学生、中学生までの所得制限もかけられたままで、そこに我々区が上乗せして完全無償化していることに対して、東京都が一貫して勝手にそんなことをしているんで、こんなものは財調で算定できないよという非常にネガティブな態度を取ってきたんです。ですから、今回は東京都さんも子ども条例をつくられたし、これまでの中学生以下の所得制限についての考え方も変えてもらわなければ困ると。なので、これは私は区長会で聞いたんじゃなくて新聞で見たんです。なので、区長会ではこうやって区財政に、それから財政だけじゃないんです。方針に、考え方に関わる大事なことなので、ちゃんと報告して、協議して、それからやるのが筋でしょうというふうに申し上げました。 ◆石川ナオミ 委員 そうですよね。(「何かどこかで聞いたことあるな」と呼ぶ者あり)今、外野からもどこかで聞いたようなコメントだということで、区長は、これは新聞報道で初めて知ったということなんですよね。これ、いや、思い返せば区長、御自身でも覚えがあるんじゃないですか。胸に手を当ててちょっと思い出していただきたいんです。いわゆる先ほどの東京都の在り方というのは独断専行的な物事の進め方というところであろうかと思うんです。まさに、この進め方は今の保坂区政においても結構見られることです。正直なところ、私たちも、もうちょっとこれ議会に先に言ってよというようなことが結構あるんですよね。例えば、今回のこういったコロナ対応につきましても、記憶にもまだちょっと新しいと思いますが、PCR検査のいつでも、誰でも、何度でも、世田谷モデルということも、私たちもマスコミ報道で知ってびっくりしたということがありました。保坂区長がテレビに出てきてこの言葉をおっしゃったときに、何が始まるんだろうというような、打ち上げ花火をどかんと上げられたような、その後どうなるんだと、もう不安でしかなかったということもありました。そして、つい先日も抗原定性検査キットの無料配布事業もありましたよね。これも我々議会に説明がないままにです。実際に、もう手続が先行していて、もう止めることもできなかったというか、その後追いで伺うことになってしまったというようなことがありました。しっかりと議論がなされないまま事業に踏み切った結果どうなったかというと、もう現場が右往左往したわけですよ。これは保坂区長もよく御存じだと思います。そして、我々区議団の下にもお叱りの御意見をいただいたというようなこともありました。  本当にこうして考えていくと、やはり保坂区長の進め方ということにおいては、非常に私たちもいろんな疑問を呈すというところでもあります。今回の高校生の医療費の無償化につきましても、都知事がこういうことをしたということで、実際都議会でも、自民党の都議会でも、議員が、区市町村との事業調整を全く行わず一方的に進めるやり方、説明責任が著しく欠如していると厳しく抗議したというふうに聞いております。保坂区長が東京都に対する不信感ですとか不快感を抱くのと同じように、我々区議会としても私たち自民党としても、保坂区長には同じように日々感じております。  この点について、御自身の政策を進める姿勢、いかがお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 区議会に対しては、事業の内容をあらかじめお示しした上で進めていくというのが原則ではございます。ただ、感染症対策の中で、オミクロン株が急激に上昇する等の変化、そしてまた東京都のPCR検査無料検査場の数が絶対的に足りないなどのことから、抗原定性検査キットの配布に踏み切ったわけですが、その配布の会場で大変行列ができてしまったことや、あるいは正しくその情報があまねく行き渡らなかったことについては反省をしております。その反省を踏まえて、コロナ対策はこれからも続くわけで、しっかりと情報提供もしながら、意見交換ができ、そして対策を効果的に進めていきたいというふうに思っております。  ただ、東京都のこの小池知事が示したという話は、都と特別区のある種の力関係といいますか、つまり、東京都が十分の十全部やりますよということは、これは自由なわけです。どんどん発表すればいい。しかし三年間だけ、しかも所得制限の部分だけ十分の十なわけです。ということは、これは世田谷区においては五億円と、一番多いと思いますが、それぞれの区にも発生してくると。もう一つ、我々本当に納得がいかないのは、子ども医療費の無償化というのは大変大事な政策なんだ、だから完全無償化なんだということで、二十三区足並みそろえて都にこの意義を理解してくださいよと。だから財調算定に乗っける部分について、完全無償化する部分について理解して算定してくださいって、これはかなり激しいぶつかり合いがこれまであったわけです。ここのところを全く変えずにまた同じ所得制限で出してきたと。多分出してくるだろうというふうに思っていましたが、そのことを、これはやっぱりすっきりとお互い得心するまで、いや、都も考え方を変えましたと、だったらこういうふうに財政措置はしますというところまで持っていけるように努力をしたいと思っています。 ◆石川ナオミ 委員 そのお互いにやっぱり納得し合うまでというこのキーワードは、先ほどのおぎの委員からの池尻中学校跡地活用についても同じことが言えるかと思うんですね。ですから、やっぱり私たち区議会にもしっかりとお示ししていただきたいこと、それから、お互いに情報共有ができること、そういったところで分かり合って進めていけるということもあろうかと思います。やはり世田谷区民の皆様のためになる政策でもあるかと思いますので、ぜひそのあたりをいま一度お考えいただけたらというふうに思います。要望しておきます。  さて、続きましては重度障害者の方への支援について伺ってまいります。  親が元気なうちは、親御さん自身が障害のあるお子さんの生活を支えることができます。しかし、親が亡くなってしまった後はどうでしょうか。一体誰が、どのように我が子の生活を支えてくれるのかといった将来についての不安を抱いている親御さんも多くいらっしゃいます。実際に、私どもの下にもそうした不安の声、心配の声をお寄せくださる方もいらっしゃいます。この親なき後の課題というのは、本当にこれは喫緊の対策を立てていかなければならないというふうに私も思っておりまして、昨年の第三回定例会での代表質問でも取り上げさせていただきました。  障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らしていくためにも、グループホームなどの施設整備、もうこれは本当に待ったなしの状態なんです。区内の障害者グループホームは少しずつ整備されてきているとは存じ上げておりますが、重度の障害のある方向けの施設整備は運営面でも課題が多くて、施設としてはまだ数が足りていないというのが実態です。  そこで伺いますが、来年度の予算案の重点項目に重度障害者を受け入れるグループホームへの運営費補助という新たな取組が示されております。これは具体的にどのような内容になっているのでしょうか、伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 まず、重度の障害の方を受け入れていくためには、国の基準以上に人員を配置する、こうした必要があるといったような課題が多くございます。新規の設備整備ですとか、それから既存施設での受け入れ、こうしたものが進んでいないというような状況にございます。今回、受け入れを促進するために区独自の補助制度、こうしたものを創設していこうというものです。補助の内容といたしましては、障害の種別によって異なる障害支援区分四以上の方で、例えば支援員二人以上で介助が必要な場合など、そのより支援度の高い方を対象として、受入れ人数により補助をしていこうというものになります。補助対象者お一人当たり一か月上限七万円を補助することとし、新規の施設だけではなく既存の施設にも適用していこうということで、既存の運営事業者の運営の安定化にもつなげていきたいというふうに考えてございます。  また、区内の地域生活支援型の入所支援施設、区内で言いますと東京リハビリテーションセンター世田谷になりますけれども、そこからの地域移行により入居した場合には、さらに上乗せで補助を交付するというようなことで、地域移行の促進もさせていきたいというふうに考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 この新たな補助制度の活用、有効活用や施設整備によって受け入れが促進されていくということを非常に期待されるというところでもありますが、重度障害者が受け入れられるグループホームの整備につきましては、現在、千歳台三丁目の区有地ですとか、大蔵住宅の建て替えに伴う整備として進められておりまして、それぞれ今公募により事業者選定をしているという報告を受けております。今後、具体的にはどのように進められるのでしょうか、展望を伺います。 ◎須藤 障害福祉部長 区といたしまして、親亡き後の対策というのは喫緊の課題であるというふうに認識をしてございます。今後の施設需要を見据えまして、施設整備に係る基本方針を昨年度策定させていただいたというところでございます。  お話しの千歳台三丁目にあります区有地は、令和五年度の開設、それから東京都の住宅供給公社の大蔵住宅の建て替えに伴います創出用地、こちらにつきまして令和八年度の開設をそれぞれ予定しておりまして、現在事業者の公募選定、こうしたものが進んでいる状況になってございます。引き続き公有地の活用を積極的に進めるとともに、先ほどお話もさせていただきました運営費の補助、既存施設においても施設改修などの機会を捉えて定員拡充ですとか機能転換を図りながら、日中活動の場も含めて、住み慣れた地域で安心して暮らせる基盤の施設整備に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆石川ナオミ 委員 ぜひ遅滞なく進めていただけたらというふうに思います。
     そして、続いては医療的ケア児への支援ということで、ここでは教育の観点から伺ってまいります。  全国には医療的ケアが必要なお子さんがおよそ二万人いらっしゃいます。国がインクルーシブ教育を掲げる一方で、この義務教育段階では、医療的ケア児の受け入れ体制というのは自治体によっても大きな差が出てきております。現在、世田谷区では改築が予定されています砧幼稚園と砧小学校で、改築後は医療的ケア児をモデル的に受け入れるという取組も予定をされております。こうした中で、医療的ケア児が区立小学校の通常学級に通うケースですとか、また、小学校から中学校に上がるケースもあるということです。  新たな環境の中で、児童生徒及び保護者の不安を払拭して安心して学べる環境、体制を強化すべきと考えます。区の見解を伺います。 ◎粟井 教育政策部長 医療的ケア児の区立学校での受け入れにおきましては、児童生徒及び保護者の意向を踏まえ、通常学級において看護師の配置などを実施し対応しております。その際は、児童生徒及び保護者と学校との情報連絡を綿密に行い、安心して通える準備を進めるということは大変重要であると認識しております。  医療的ケア児の通常学級への受け入れ、また、小学校から中学校に上がるケースにつきましては、児童生徒及び保護者の意向を尊重し、安心して通えるよう、早期から個別に対応してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 実際に今年度の四月から区立小学校から区立中学校に入学をされるお子さんもいらっしゃいます。世田谷区にとっては重度の医療的ケアのお子さんを受け入れる、中学校で受け入れるということは、恐らくまだ経験がないということになってくるかと思います。そうしたときに、やはり環境整備もそうですし、いろんな面で学校の先生方へのいろんな声を聞いて、そしていかに先生方も臨機応変に対応できるかというようなことも求められてくると思うんです。ですから、そうした高度な医療的ケアを必要とする児童生徒を受け入れる環境整備については、本当にそのときになってから考えるのではなくて、事前に先に先に考えていかなければいけない、そういう問題であるというふうに思います。見解を伺います。 ◎粟井 教育政策部長 医療的ケア児を受け入れるための学校の環境整備は、様々な医療的ケアが必要な児童生徒が共に学ぶ学校運営において必要であると認識しております。現在は、配慮が必要な児童生徒の状況に応じて階段昇降車の配備などを行っておりますが、学校の改築や改修においてこれまで計画してきましたエレベーターや多目的トイレの設置など、ユニバーサルデザインの取組に加え、重度の医療的ケアが必要な児童生徒への配慮の視点も取り入れるよう関係所管と連携して取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 ぜひ、その受け入れる学校の校長先生などは不安なお気持ちでいらっしゃるということも私も伺っておりますので、ぜひ現場に行ってみてください。そして今、どういうことが起きているのか、何が必要なのか、どういうことを皆さんが考えていらっしゃるのかというのをぜひ見て、聞いていただきたいと思いますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。 ◎渡部 教育長 重度の医療的ケア児を受け入れるには様々な配慮が必要になります。まずは、学校の教員が理解をすることが大事だと思います。そのときに、やはりそれをリードする校長の理解というのは大変必要だというふうに思っています。私たちとしても、やっぱり現場に行って何が今必要なのか、それを把握して、そして学校と協議をしながら、安心して学校生活が送れるように進めていきたいと思います。 ◆石川ナオミ 委員 ぜひ、現場が大事ですので、本当に皆さんの声をつぶさに受け取っていただきたいと思います。  最後に、この障害者施策の全般について伺っていきたいと思うんです。  共生社会の実現につきましては、せたがやノーマライゼーションプランですとか、現在検討を進めています障害理解の促進や障害者の差別解消、情報コミュニケーション等に関する条例にもしっかりと位置づけられております。ですが、これまでの区長の障害者施策、先ほども現場、現場と私は申し上げておりますが、この現場の声を保坂区長はちゃんと受け取っているのかなというふうに疑念を抱いてしまうということもあるんです。やはりこの重度の障害者の方々の施設整備などにつきましては若干先送りしているんじゃないですかという感じがしております。ですから、この障害者施策、障害者理解促進を今こそしっかりと進めていくべきであるというふうに考えますが、保坂区長、見解を伺います。 ◎保坂 区長 区では、障害者施策を計画的に推進するためにせたがやノーマライゼーションプランを策定しまして、障害福祉サービスの提供をはじめ、在宅生活や就労支援、施設整備の促進などを進めています。また、先般先導的共生社会ホストタウンということで、とりわけこれは力を入れていくんだということも内外に明らかにしております。現在検討中の条例では、個人としての尊厳が重んじられることや、重度の心身障害のある方に、配慮が必要な方のきめ細かな支援などを基本理念に掲げていこうと考えております。  障害理解の促進や障害者施策の充実に向けた具体的な取組については、地域生活支援拠点における緊急時の受入れ体制整備や重度障害者のグループホームに対する補助など、可能なものから実施をしてまいりたいと本会議に提案している令和四年度当初予算にも必要な経費を計上してございます。  従来の取組を振り返ると、残念なことに障害者のグループホーム等の建設計画が明らかになると、周囲の住民の方の理解が十分得られない段階で反対運動が激化してしまうなどの痛い経験もありました。それによって計画が途中で撤退してしまうということもございます。先導的共生社会ホストタウンとして、地域共生社会を実現する世田谷区としては、こういった地域住民の理解を得るということも、業者にただ委ねるのではなく、協力しながら実現ができる、せっかくそういう企画が生まれたときにきっちりそれができるように、一層の努力をしてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 心のバリアフリーというものも積極的に働きかけていくことが必要だと思います。  以上で私からの質疑を終わります。上島委員に替わります。 ◆上島よしもり 委員 私からは、新型コロナ対策を振り返る形での質問をしていきたいと思います。  新型コロナという感染症蔓延の中で、区としても区政全般の事業を同時に継続して行うために工夫をされてきたと思います。この際、BCPについては昨年六月の議会において我が会派の宍戸議員のほうからの質疑において、BCPを含めた新型インフルエンザ等対策行動計画の見直しに取り組んでまいりますというふうな答弁を保健所長からいただいているわけでございますが、その取組の状況をお聞かせください。 ◎辻 世田谷保健所長 新型コロナウイルス感染症対応におきましては、昨年一月の感染第三波での経験を踏まえまして、民間事業者への委託による新規感染者への連絡や、自宅療養者への支援体制を強化するとともに、庁内におきましては、感染状況に応じた事務系・医療系職種の応援体制を構築し、保健所の感染拡大時における防疫業務を維持継続しております。現在、第六波のピークは過ぎたものの、感染者数の減少は鈍化しておりまして、当面は保健所の感染拡大時の機能維持に注力する必要がございます。  保健所といたしましては、第五波、第六波も含めて、感染の波ごとに得られた知見や経験を検証しながら、感染の収束を見極めた上で、BCPを含め、早期に行動計画の見直しに着手してまいります。 ◆上島よしもり 委員 そうしますと、見直しは現時点では着手していないということでいいんですかね。 ◎辻 世田谷保健所長 現段階では感染のさなかにある、パンデミックのさなかにあると思っております。また、国におきましても指定感染症を外していないということは、もう少し経過を見なければいけないというふうに考えているというふうに理解をしております。東京都のほうの行動計画等も見なければいけないという区の事情もございます。様々勘案しまして、今後必要に応じてできるだけ早期に着手してまいります。 ◆上島よしもり 委員 そうですね、今まださなかにあるということもありますし、あと、やはり見直しといいますとかなりきちっとした手続を踏んでいかなきゃいけないということもありますので、すぐにはできないと思うんですが、ところどころ、やはり目立つというんですか、気になるところというのは出てきていると思うので、そういうものをきちっと残しておくという作業はぜひ進めていっていただきたいと思います。  それで、BCPをしっかり見直すということになりますと、その大前提として、この間の区の新型コロナ対応の体制全体について反省すべきところ、今後に向けて改善すべきところなどを詳細に確認することがまずもって重要かというふうに思います。実際、そういった課題は様々出ているのではないかと思います。的確な検証をするには、時間が経っても、また担当者が替わってもうまくないという中で、それこそ早急に着手すべきと考えますけれども、その点はいかがでしょうか。 ◎中村 副区長 この第六波を含めた新型コロナの検証ですけれども、保健所長が答弁したとおり、この第六波の収束を見極めて検証作業を進めて、早期に次の準備を含めたものを取り組む必要があると思います。同時に、この第六波だけでなくて、二年を経過したこのコロナウイルス感染症対応をいま一度振り返るとともに、既に実施した後遺症調査の知見を踏まえた対策も生かしていくべきとも考えています。  また、この新型コロナウイルスに限らず、将来的にはまた新たな感染症などの可能性もありますので、健康危機管理への対策という視点から見直しを強化する時期と捉えています。いずれにしても、保健所だけじゃなくてワクチンのこともあります、検査のこともあります。関係部挙げてこの見直しのほうに着手してまいりたいと考えます。 ◆上島よしもり 委員 今回、こういったコロナ感染症対策というのが私は全庁的に本当に行われてきたのかなということを、若干この二年間思いながら過ごしてきたんですけれども、特に今回の感染症対策において、例えば災害時の体制構築であるとか、また意思決定や情報共有の在り方とか、また情報分析、対策立案とか情報発信など、いろんな観点で課題があったんではないかなと。先ほどより我が会派の質問の中でもそのような内容の話があったと思いますが、そういうところを一つ一つ検証して次につなげていくべきだというふうに私は考えておりますが、その辺については副区長、いかがですか。 ◎中村 副区長 区では、未来つながるプランにおいても、この新型コロナの行動計画とマニュアルの改定に取り組むこととしておりますけれども、委員御指摘のとおり、これまで区がこのコロナ対策で積み上げてきた経験は、諸条件は異なると思いますが、水害や震災など大規模災害への対応にも通ずるものがあると考えています。例えば、事前の準備の必要性、災害時の区の体制構築、また意思決定や情報共有の在り方、情報分析、情報発信など様々な部分で生かせるものと考えています。  今回の行動計画の改定に当たりましては感染症中心になりますけれども、それだけではなくて、あらゆる災害を意識しながら全庁挙げて取り組んで、区の危機管理体制の強化という視点から推し進めたいと考えます。 ◆上島よしもり 委員 ぜひ、今副区長のほうから危機管理体制全般に関わるというお話があったんですが、ここでぜひ危機管理部としてその辺どのようにお考えかお聞かせいただければと思います。 ◎菅井 危機管理部長 この間、コロナ対策につきましては危機管理部もそれぞれ担って対応してきたところでございます。また、全庁的な取組というところでは、災害時の取組にも共通するところがございます。今回のお話の検証も踏まえまして、災害対策のところに生かしていけるところにつきましてはどんどん取り入れて危機管理体制のほうを構築していきたいと考えてございます。 ◆上島よしもり 委員 ぜひそうしていただきたいんですけれども、私は、危機管理部が何か今回のコロナ全般において、コロナ禍においてなかなか姿が見えなかったなという、正直そんな印象を持っているんです。もちろん災対本部で連携していたと思うんですけれども、本質的なところで本当にコミットしていたのかなというのが我々、我々というか少なくとも私、場合によっては議会もそこまでなかなか伝わっていなかったのではないかなと思っております。  もしかしますと、実質的には全庁的に取り組んでこなかった、また取り組む仕組みが実はつくれていなかったんじゃないかなとも私は思っておるんですけれども、ぜひこの辺、メリット、デメリットあると思うんですね、災害対策本部が前面に出るのか後ろに下がってやっていくのか、関わっていくのかというのはメリット、デメリットあると思うんですが、その辺もあえて厳しく見ながら検証というものをやっていただきたいと思います。  例えば、今回抗原検査キットの配布が行われましたけれども、実際課題が浮き彫りになったわけですが、この実施に当たって、例えば、結構状況としては災害時の状況にも若干ダブる部分もあるわけですね。そう考えますと、これは例えばですけれども、危機管理部が積極的に関わる、場合によってはオペレーションを担うとか、そういうことも本来であれば災対本部でいろんな議論があったならば、そこでそういう関わり方もあったんじゃないかなとも思います。もちろん、それについてもいい、悪いがあると思いますので、全ての部分で本当にその所管がどう関わったらよかったのかということも含めて検証していただきたいと思いますけれども、その点。これは副区長がいいかな。 ◎中村 副区長 危機管理部については、新型コロナ対策を意思決定します本部には常時出席のメンバーで情報共有し、ノウハウなどの発言もいただいて進めてきたつもりです。ただ、今回の感染症自体が感染症法上の二類に位置づけられていたものですから、保健所がかなり中心になって流れをつくってきた。なので、保健所がどうしても中心になったというところはあります。また、度重なる波が来ましたけれども、時期によっては出水期になり、多摩川のほうの警戒が必要な時期もあり、そういう意味で役割分担はこの間してきたと思います。  ただ、この二年間を振り返るときに、そういう体制で本当に効果的だったかということも含めて検証して結論を出していきたいと考えます。 ◆上島よしもり 委員 あと、各所管の関わり方もあるんですが、もう一つは、かなりオンタイムでやりたいことが本当にできていたかというと、多分その発案していろいろ練って、手続を経て、本当にきちっとした形で行うということが、やっぱり災害時というか緊急のときはできないということが分かったのが今回のコロナ禍ではなかったのかなと思うんです。つまり、この前の抗原検査キットの配布に関しては、例えば個人情報保護審議会の答申というのかな、意見を伺わないといろいろできないとか、そういうことも何かあったやに聞いていますけれども、やはりそういうものというのは事前に、災害が起こったときにはどんな可能性があるかということを事前に考えておいて、今からマニュアルなり、もしくは手続を踏んでおくというやり方がこれからの災害対策ではないかなというのが私は今回のコロナ禍で非常に感じたということなんですね。  実際、防災で考えれば、例えば防災協定ですね。これも結構ざっくりした協定じゃないですか。これを実際に我々は頼りにしていますが、本当に動くかどうか、どんなオペレーションで、どういうふうにやっていくかなんて全く、何となく雰囲気で、区長とそういう協定を結びましたというだけで終わっているところもあるやに聞いていますので、そういうところもしっかり、実際に何をやるか、どういうふうな命令系統で、もしくはどんな場面でということをできるだけ詳細に今から行っていって、必要な手続を今から用意していくということが非常に重要だと思っておりますので、その点、今後せっかくですからどういうふうにお考えですか、危機管理部として。 ◎菅井 危機管理部長 今お話しありました協定、かなりの数結ばせていただいております。訓練も含めて、やっぱりできているところとできていないところ、まだ至らないところがあると思いますので、実際に今おっしゃっていただいた何をできるのかというところを、また実際に訓練も通じてしっかり確認していきたいと思います。 ◆上島よしもり 委員 しっかりやってください。  それで次に、ちょっと時間がありませんので、せたがやPayのことで質問したいと思うことがございます。  最近は、他自治体でも地域電子マネーというのが増えてきました。せたがやPayは他自治体に先行してつくられて、かつ後進の自治体に比べまして余りお金をかけずにつくったという点については非常に評価すべきだと思いますし、今現在だんだん本当に増えてきているなというのを大変うれしく、町なかを歩いて思うところなんですが、今後は商業振興にとどまらず、電子地域通貨として幅広く活用できる可能性を持っているということで、これまでも区議会から付加価値的な特徴ある取組について、アイデアまた要望などがたくさん出ています。数えましたら七十一の意見が区議会から出ていまして、ネガティブな意見は一切なく、区の取組として今後の展開が期待されている事業であるということがこれでも分かります。  しかし、このたび本会議場では我が会派の河野委員からも質問がありましたが、公共料金であるとか手数料であるようなところの支払いの電子決済が、今回せたがやPayが外されているということでありました。採用しなかったのはなぜなのかということでまず思うことは、区内の商店に導入を一生懸命区としては呼びかけております。協力をいただいています。また、区民にも多く購入を呼びかけている。そういった中で、世田谷区自身が積極的に採用しないというのはどういうことなのかと。さらには、区はこのせたがやPayを世田谷区のまちづくりにどう活用していこうと考えているのか疑問に感じたのは私だけでないと思っております。私は、むしろせたがやPayだけを採用するべきと考えておりました。世の中には今回採用した電子決済のように既存利用者が多いものが存在しますが、でも、あえて区はせたがやPayのみを導入したということであれば、一部の区民からは文句が出るかもしれませんが、世田谷区の本気度ないしは将来性を区民に伝えることができた非常に重要な場面だったのではないかなと思っています。もちろん、今さら是正を求める意図で質問しているのではありません。全庁的な活用の可能性を十分持つこのせたがやPayの位置づけを決定づける重要な場面を逃したその背景には、全庁的な議論が不足しているのではないかという懸念を抱いての質問であります。  区は、せたがやPayをどうしたいのか、そもそもせたがやPayは単発の施策という捉え方なのか、せたがやPay活用の戦略を持っていないのか、横断的に統括する副区長としてどのようにお考えか、お聞かせください。 ◎岩本 副区長 せたがやPayは、コロナ禍で厳しい経営状況にある小売業、飲食業等の消費喚起や区内経済の循環を促すといった産業振興を狙いとして令和二年度からスタートさせたものでございます。スマートフォンのアプリを使った決済システムのために拡張性が高く、商取引以外にも活用することも早くから視野に入れておりましたけれども、まずは本来目的である産業振興での普及、活用を最優先として取組を推進したところでございます。  手数料の支払いにつきましては検討はいたしましたが、決済方式の関係からシステム上の対応が難しいという結論に至ったものでございます。今御指摘いただきました全庁的な取扱いにつきましてはまだまだこれからのところがございますけれども、今後は区民生活の様々なシーンでせたがやPayが登場するといった機会を増やすことを目的に、全庁様々な事業でせたがやPayが活用される可能性をそれぞれ確認して戦略的に導入に努めていきたいというふうに考えてございます。 ◆上島よしもり 委員 今後、この公共料金等においてシステム上の対応を行って、実際せたがやPayを採用していきたいというふうな思いを感じる答弁だったんですが、ならば、今でしょうというのが私の思いです。行政内部の観点から言いますと、業務プロセスを改善する私は絶好のチャンスだったんじゃないかなというふうにも思っているわけです。  そこでまた、この間庁内各所管から何件の活用提案が寄せられたのでしょうか。また、どれぐらいの実現がなされたのか、その点お知らせください。 ◎田中 経済産業部長 せたがやPayがスタートして一定程度周知が進んだ段階で、庁内において活用提案の募集を行いまして、経済産業部のほうから全庁に呼びかけたという形で、現在まで二件実施しまして、二件が実施の準備中、それから九件が検討中または今後要検討というところです。例えばで言いますと、ゴミ拾いマラソンですとか、それかららぷらすのアイコン公募への景品、それから入浴券、国民健康保険の健康ポイント、職員厚生での活用といったような状況です。 ◆上島よしもり 委員 今準備中というものも御紹介いただきましたけれども、やはり区議会の期待に応えるような、実際各所管からの提案というのが、僕はあまりにも少ないと。区議会の意見と比べると何でこんなに少ないのかなと正直思うわけでございますが、そこで、ちょっと区長に決意を伺いたいんです。せたがやPayを活用して公共サービス利用の利便性を高めたり、区の政策や地域活動への参加を促したりといった戦略的な活用は全庁で取り組むべきものであって、経済産業部だけで取り組んでいても縦割りのままで、せたがやPayはこのまま十分に生かされないのではないかと私は懸念を持っております。目標を持って、また戦略を持って、副区長の下、組織横断的なPTをつくって取り組むことが私は必要と考えますけれども、区長、いかがでしょうか。 ◎保坂 区長 せたがやPayは、現在二千店舗が加盟をして、二万六千人の方が利用し、区内で二十億円が流通すると、こういった規模に育ってきております。当初は加盟店が集まるだろうかとか、あるいは実現への壁が、たくさん既存のキャッシュレス決済がある中でどうなのかという懸念の声もありましたが、商連及び職員、また事業者の熱意と努力でここまで来たと思っております。  そして議会からも、また庁内からも様々な、このように展開したらいいんじゃないかと、そういう御提案がございます。まさに地域ローカル通貨として、地域を循環する循環型経済をつくっていくという観点からも、区としてしっかりこれを育てていく、ここにとどまらずに、商品の売り買いだけではない様々な保健福祉から教育から、様々な視点で見ていくために、経済産業部を主軸にしながら庁内横断的なチームを組んで、迅速かつ効果的な取組が進んで、これが定着をさらにしていくよう副区長に指示をしてまいります。 ◆上島よしもり 委員 しっかりやっていただきたいと思います。  現在、国際情勢が非常に不安定な上、我が国の経済見通しも非常に厳しい。また、物価上昇とインフレが加速していけば、高齢者世帯のみならず、社会全体、区民生活も苦しくなることが予想されます。経済については国全体で取り組むべきことでございますけれども、区民一人一人の生活を支えていくための地域の仕組みがより求められてくると私は思っています。その際、せたがやPayのような地域通貨が活用される場面は決して少なくありません。DXの推進とも絡めるなどデジタルの持つ可能性をつなげることができるという、その可能性をぜひ潰さずに伸ばしていただくようお願いいたします。  最後にもう一つなんですが、今後、新たな活用について、先日の本会議場の答弁ですと、商連と相談して決めていくということでございました。せたがやPayの地域通貨的な存在となり得るこのポテンシャルから考えますと、やはりここも管理主体、また運営主体など、よりよい形を再検討していくことも必要ではないかと考えますが、その点いかがお考えでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 管理主体、運営主体ということですけれども、現在、商店街振興組合連合会、それから世田谷区の経済産業部、それから産業振興公社ということで、普及それから地域通貨的な活用の可能性ということで日々議論を重ねているところです。当面、この体制で協力関係でやらさせていただいて、よりよい形を築いていきたいと。各商店街においても、このポイントを使って地域貢献というのをどういうふうにしていこうかという機運が高まっている状況もありますので、この体制を当面維持していきたいというふうに考えています。 ◆上島よしもり 委員 実は私の時間はもう終わってしまったんですけれども、畠山委員のほうからもう少しいいということを言っていただいたんで、もう一つだけ、DXについて伺っていきたいんですけれども、たくさん課題はございますが、DXの今一番、いろんな課題があるんですけれども、一つお願いしたいことというか検討していただきたいことが、庁内で検討したりいろいろやっているんですが、なかなかDXが前に進んでいる感じがしないんですね。特に私が思うのは、そもそもDXをやるときにトライ・アンド・エラーだということで始めましたよね。始めたというかそれで進んでいるはずなんですが、かなり用心深くというか、きちっとやり過ぎている感じがございます。先日、基本計画審議会の中で区民参加、区民参画ということを大きく取り入れたわけでございますが、まさにこのDXそのものも考えていく上で、つまり、使う側の立場でやっぱり意見をどんどん言ってもらうという形が非常に重要だと思うんですね。国内でも国外でも、今デモテックとか、区長もたまにそういった御発言がありますけれども、やはり直接もうそのプロセスに関わっていくような、そういったデジタルを使った取組というのが非常に多くなってきています。もちろん失敗している例もあれば成功している例もございます中で、ぜひこれはトライ・アンド・エラーで、もっともっと区民と意見をぶつけ合うようなそういった場をDX推進において私は取り入れるべきだと思うんですが、その点いかがお考えでしょうか。 ◎保坂 区長 大変今の指摘は重要なポイントだというふうに私自身感じました。先日、日本経済新聞を読んでいましたら、加古川市がスペイン発の意思形成ツールを使い始めているということで、ちょっと電話をさせていただいて、どのようにやっているんだというようなお話をさせていただきました。まさに参加と協働と言っていますが、パブリックコメントなどがなかなか全体の区民の意見をというふうに九十二万都市でなかなかいかないところがある。また、今やっている地域行政制度、あるいは総合支所の中の意見ということでも、まさにICTを使って今までと全く違う生の意見を重ね合わせて意思形成を図る。そして議会の皆さんと議論しながら、住民にとってよりよい自治をつくると、そういう意味でぜひやらせていただきたいと思っております。 ◆上島よしもり 委員 それでは畠山委員に替わります。 ◆畠山晋一 委員 先ほどのおぎの委員の質疑の中で、おぎの委員とすると、私ども自民党十三名が、この間ものづくり学校についてかんかんがくがく、けんけんごうごうの議論を十三名でしっかりしてきた中での決意と覚悟を持っての質問をさせていただいたわけでございます。最後の質問の中で撤退基準を設けるべきだというところの質問をさせていただいた中での区長の答弁の中で、私としては理解できなかったのが、これはきちっとこの撤退基準を設定する前提で、今後議会と協議をすると、そういった覚悟でいらっしゃるということの確認です。お願いします。 ◎保坂 区長 まず申し上げたのは、その業務委託というお話があったんですが、私たちは賃貸借契約で考えていたと。賃貸借契約で撤退ということになれば、いわゆる解除ということになります。その解除についてはいわゆる法律上縛りがあり、区のほうから契約をスタートさせるときにどういう協議内容がそこに盛り込まれるのか。そこに、例えば一定の基準なり、その事業の具体的な内容などを要求すると。そこを今現在は賃貸借契約で考えておりますので、その法令の中で可能な基準と、この線を越えたらこれは解除しますよというふうなことをあらかじめ議論して定めていきたいということを申し上げました。 ◆畠山晋一 委員 物事を始めるに当たって、ものすごく大事な土地であり、私ども世田谷区民にとってはもう大事な事業用地となっていて、前回の検証をきちっとできていないと私どもでは判断するところですので、ただ、この先進んでいかなきゃいけないという覚悟の中で、こういった部分ではいい部分は生かして、よくなかったところで改めて次回のときにはよくなかった、うまくいく場合もあると思います。もちろんうまくいってほしいことが大前提であります。ただ、うまくいかない場合ということも、もしかしたらこういったコロナとかウイルスとか、いろんな社会背景が変わってくるということは誰も予想だにできないことでございますので、これは誰の責任とかそういったことはその時になってみなければ分からないけれども、ただ、うまくいかなかった場合には撤退をするといった覚悟と決意も必要であるという観点からこのことを伺っておりますので、賃貸者契約ということでの様々な協議する中での、この契約の中の基準がいろいろとあるかと存じますが、そういった部分もしっかりと協議の中に入れていただくことを要望して、私の質問に入らせていただきます。  私のほうでは、まずは防災のことについてでございます。  この二年間で、ウイルスとの生活を共にされている中で、私ども日本人としてより一層に有事という危機管理の観点から、いつ来てもおかしくない大地震に向けての防災対策の重要性が、いささか現保坂区政では大きく取り扱われていないことを懸念する区民の声をいただいております。震災対策と、このウイルスの対策の融合がまさに求められている現場では、現在、公助、共助よりも危機意識の高い方が自助、自分を自ら助けるということのまず第一の重要性を問われております。  では、どうしてそういうことが言えるのか。実は、先日花見堂複合施設の命名式の選挙のときの会合に、イベントに出させていただきましたけれども、そのときのイベントのときの受付、本来なら名前を書いて、住所を書いて、私はこういう者です、体温はこれです、アルコールをちゃんとしましたということをやる中で、その次に、もうその受付の方から聞かれたのが、この紙があるんですけれども、その方から聞かれるのは、自助を御存じですか、在宅避難を御存じですかと。花見堂複合施設のオープンのときですよ。どう関連するのかなとふと自分でも思いましたけれども、その方は、避難所運営というところを今後町会の皆様の責任の中でやるということの重さを認識されていて、コロナが発生して、今まで百人収容できたような避難所が、社会的距離を取らなきゃいけないということで、下手をすれば五十人ぐらいになってしまう可能性もある。ところが、私どもの区民の中に自助という観点から、まずは避難所に避難するのじゃなくて在宅避難が大事なんですよ、家が大丈夫な方、ライフラインは別にして、家の中で避難が自分でできるという方が在宅避難をしっかりしてくださいねということを、町会の人から自らこうやって在宅避難をしっかりしてくださいということを、まずそのことを問われるというか、向こうからきちっと確認させられたというところで、区民の意識の高さというところに私は非常にありがたいなと感じるところもあり、同時に、今、池之上小学校が使われている旧北沢小学校の地域の町会の方からも同様な、世田谷区民の、また同時に世田谷区の防災のマニュアルの中に、避難に対する行動というところの意識をもっと強く打ち出さなければいけないよという危機意識を持っている方の思いをいただいたので、今回この点についてまずは伺っていきたいんですが、在宅避難について、世田谷区は在宅避難の周知啓発、在宅避難のための物資の紹介などにもっと取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎菅井 危機管理部長 区は、これまで在宅避難の推進に向けまして、今お話しありました在宅避難の選択肢もあるんだということで各種啓発物へ掲載するなど周知啓発に取り組んでまいりました。今般のコロナ禍を背景にいたしまして、避難所運営委員会をはじめ、関係機関、関係者より、今お話しありましたとおり、在宅避難の推進に向けまして一層の周知を求める御意見をいただいております。今後、さらに力を入れて周知啓発に取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。  在宅避難の推進に当たりまして鍵となるのが、各家庭におきまして、在宅避難のメリットについてまずは御理解いただくということに加えまして、家具転倒防止装置の取り付けや、ポータブルソーラー充電器などによる電源確保、また水や食料の備蓄、建物の耐震化など具体的な備えに取り組んでいただくことが非常に重要であると考えてございます。  引き続き周知啓発とともに、各種あっせん、支援事業やローリングストックなどの工夫の紹介などについて、各関係所管と連携して取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 今の答弁にあるとおりではあるんですが、でも、危機意識の高い区民の人たちからは、それでもマスコミ等で流されている情報というのは、避難所というと、もうあのグリーンのパーテーション、以前は段ボールとかを使っていましたけれども、パーテーションが設置されて、あそこで避難をしてきて、支援物資をいただいて、そこで何とか救護を受けるためのいろんな準備をするんだというところの、大変残念ですけれども刷り込まれがされてしまっているんです。これについてのよしあしは問いません。その刷り込みがされているという前提の中で、そうすると、在宅避難という、もっと意識を高く持っていただくための周知徹底って非常にハードルが高くなってきているところがあるんです。それでもこの在宅避難ということを、より一層強く周知徹底をしていかなければならないということが明確なわけですから、できたらこの状況を理解してもらうためには、もう平時での自助と在宅避難の意識づけが一層求められるわけですけれども、自宅が安全である場合、指定避難所に来る必要がないですよということを徹底して周知するべきと問いますけれども、いかがでしょうか。 ◎菅井 危機管理部長 指定避難所につきましては、無条件に避難生活の場として提供するものではなくて、災害対策基本法におきましても、発災直後の緊急の避難者の受入れや、災害により家に戻れなくなった等の住民の方を一時的に滞在させる役割を担うものと位置づけられております。こうした役割を果たすために、地震が起きたら取りあえず指定避難所へ避難すればよいと考えられている区民の方々がまだまだ多くいらっしゃると感じております。こういった方々につきまして意識を変えていただく、しっかり認識していただくということが必要であると考えてございます。  自宅が倒壊などのおそれがない場合につきましては指定避難所に行く必要はなくて、ふだん生活している自宅での避難が感染防止の観点からも望ましく、そのため、日頃からの備えをしっかりしていただくことが基本であるということを明確にいたしまして、周知啓発に取り組んでまいります。 ◆畠山晋一 委員 そうしますと、在宅の避難をもっとより一層徹底する中でも、それでも避難所に求めてくる部分が区民とすると要素としては出てくる可能性が高いわけであって、ただ、社会的な距離を求められると避難所のキャパとして入れるキャパが少なくなってくるということでは、では、どうしたらこの避難所の空間を増やせるんだろうかということを鑑みたときに、民間施設の避難所の拡張が必要となってくると。では、民間施設はどういうところかといえば、例えば区内には私立の学校、都立の学校、国立の学校、インターナショナルスクールといった、こういった民間の学校があるわけですけれども、こういった敷地の中で民間の避難所としての対応をしていただくための連携、公立校との連携、例えばこういったところでの合同の防災訓練などを平時に行うということが一つの利点と考えますが、いかがでしょうか。 ◎菅井 危機管理部長 現在、二十二の私立大学や私立高校、都立高校九校、インターナショナルスクール一校など、全部で四十一校の学校や施設と予備避難所として御協力いただくことで区と協定を締結しています。コロナ禍を背景に、やむを得ず避難所での生活を必要とする方の確実な受入れをするために予備避難所として御協力いただける民間の学校や施設のさらなる確保が課題であると認識してございます。地域との日常の交流が活発でない施設や学校もある中、新たに御協力を得るためには、防災面での区や地域との連携の必要性について御理解を広げていくことが不可欠であり、また、お話しの指定避難所となっている区立の小中学校との合同の防災訓練などを呼びかけていくことも連携を深めるための手法と考えられます。  相手方もあり、避難所となると不特定多数の方が施設へ立ち入ることになり、施設の保全管理や避難所運営も含め多くの課題がございます。丁寧で粘り強いアプローチを重ねる必要があると考えてございます。今後、関係所管や地域の方々と連携しながら、どのような関係づくりを進めていくのか検討してまいります。 ◆畠山晋一 委員 先ほどの上島委員からも、防災協定の実際の、本気になったときの脆弱さのことについての懸念の話もあったわけですけれども、この予備の避難所も設けていただいて四十一か所あるということなんですけれども、今あったように、不特定多数の人が施設に入るということの懸念があるということももちろんあります。ただ、いざ有事が発生したときはそんなことを言っていられないんですから、そんなこと言っていられない、ほら見たことかということがないためにも、ふだんからの連携を、そこは心の汗をかいてお願いをして、一緒になってやってくということが必要になるし、いざというときによかったなというふうに実感していただける施策だというふうに私は感じていますので、ぜひともその点をしっかりと進めていただきたいですし、先ほど申し上げたように、世田谷区というのは避難行動と避難生活というところについて、あまりにも理解ができていない方が多いんではなかろうかということが不安になってきております。ですから、この避難行動のときの、この自助による避難行動の周知をより一層徹底していただくこともその中で、できたら区のマニュアルの中でしっかりと現状実施可能な内容にしていくことも、改めてしっかりと行ってください。  同時に、この自助というところでは、区内では現在家具の転倒防止の取付けを具体にやっていただいていますけれども、この点の実際の普及の状況はどうなっていますでしょうか。 ◎菅井 危機管理部長 家具類の転倒防止器具につきましては、区の防災用品のあっせん以外にも一般で広く市販されていることから、全世帯で普及の状況につきましては把握できておりませんが、参考までに、区が行っている六十五歳以上の高齢者、障害者等のお住まいの住宅を対象とした家具転倒防止器具取付支援制度の実績といたしましては、令和二年度で百三十八件、令和三年度でも百五十三件となってございます。区といたしましても、さらなる普及が必要であると認識しております。 ◆畠山晋一 委員 時間が僅かとなってまいりましたが、最後に、今回委員会の中で災害弔慰金を要綱で活用するということの報告を受けました。もちろんこれは大事なこと、人の命を救うというためには大事なことであります。今回私が問いたいのは、これを要綱でやるということです。区長は国会議員の御出身でありますから、そもそもはきちっとした法律改正をして、東京都の条例でも世田谷区の条例でもしっかりルールを定めて、その人たちの命を守るということを行っていくのが私は最善、日本人としてやっていくべき、まずはやり方であるというふうに思っております。  ところが、要綱というものを活用してしまうと、際限なく全てに対して要綱、要綱、要綱となったら一体どうなるんですかということの疑義が発生するわけですけれども、そのことについての所見をお願いします。 ◎保坂 区長 区では、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例を平成三十年に制定させていただいています。この条例の中に、性的マイノリティーの方も含めた全ての人々の人権の尊重、これを基本理念として掲げておりまして、今回の災害弔慰金についてもこの理念に基づいた制度を構築したところでございます。  この弔慰金は、法に基づきまして災害弔慰金の支給等に関する条例によって運用しています。同性パートナーへの弔慰金支給はこの法の流れから区別する必要があることから、別途要綱で定めることにいたしました。検討過程において議会での議論をもっとすべきだったという御指摘は受け止め、今後は検討状況等を常任委員会等に報告していくように指示をしたいと思っております。 ◆畠山晋一 委員 以上で自由民主党の総括領域の質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時十七分休憩    ──────────────────     午後一時五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ、 ◆佐藤ひろと 委員 公明党、総括質疑を行います。  初めに、今般ウクライナへロシア軍が本格的な侵攻を行いました。この行動は国際法上断じて許されるものではなくて、明らかに他国の主権と領土の一体性を侵害しており、力による一方的な行動は、国際社会の秩序を、根幹を揺るがす深刻な事態であると思っていますし、強く非難するものでもあります。また、ロシアは国連安保理の常任理事国でもあって、核兵器不拡散条約体制の一員でもあるにもかかわらず核兵器の使用をちらつかせるということ自体も、私たち人類の生存の権利を侵害する侵略であり、即時の攻撃停止を求めたいと思っております。  また、国においても、ウクライナからの避難民の受入れについて正式に表明されましたし、昨日都議会でも小池都知事が、そうした場合の住宅も含めた生活の基盤の支援ということにも触れられていました。ぜひ、世田谷区においても、もしかすると在日のウクライナの方を頼って来られる場合においては、ぜひ区長、あらゆる政策を総動員していただいて支援をしていただきたいということを求めさせていただきたいと思います。  質問に入りますけれども、私どものほうからも旧池尻中学校跡地利用について質疑したいと思います。  午前中、自民党の皆さんのほうからもお話がありましたが、私としてはこちらの観点について、まず重複しないような視点でお聞きをしたいと思いますけれども。  そもそも、今回委員会等で示された旧池尻中学校跡地利用について、産業振興公社、外郭団体との関係性が明記されております。(仮称)イノベーターズベースと言われるのが旧池尻中学校の跡地でありますけれども、説明によると、これまで産業振興公社については、外郭団体の改革の取組の最前線でこれからどうあるのかということも議論されている最中の中で、真ん中に据えられていて、区内産業の様々なベーシックな支援の拠点として確立していきたいと。一方で、民間にお願いしていかなくてはいけない部分は、旧池尻中学校跡地を活用してという説明でございましたけれども、そもそも、この三軒茶屋周辺の世田谷区の経済産業の様々な拠点の整備については、これまでもNTTの共同で移転をするとか、東海ビル、いわゆる分庁舎の老朽化に伴って、その機能をどうやってまとめていくのかという議論がある中で、また、今回は昭和信金が新たに社屋を新築すると、そこと覚書を締結して、そこの一部をホール機能としても活用したいと。いろいろと出てくるんですけれども、今回の池尻中学校の校舎についても、産業振興公社を含めて一体的に民間と施設を共有して多角的に展開するのかと思えば、そうじゃないみたいだと。どうもこの行き当たりばったり感が否めないんですね。というのは、やはり池尻中学校の校舎についても今回耐震補強の予算が計上されていて、また、再来年度には外構工事とか内装工事も入ります。そして、今分庁舎に入っている経済産業部は、新庁舎ができれば本庁に戻ってくる。いずれあそこは原状回復をして返さなくてはいけない。昭和信金とも賃貸借契約を結んだら様々な費用が発生すると。そういうコストとも見合った、世田谷区における三軒茶屋での産業振興拠点の全体像が全く見えてこないと。この辺についてどうしても理解ができないので、ぜひ説明をしていただきたいと思います。 ◎加賀谷 政策経営部長 今お話しありました区の産業プラザですけれども、今現在三軒茶屋分庁舎ですけれども、御幸ビル、こちらに区の経済産業部と産業振興公社、それから産業団体ですね。いわゆる東商と商連と工業振興会、それぞれが事務所機能を置いて、そのほかに研修室ですとか会議室を置いて活用しているということです。経済産業部移転後の残る機能については、今現在お話しありましたけれども、覚書については今後交わす予定としておりますけれども、昭和信用金庫の三軒茶屋支店の建て替え後の建物への移転を基本に検討しております。  今般、産業基本条例を新たな条例に改正いたしましたけれども、関係団体と産業交流の在り方などを検討する中で、機能整理を併せてしていく予定としておりますので、経済産業部、令和九年度には新庁舎に移転する予定でありますけれども、昭和信用金庫の三軒茶屋支店の建替えの時期も考慮させていただいて、こちらの事務所機能の在り方については早急に結論を出していくという今スケジュールで経済産業部との調整をしているという状況です。 ◆佐藤ひろと 委員 産業振興公社については後ほど別途聞きますけれども、そういった整備の整え方ですよね。その全体像をしっかり示していただいて、コストもどうしても関係してきますから、そこを有効にどう活用していくかというのは非常に大きな視点だと思っています。  それで、今回の旧池尻中跡地活用については、先ほど区長からもプロポーザル、四月については一旦延期をさせていただきたいと。契約内容についても、当面、今賃貸借契約というお話でしたけれども、これについても契約の中でどう成果を問う、それから成果が出なければ撤退をしてもらう基準をいかに定めていくかというお話がありました。
     私たち公明党としても、もともと区内にある四本柱の産業、農業、工業、商業、建設業、ここを軸にした地域の産業がいかに活性化をしていくかということと、結局それが区民生活、私たちの生活や暮らしにどう貢献してきたのか。また、恩恵や利益が享受できたのかというところが非常に大事な部分だと思います。では、それはどういうものかというと、これは私の個人的な意見ですけれども、例えば、これまで私たちが提案をしてきました、今一生懸命資源を区民の皆さんに御協力いただいていますけれども、なかなかそれがリサイクルとして見える化になっていない。例えば、世田谷ロールみたいなものがせっかくあるのに、それが大きく区内でも循環しているわけでも活用されているわけでもない。それから、そういうリサイクル製品が再生品として区内で循環していたりとか、新たな製品として開発されて生み出されているわけでもない。また、これからプラスチックのリサイクル化が進むことを考えれば、それをどうやって、皆さんの御協力したものが生活の中で戻ってくるのか。従前から私たちは紙おむつのリサイクルと言っているのもその一環でありますけれども、そうしたイノベーションという言葉を軸にして、持続的に私たちの地域社会が営んでいけるような、そういうチャレンジの場として物とか事が生み出される、そうした拠点で私はあるべきじゃないかなと思うんです。  そういったことも含めてぜひ考えてもらいたいのと、もう一つは、先ほどお話ありましたように、ウクライナの侵攻のことで世界経済が大きく変化をしています。私たちの日常生活の多くは海外の輸入に頼っています。これが高騰してきます。それから、もしかしたら入ってこなくなるということも、今現在でも建築資材なんかもそういう状況に陥っています。そうした状況も踏まえると、これはすぐにはできないんですけれども、やはり国内で開発をして生産をして、それから流通をして販売をして、それから消費をして、また再生するという循環も考えていかなくてはいけないんではないかと。そうしたこともしっかり観点にしていただいた上で、この拠点をどういう成果指標にするべきなのか、その成果指標に基づいて、それを契約内容も含めてどういう契約が一番適しているのかということもぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 新たな産業活性化拠点では、先端技術や創造性により、区民の暮らしや産業をアップデートすることができる企業、大学などの研究機関、アーティストなどが集まり、インキュベーションマネージャーを触媒として様々な企業同士の交流連携によるイノベーションを起こし、新たな価値を創造していく場となるよう検討を進めています。  産業活性化拠点における活動を通じて、区内の産業については売上の増加、新たな雇用の創出、ビジネスのしやすい町への発展などの効果を想定し、区民の暮らしへの効果については、例えば空き店舗に個性豊かな店舗が入ることによるにぎわいや魅力的な町並みの構築、買物や移動などを支援するための先端技術の活用、障害者就労支援事業所から付加価値の高い商品を生み出すことなどの取組を想定しています。  現在のものづくり学校で再生可能エネルギーの小売事業を先駆的に取り組む企業や、AIと3D技術により低価格かつ高品質な自動設計による義肢装具を開発する企業、こういった区民一人一人の生活に深く関わる商品やサービスを提供するような企業が出てきました。新たな産業活性化拠点でも、社会課題の解決や区民の暮らしの向上に貢献する事業者が生まれ育っていくような環境整備、これを、先ほどの契約のことも含めまして準備してまいりたいと考えています。 ◆佐藤ひろと 委員 こういった成果指標を定めていただいた上で、それをどういうふうに有効的に活用できるかという契約内容に反映をぜひしていただきたいと思いますので、この点だけ改めて求めさせていただきたいと思います。  時間がないので、外郭団体の改革についてお話しいたします。  今回、産業振興公社、世田谷トラストまちづくり、世田谷サービス公社、この三つを指定されて、改めて改革に打って出るというような報告がありました。ただ、もう従前からずっと私たち公明党としても言っているんですけれども、実際区としては平成十七年に外郭団体改善方針を策定して以来、いまだ改革、改革、これからどうするかってやっているんですかというのが私の率直な意見です。どうしてそうした現状がなかなか打破できないのか。もちろん人事考課制度とか、それから様々な人員の問題については取り組んでいる団体もあるのは存じ上げていますけれども、特にこの産業振興公社、トラストまちづくり、サービス公社の中でも産業振興公社ですね。ここについては私たちもその存在意義として含めて、これまでも様々訴えをさせていただきました。  もしかしたら、この外郭団体が自由闊達に様々な利益を得られるように、また、創意工夫、発想を独自で発揮できるように、できなくしている世田谷区の責任もあるんじゃないかなというふうに考えたりもします。  まず、保坂区長にお伺いしたいんですけれども、そもそも自治体の持っている外郭団体としての役割、これまでは一旦置いておいたとしても、今後どうあるべきなのか、どうお考えなのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。 ◎保坂 区長 外郭団体の役割についてですが、区として新たな政策展開や重点課題の実現に向けまして、事業の一部を外部組織に委ねることが効果的である等の理由から外郭団体を設立して、公共サービスの拡充に取り組んできました。そうした意味で、外郭団体は様々な分野で専門性の確保やノウハウを蓄積した経過もあると思います。区民サービスの拡充にもつながってきたと思います。一方、言われるように各団体においては設立から長い期間が経過いたしまして、特にこの二年間はコロナという状況の中で大きな変化を強いられたわけです。  こういった中で、各団体の公益的な使命をもう一度十分に認識し、その役割を一層鮮明にしていくこと、これが重要だというふうに考えます。そのために、団体自身が積極的に事業展開できる提案をしていく、そういう組織風土を形づくっていっていただきたいというふうにも思います。その意味で、これまでのその蓄積も生かしながら、しかし、現状にとどまらず革新的な事業にしっかりトライするような、区のほうとしても全部囲い込んで狭く狭くするのではなくて、主体性、チャレンジャーとしての役割も大いに期待をしたいと思います。  今回、この外郭団体改革の議論を契機にして、団体独自の改革方針ということをまとめるなど、自立的、主体的な動きもございます。この外郭団体の自主的、自発的な展開について、今後区が重要なパートナーとして公益的使命の実現、そこは土台に置いた上で、それぞれの持ち得る社会資源を区民のために十全に発揮できるように支援をしていく。また、ある意味でその枠をしっかり示して、その中で自由に挑戦していただくということで、いわゆる外郭団体の中で指摘されているマンネリズムであるとか、あるいは事業の硬直性を打破していけるように後押ししていきたいと思います。 ◆佐藤ひろと 委員 まさに今区長おっしゃった言葉、お話がもう最大重要な部分だと思います。先般、産業振興公社のこれからの取組というか改革案なんかもお伺いしましたけれども、何か今さらながら、また産業振興公社の中で人材育成しますとか、それからアウトリーチに展開していきますって、随分前からそんなこと言っているのに今さらなんですかと。これからまた何年かかけて、団体としての組織改革をしてから外に打って出るみたいな内容になっているんです。では、一体何年またかかるんですかと。  私の記憶では、私がこういう話をしてから、もう十四、五年たっていると思いますけれども、申し訳ないけれども全く変わってないです、産業振興公社に限っては。何がベーシックなものになっていくのか、産業振興公社でしかできないノウハウが何なのか、そうしたことも私は明確になっていないと思っているんです。  ごめんなさい、千歩譲ってもう一回チャンスをというのであれば、組織改革をどういうふうにするのか具体的な項目を挙げて、それをいつまでに結果を出すのかということと、外の市場に打って出るのであれば、どういったことに対して展開をしようとしているのか、それについての成果の指標もスパンも全部決めた上でもう一回というふうに言われるのであればまだ私も分かるんですけれども、今回はそれができるんでしょうか、できないんでしょうか。 ◎岩本 副区長 産業振興公社の御指摘です。産業振興公社につきましては、なかなか独自の収益事業を持たないために収益上の課題がある。また、経営相談や求人開拓事業などについては外部に委託することも多く、専門性が蓄積されにくかったといった課題を抱えてございました。このたび公社自らが経営改革指針を策定したところです。策定の過程では、公社から独自の発想に基づく提案も様々ありましたけれども、コロナ禍で事業者が厳しい状況にある中で、公社の有する人的資源、まずは区内事業者の経営基盤、基盤支援に集中すべきという方針を公社と確認して計画や方針を策定したところです。  改革方針の中では、例えばふるさと納税の創意工夫を凝らした記念品開発などの事業委託による収益の確保、また求人開拓事業を公社職員が直接行うアウトリーチの取組などによる固有職員の育成、またデジタル化の推進による各種相談データの利活用及び業務効率化などを打ち出しているところでございます。  御指摘の外郭団体ならではの独自性を持った役割、取組につきましては、先ほど申し上げたとおり、まずは事業者の立ち直り支援に当面の間注力してもらいたいと考えてございますけれども、第三セクターとしての強みを生かして、行政では担い切れない区内産業団体や業界団体とのネットワークの要としての機能が不可欠であると考えてございます。また、地域活性化や観光など独自の取組を展開してほしいとも考えています。  産業振興公社に対して御指摘いただきましたけれども、改革の期限を区切った事業計画を策定した上で、年次目標を定めて目標による管理を行いながら、人材育成、独自の取組を同時進行で計画的に実施するよう働きかけ、協議を重ねてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤ひろと 委員 余り説得力がないんですけれども、時間がないので次の質問へ行きますね。  最後、私は行政経営改革の効果ということで、今回の予算説明書の四六ページ、四七ページに掲載されています。これも先ほどお話しありましたように、私たち公明党から見ても、これは全く理解ができないというか、これが改革なんでしょうかと言いたくなります。これまでも重複事業の見直しとか、公有財産を活用していかに稼ぐかということ、また、直営から民間へということも含めた改革が順調に進んでいると思いません。そうした意味においても、少し視点が違いますけれども、保坂区長、今、副区長がお二人になっていますよね。この行政経営という観点、経営改革という観点で、ぜひ三人目の副区長に外部人材の方も登用するという手も考えたほうがいいんじゃないのかと。やはり内部評価だけでは見過ごしてしまう、また見失ってしまう面もあると思うんですけれども、その点だけ端的にお答えいただきたいと思います。 ◎保坂 区長 御議論いただきまして、副区長三人制にさせていただきました。現在二人が区役所内部の豊富な経験を基に、それぞれ分担しながらやっているわけですが、一方で、そういった行政の組織横断的な改革であるとか、あるいはDXもそうです。そういったところで、東京都の副知事あるいは渋谷区の副区長等の事例がございます。私としては、現在の体制に加えて民間人材を三人目の副区長に登用していくということについては、専門性と高度な知見を、区役所内ではつくり得ない経験を存分に発揮していただくような人材を登用するということについてはぜひ検討して、時期を逸することなくしかるべき判断をしていきたいと考えております。 ◆佐藤ひろと 委員 ぜひ御検討をお願いして、質問者を平塚委員に替わります。 ◆平塚けいじ 委員 私のほうからは、初めに、今後につなげるコロナ対策について伺ってまいります。  世田谷区におけます新型コロナウイルス感染症は、一月に入ってオミクロン株の影響により突然感染が広がり始めました。十月、十一月、十二月では、日ごとの新規感染者数は一桁だった状況から一変して、一月七日には一日で百人を超え、一月二十二日には千人を超える状況となりました。その後も新規感染者の数は毎日千人を超える日々が続き、二月二十日には五百五十一人と少し減少傾向が見えましたが、三月に入っても六百人から八百人台で推移しており、高止まりの状況です。  そこで、感染拡大を止める切り札となります三回目のワクチン接種ですが、政府も当初、二回目接種から八か月間空けて三回目の接種を承認しましたが、六か月間に短縮して可能としました。世田谷区もこれに対応する形で前倒しをして三回目の接種券を発送し、ワクチン接種を希望される区民の皆様にお応えした形ですが、この三回目の接種券とその内容について改善された点は、番号の大きさがかなり大きくなりました。確かに見やすくなったと思います。また、二十八か所のまちづくりセンターでの予約のお手伝いの案内などがよかったかなと思っておりますが、しかし、その予約の内容は集団接種会場がメインでありまして、お近くの病院でも接種が可能であることがほとんど案内されていない状況がありました。医療機関での接種については区のホームページで確認してくださいと一行あっただけであります。区では、一回目、二回目の集団接種会場において、交通の便などの教訓から、三回目は地域の医療機関で接種できるようにしていますが、かかりつけ医がいない方はそのことが分かりづらいかと思います。やはり、かかりつけ医ではなくても予約が受け付けていただける医療機関など、丁寧な御案内が必要ではないかと考えますが、区の見解を伺います。 ◎久末 住民接種担当部長 新型コロナワクチンの三回目接種では、集団接種でスタートした一、二回目接種とは異なり、高齢者の接種が本格化した一月から区内医療機関での個別接種を実施しております。この間、全戸配布した「区のおしらせ」特集号や、接種券に同封のチラシ、また、区のホームページやSNS等でその旨を周知してきたほか、コールセンターでも問合わせに対応してきましたが、個別接種を実施する医療機関は三百を超え、数が非常に多いこと、また、接種する時期の開始時期や接種の終了時期など実施医療機関に随時変更が生じることから、医療機関の一覧はホームページでのみ掲載しております。  今後、御指摘を踏まえ、集団接種と個別接種の双方が選択できることを改めて「区のおしらせ」で周知するとともに、区のホームページでの御案内もそのことを明記するなど、改善を図ってまいります。 ◆平塚けいじ 委員 今おっしゃられたとおりで、早く、希望される方は、実は医療機関だけではなくて東京都の集団接種会場もありますし、また自衛隊の大規模接種会場もあるわけで、また、世田谷区でも今後ウイークエンド夜間接種とか、あと職域接種も始まりますので、区民の皆様のニーズにお応えするには選択肢がいっぱいあったほうがよりカバーができると思いますので、周知の工夫をよろしくお願いいたします。  次に、実際に発熱や抗原定性検査キットで陽性となったときの状況についてお伺いしたいと思います。  この場合、当然医療機関での受診とPCR検査の陽性と判断されて初めて陽性者となるわけですけれども、区内の発熱外来を見てみますと、かかりつけ医以外でも受け付けていただける病院で、日曜日の診察をしているところは全体が二百九十二か所あるんですけれども、十六か所しかないんですね。現在、上用賀で行われている臨時のPCR検査会場では医師が常駐しており、五台検査の機械がありますので、一台だけでも発熱外来に対応できないかと求めてきたところ、昨日からこれは始めていただけたということですので感謝しますが、今後の課題としては、やはり日曜日の発熱外来が圧倒的に少ないということで、今後どのように対応していかれるのか、区の見解をお伺いします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 上用賀公園拡張用地にて実施中の臨時PCR検査では、対象者を開始当初は抗原定性検査キットや東京都PCR等検査無料化事業等により陽性疑いとなった無症状の区民に限定しておりました。その後、高齢者や障害者施設、保育施設等におきまして濃厚接触者となった職員及び利用者、またその検査結果で陽性となった方と同居する方にも拡大いたしました。さらに、陽性となった方と同居する方や、医療機関等で検査が必要と認められた方と順次対象を拡大してきたところでございます。加えまして、会場で検査を実施している医療機関が処方箋の発行が可能となったことを受けまして、三月七日から医療機関で診療検査が受けられなかった有症状の区民も対象とするなど、検査会場のさらなる有効活用を図ったところでございます。  また、委員お話にありました日曜日における検査等の対応につきましては、現状では医療従事者や検査機関等の確保の点において難しい状況ではございますが、区民の検査機会の確保は重要と認識しておりますので、様々な手法で検査機会の拡充に努めてまいります。 ◆平塚けいじ 委員 現在はやっぱり日曜日は難しいという話なんですけれども、ぜひとも確保していただいて広げていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、酸素療養ステーションの活用についてお伺いしたいと思います。  このオミクロン株では重症化のリスクが少ないと聞きますので、現在の使用状況はどうなっているのか、まず伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 酸素療養ステーションは、昨年十二月に定員十六名として再整備しており、第六波の感染拡大を受け、今年の一月十一日から運営を再開しております。利用者数は、三月七日現在累計で四十四名、内訳は、男性が二十二名、女性が二十二名となっており、年齢層では六十歳代が一番多くなっております。そのうち酸素投与が必要となったケースは三件、点滴を実施したケースは七件でございます。 ◆平塚けいじ 委員 利用状況を伺いますと余り利用されていないのかなというふうに考えますので、そうであるならば、ホテル等の療養が決まるまでの一時的な使用などを検討すべきと考えますし、また、軽症でも単身で御不安がある陽性者の方や、また、家族に基礎疾患や高齢者がいらっしゃる方でホテルが決まるまでの滞在など、臨機応変な対応が求められますけれども、区の見解をお伺いします。 ◎辻 世田谷保健所長 酸素療養ステーションは、コロナ陽性で入院待ちの方や、自宅療養中に体調が急変した方を対象として、医療職が必要な医療的管理や健康観察をすることを目的に区が独自に設置した施設ではございますが、今般のオミクロン株は感染力が非常に強いため家庭内感染が多いことが指摘されており、このため、陽性者で御家族に小さいお子さんがいる方や、基礎疾患のある高齢者と同居されている方が、家庭内感染を防ぐため一時的に滞在場所としても酸素療養ステーションを活用しているケースもございます。  なお、ホテル療養につきましては、東京都が拡充するなどの対策を行った結果、現在は速やかに入所できる状況です。 ◆平塚けいじ 委員 今は速やかに入所できるとのことです。また今後どうなるか分かりませんので、臨機応変な対応をよろしくお願いいたします。  次に、自宅療養者への支援についてお伺いいたします。  私の娘も実は感染いたしまして、孫たちも含めて自宅療養となったんですけれども、すぐに東京都自宅療養センターのうちさぽ東京に連絡したか確認したところ、したということで安心したんですけれども、ちょうど一月中旬に感染したものですから、ちょうど拡大が始まった頃で、なかなか支援物資が届かないということでまた連絡をもらいまして、私のほうで生鮮食料品を中心に差し入れをしたんですけれども、申し込んだ日から五日後に着いたという連絡もいただきました。  近所に知り合いがいないひとり暮らしの方などは本当に大変な思いをされているなというふうに感じたんですけれども、今後、区の対応としてはどのようにされるのか見解を伺います。 ◎辻 世田谷保健所長 第六波の感染拡大より、東京都は自宅療養サポートセンターうちさぽ東京を新たに開設しており、多くの自宅療養者は御自身により健康観察を実施していただくこととなりました。食料品やパルスオキシメーターなどにつきましても、保健所を介さずに御自身で直接うちさぽ東京に申し込んでいただく仕組みとなっております。現在のうちさぽ東京ですが、食品等につきましては原則翌日には配送されている状況です。また、うちさぽ東京から配達している食品は保存できるものが中心となっており、生鮮食品につきましては、国やほかの自治体においても災害対策と同様に事前に用意しておくことが安心であると周知されております。  区といたしましても、新型コロナウイルス感染予防対策を周知するとともに、罹患した場合に備えて、御家庭において生鮮食品を含めた食品の一定量の備蓄は大切であることを区民に分かりやすく周知するように努めてまいります。 ◆平塚けいじ 委員 現在は翌日には着くということなので安心したんですけれども、この生鮮食品ってなかなか難しいですけれども、やっぱり備蓄することをお勧めするということなので、ぜひとも周知のほうをよろしくお願いいたします。  まだまだ収束が見えないコロナ感染症ですけれども、また様々区の対応を今確認させていただきましたが、新型コロナウイルス感染症は新たな株が現れて変化の連続でありまして、その中でも、区長や副区長に情報が素早く上がって臨機応変な判断を仰ぐ、司令塔をサポートする機関は新型コロナウイルス感染症対策本部となりますが、今後新たな感染症が現れたときに、今回の様々な経験を詳細に記録して次につなげる機関はどこなのか、しっかりと定めて今後の区政運営に生かすべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 区では、新型コロナウイルス感染症に関する情報につきましてホームページ等により日々発信しておりますが、区の対策をより効果的なものとするため、区内の感染対策やこれまでの区の取組等につきまして、令和二年七月を皮切りに、これまで合計九回にわたり取りまとめ、議会にも報告し、御意見、御提案をいただいてまいりました。  今回第六波では、これまでの経験を踏まえ、感染が収まっている段階でこれまで以上に準備を進め感染拡大期を迎えましたが、状況が刻々と変化し、第五波の感染者数をはるかに上回る中、今回の事前準備及び対応でも必ずしも十分ではなかったものと痛感しております。  何度もの波が往来してまいりましたが、感染症対策は波が静かなときに次に襲来する波を迎える準備をするのが原則でございます。これまでの感染症対策を点検いたしまして、次の波に向けて取り組んでまいります。 ◆平塚けいじ 委員 ぜひとも今経験したことをしっかりと記録するのは大事なことですので、よろしくお願いいたします。  最後に、実務の責任者であります中村副区長に、今後の対応を含めてコロナ対策の決意を伺います。 ◎中村 副区長 このコロナ感染症対策の実務面の責任者は、私、副区長の中村になります。今後とも感染対策全体の進捗をしっかりと把握して、ワクチンなどの予防から検査、健康観察などのこの一連の流れに目詰まりがないかきちんと点検するとともに、現場の各担当部が現場の状況をしっかり踏まえて主体的に改善提案するように促して、刻々と変化する感染拡大に臨機応変に対応していきたいと思います。  これまでの対策本部による情報共有と意思決定を基本に全庁を牽引して、この長期にわたる緊急事態を必ず乗り越えてまいります。 ◆平塚けいじ 委員 今回の様々な経験を踏まえて今後につなげることが大事だと考えますので、検証作業を確実にお願いいたします。  引き続きまして、児童館の民間活用について伺ってまいります。特に、子どもたちにとって魅力的な場所へと変わることを願って質問してまいります。  我が党は、平成二十九年の代表質問で視察をしました港区や札幌市の例を挙げて、全ての施設を民間委託し、多様な子どもたちのニーズに応えるべく様々な機能を備え、自由に来館して遊べるようになっていることを指摘させていただきました。さらに、予算・決算委員会でも時間の延長や休館日の課題などを指摘して、民営化を進めるべきと訴えてまいりました。令和二年十二月の代表質問に対する答弁では、当時の宮崎副区長は、児童館は区が運営を担うことを基本とし、未整備地区への対応や民間等との関わりについて引き続き検討してまいりますと述べていますし、さらに、今回の代表質問への答弁でも、引き続き区の直営で運営を行っていくとしながらも、児童館の様々な機能を今後も維持し、子どもたちにとって魅力的な場所であり続けるために、NPOや民間事業者、地域の団体や住民等、行政以外の力を取り込んでいくことも必要であると認識しておりますので、具体的な関わり方や手法等を検討してまいりますとのことでした。また、奥沢地区以外の未整備地区における児童館の整備候補地についても検討を進め、四年度のできる限り早い時期を目途に整備計画を示すとの答弁でございました。  そこで質問いたしますが、区が直営にこだわる理由はどこにあるのか、民間ではどこが任せられないのか、区の見解をお伺いいたします。 ◎柳澤 子ども・若者部長 児童館は、世田谷区子ども計画(第二期)後期計画の中で、地域関係者や活動団体、また相談支援機関などとの幅広いネットワークをさらに強化し、地区における子どもの情報を集約、相談支援、見守り、居場所などの拠点としていくこととしてございます。そのため、児童館を中心としたネットワークを生かしながら、子ども家庭支援センターや児童相談所などと連携しまして、子育て家庭への適切な支援を行うためソーシャルワーク機能を強化していくこととしてございます。  今後、地域包括ケアを推進する観点からも、児童館を各地区に整備することとしてございまして、児童館が子どもの相談や見守りなどの支援を行う中核的役割を担うため、まちづくりセンターや地区社会福祉協議会、あんしんすこやかセンターとも連携を深める必要がございます。  区としては、地区における子ども・子育て家庭のセーフティーネットの役割と責任を十分に果たしていくため、その中核となる児童館の運営については区直営で行うということを基本としてまいります。 ◆平塚けいじ 委員 今おっしゃっていただいたんですけれども、地域包括ケアの四者連携というものの、もう二つは既に民間なんですよ。ですよね。あんしんすこやかセンターも社会福祉協議会も区の職員じゃないですよね。何か問題があるんでしょうか。すごい広く今お答えいただいたんですけれども、私、疑問に思っていまして、東京都の児童館、学童クラブの事業実施状況等の令和三年の三月三十一日現在を見ますと、区部での児童館、学童クラブは四百四十二施設あります。そのうち、公設公営が三百三十五施設、公設民営は百三施設、民設民営が四施設ありまして、また、公設公営のみで運営している区は世田谷区を含めて九区ありまして、既に公設民営を採用して柔軟に対応している区は十四区となっております。特に、開館している曜日や時間を見ますと、明らかに民間の事業者が運営している施設のほうが柔軟に対応しており、子どもたちのニーズに応えていると考えますし、一方、世田谷区では、現在の児童館は閉館時間は十八時まで、中高生支援館でさえも、バンド練習など魅力的な設備があるのにもかかわらず週二回だけ、たった一時間延長するだけの取組となっています。さらに、いまだ毎週月曜日、第二・第四日曜日と祝日が休館となっており、子どもたちのニーズに応えてはおりません。児童館を利用する子どもたちにとって魅力的な場所となることが最優先されるべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 区での児童館の開館時間でございますが、今、副委員長お話しございました通常ですと午前九時三十分から午後六時までで、中高生支援館、全部で五館ございますが、週二回、一時間延長し、午後七時までとしている状況でございます。  他区においては、開館の曜日ですとか時間が様々でございます。午後七時まで運営しているところもあるというふうには認識してございます。一方で、居場所を中心としている館でございますとか、あと学童クラブを併設しているなど実施している内容も対象も様々であるというふうに認識してございます。  区においては、例えば中高生支援館での夜間利用については、中高生世代から学校の部活動終了後にも児童館に来て遊べるなどの声も寄せられており、職員が中高生と関わりながら相談できるなど、延長の意義というのも感じているところでございます。児童館の開館時間などについては、引き続き夜間や休日などの利用状況、それから利用者の地域のニーズを把握した上で、地区における子ども・子育て家庭の支援を担う中核を果たしていくということも考慮して、民間事業者や地域の団体、住民など、行政以外の力の活用を含めまして検討してまいりたいと思います。 ◆平塚けいじ 委員 なかなか議論がかみ合わないんですけれども、最後に、新たに新設する児童館については、できる限り来年度に整備計画を示すということですけれども、やはりそこには児童館においては民営化を基本に考えるべきと我々ずっと訴えているんですけれども、そこについての答弁を求めます。 ◎柳澤 子ども・若者部長 児童館の中にはいろいろ規模もあったりするところもございますので、設備不十分なところもあり、児童館を新設、改築するときにはできるだけ各世代に合わせた部屋の整備の充実を図っていきたいと思います。児童館の諸室の設備を子どもたちのために十分活用することが重要だと思ってございますので、地域での子ども・子育て支援の拠点としてふさわしい児童館として、開館時間、時間外の活用、また民間事業者の活用のほか、地域の団体、住民等との連携の手法も含めまして、児童館が子どもたちにとってより魅力的な施設となるよう検討してまいります。 ◆平塚けいじ 委員 最後にいただいた子どもたちにとってより魅力的な児童館になることが私は本当に大事だと思うんですよね。それに向かってハードルを越えなければいけないところがあると思うので、これからもしっかりと議論していきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、質問者を岡本委員に替わります。 ◆岡本のぶ子 委員 三月一日から本日三月八日は、女性の健康週間です。公明党女性局は、平成十九年四月に国が女性の健康週間を定め国民運動として展開することとされたことを受け、この間十四回にわたり女性の健康づくりに関する普及啓発に取り組んでまいりました。今年は、デジタル、食品ロス削減、フレイル予防に関するオンライン講座を開催いたしました。デジタル講座の中で、福島県会津若松市のスマートシティ、東日本大震災からこの十年間の中でスマートシティの構築に向けた取組を、アクセンチュア・イノベーションセンター福島センター共同統括マネージングディレクターの中村彰二朗氏の講座を聴講させていただきました。本区におけるDX推進に大変参考になる内容でしたので、一部御紹介し、区の取組について質問をさせていただきます。  DXを進めるに当たり第一に重要なことは、データがあること、データがなければAIやIoTなどのツールは使えないこと、データを集積するためには住民の合意が必要なこと、そして、そのデータの活用により便利な社会をつくることがDXであることというものでした。会津若松市のスマートシティの取組は様々な分野がありますが、健康の分野では、例えば、中村氏の自宅のベッドやバスマットの下にはセンサーがついており、日々の体調の変化をそのセンサーが捉え、半年後に発症するであろう病気を予測し、その際、適切な診察、治療が可能な病院の情報が自動で届くことになっているとのことでした。まさにこの講義を受けたときにチャット方式でしたので、チャットに、会津若松に住みたい、私も会津若松がいいと思うみたいな、そういうチャットがばんばん上がっているのを見まして、非常に分かりやすく、かつ、そのセンサーで取られる健康情報を生かしているということに対しての共感を感じました。  また、会津若松市がDXのモデルとしたのは福祉国家のデンマークだったという話を伺いました。デンマークは、世界で最もデジタル化が進んでいる国の一つで、二〇二〇年に発表された国連の電子政府調査で第一位、デンマークのデジタル化には約二十年を要し、その進め方で大切だったことが共通の目標や展望を持つことで、組織内におけるデジタル化戦略の策定が進んだとのことでした。私も議会でオーストリアのドゥブリングに伺った際に、デンマークに視察に伺いました。そのときに、デンマークの高齢者施設の方が、デンマークでは国民の一人も褥瘡ができる人はいませんという話がありました。褥瘡、床ずれですね。施設に入っている方が一人も褥瘡ができない、何でですかって聞いたときに、デンマークではベッドにセンサーがついていて、時間置きにそのベッドが動いて、高齢者がそこに床ずれができないようにもう既になっているんですというお話でした。それが約十年ほど前ですので、デンマークは二十年かけてデジタル国家となったということに大変共感できたところでございます。  本区としてDXを進めるに当たり、共通の目標や展望を持つことが重要と考えます。少子高齢社会を見据え、区民お一人お一人の健康寿命の延伸は大変重要です。例えば、本区は単身世帯が多いということから、孤立、孤独の防止と共に健康寿命の延伸をいかに進めることができるか、会津若松市のように一人一人の健康を見守る仕組みを取り入れ、区民に分かりやすく目標や展望が説明できるよう、世田谷版スマートシティ構想の作成が必要と考えます。区の見解を伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 会津若松市のスマートシティの先進的な取組が今ございまして、その取組の中で、あらかじめ市民承諾の下、データを提供いただいて、承諾を得ると、いわゆるオプトインの考え方が前提になっているというのが取組の大きなところかと思います。  区としてもDXの取組を進めていく上では、データの蓄積と活用、これがどのように生活の質の向上に役立つのか区民にまずは理解をしていただくということが大変重要であると考えております。データ活用により実現できる取組として、例えば、個人の移動ですとか健康に関するデータを活用した健康管理サポート、災害情報の可視化、分析を踏まえました、例えば避難行動要支援者等の避難支援ですとか、位置情報や交通観測データ等を活用しました最適な移動支援など、様々な活用が考えられます。  先ほどの会津若松市も含めました他自治体の事例を参考にしながら、データ活用が区民生活の質の向上にどういうふうにつながっていくかというような取組については、区の目指す将来像としてしっかりまとめて次期の基本計画のほうに反映していきたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今後、ぜひ次期基本計画に位置づけるということですので、分かりやすく表明していただきたいと思います。  区は、行政窓口のDXの推進に当たって、来年度中に一部のまちづくりセンター五か所でモデル的に総合支所とオンラインでつなぐ相談窓口を開設するとのことですが、まちづくりセンターの窓口と総合支所の窓口を幾らオンラインでつないだとしても、DXが推進したとは言えません。利用される区民の方々の利便性の向上につながったと実感していただける窓口が非常に重要です。今後、相談に来訪される区民の方が、オンラインを活用した相談窓口に寄せられる様々な御意見、御要望をデータとして収集する了解を得た上で、今後の窓口業務に反映させ、その改善内容を見える化し、区民にフィードバックしながら、身近な窓口でのデジタル化による利便性の向上を享受できる工夫が必要と考えますが、区の見解を求めます。 ◎舟波 地域行政部長 まちづくりセンターやあんしんすこやかセンター等でのオンライン相談等モデル事業でございますけれども、相談、手続のニーズや相談者が安心して相談できる環境、また、相談を受ける総合支所や本庁等の体制づくりについて検討しまして、全地区での実施につなげていくことを目的としてございます。特に、区民の相談に映像システムを通して適切に対応する職員のスキルの習得ですとか、あるいは体制づくりを進めながら複合的な相談にも対応できる遠隔相談の実現を目指しております。  オンライン相談のモデル実施におきましては、相談内容と対応結果を利用者の声と併せて蓄積、分析しまして、複数の相談にも適切に対応できるなどの改善を相談事業に反映させることは重要だと考えております。オンライン相談のデータ化の仕組みや利用者のアンケートの方法など、デジタル担当所管等と連携して検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いします。  コロナ禍で露呈した行政のデジタル化の国際社会における日本の遅れを取り戻すためには、国は令和四年度末までに新たなマイナポイント制度を通じて、マイナンバーカードの普及率七五%にすることを掲げております。  ここで、世田谷区の状況を教えてください。 ◎舟波 地域行政部長 区のマイナンバーカードの交付件数でございますけれども、ちょっと古いですが二月十三日現在四十二万六千五百七十九件、交付率は四六・四%でございます。交付円滑化計画におきます令和三年度末の目標の交付数といたしましては四十三万八千三百四十二件、目標の交付率は四七・八%のため、達成できるものと考えてございます。  一方、マイナポイントの延長効果が低減する中で、新規申請者数も減少傾向にはございますけれども、今後、健康保険証としての利用や交付金受取口座の登録によるポイント付与制度による新規申請者数の拡大も期待されますので、ポイントの受け取り方法など、運用に関する国の通知を待って対応を図る予定でございます。 ◆岡本のぶ子 委員 現状四六・四%ということで、七五%に向けて約三〇%頑張らないといけない。こういう中で、その普及促進策を私としても提案させていただきたいと思います。  先日お会いしたお元気な高齢者の方から、夫婦して三十年、四十年と無事故無違反で自動車運転をしてきた、今回運転免許証を返納してきたが、御苦労さまと言ってバスカードなど進呈してくれたらどんなに気が晴れるか、何もくれなかった、そういうようなお声で、何かくれたらもっともっと返納する人が増えるんじゃないかということでした。都内の千代田区、台東区、荒川区、渋谷区などを含む複数の自治体でも、免許返納者へのサポートを実施しています。例えば、免許を返納した方に発行される運転経歴証明書とマイナンバーカードを提示すれば、世田谷区で交通系のICカードやコミュニティバスの利用券を進呈するなど、本区としてのサポートを新設することが求められます。区の見解を伺います。 ◎長岡 高齢福祉部長 自動車の運転をやめようかお悩みの高齢者の方へ、運転免許証の自主返納を促すことと併せて、行政手続の迅速化等のためマイナンバーカードの取得の働きかけも重要であると認識しております。警視庁においては、高齢のドライバーの方が自主的に運転免許証を返納し、併せて運転経歴証明書を申請することができます。現在、東京都では運転をやめた後の生活サポートとして、運転経歴証明書、もしくは運転経歴証明書交付済みシールのついたマイナンバーカードを提示することで、購入した品物の自宅配送サービスや、徒歩以外の移動手段に関するサポート等、各分野で様々な優待サービスが実施されております。  今後、区といたしましては、関係機関等と連携しまして、まずはこれらの優待サービスにつきまして区ホームページ等での周知に努めるとともに、免許を返納した方へのサポートについては、先行自治体の実施状況や課題等も踏まえて検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 高齢者の方々の喜びにつながるような施策として、世田谷区にぜひ新設を求めて、次の質問をします。  区は、国保に加入されている方を対象として、せたがやPayと連動した健康ポイント制度を来年度よりスタートします。健康ポイントを活用した区民の健康増進策は、これまで会派として求めてきたことですので一定の評価はいたします。しかし、本区の健康ポイント制度は国保加入者に限定されたものであり、区民の健康増進の観点から考えると、対象者を加入する健康保険で区分するのは理解に苦しみます。例えば、マイナンバーカードとせたがやPayを連動する健康ポイントの仕組みが可能であるならば、対象者を広げて、区民の健康増進策として健康ポイント制度を拡充した取組が求められます。  マイナンバーカード等の活用の可能性と、全区民を対象とする健康ポイント制度の導入に対する区の見解を求めます。 ◎辻 世田谷保健所長 令和二年から続く新型コロナウイルス感染症は、区民の行動様式にも影響を及ぼし、令和二年度に行った世田谷区民の健康づくりに関する調査では、運動する機会の減少、地域活動への参加機会の減少など、コロナ禍での新たな健康問題が明らかになっており、新たな生活様式を踏まえ、区民の健康づくりを改めて促すことが重要であると考えております。  御提案の全区民が参加できる健康ポイントにつきましては、健康づくりへの興味関心を引き出す手段となり得る可能性がある一方、その効果について、試行実施する世田谷区国民健康保険健康ポイント事業の状況の分析を確認する必要もございます。保健所といたしましては、その分析結果も踏まえ、学識経験者等様々な方との意見交換を行い、より効果的な区民の健康づくり活動の普及啓発に努めてまいります。 ◎舟波 地域行政部長 私からはマイナンバーカードの活用についてお答え申し上げます。  せたがやPayを利用した健康ポイント事業などにおけるマイナンバーカードの活用の可能性といたしまして、区民が事業への申込み時におきまして、マイナポータルからマイナンバーカードを利用した本人確認と申請ができるようにすることが考えられます。マイナンバーカードを活用した電子申請の利便性を感じていただけるよう、ポイント事業所管と連携して検討を進めるとともに、より多くの手続を電子申請に移行するよう、関係所管に働きかけてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 とにかくDXの推進に向けては、マイナンバーカードの普及が両輪というか欠かせないことですので、ぜひこの普及促進、全庁挙げて、全所管取り組んでいただくことを要望させていただきます。  次に、質問を変えます。国は、コロナ禍が始まる以前から、少子高齢化の社会が進展する中で、福祉、防災、多文化共生などの様々な面で課題を抱える住民に寄り添う支援は行政職員だけでは対応できないことから、地域での居場所づくり、支えあうまちづくりの取組を模索してきたと認識しております。
     地域コミュニティーの再構築は、福祉、防災、多文化共生など世田谷区のまちづくりに欠かせませんが、その要となる人を地域でどう育成していけるかが課題と考えます。これまで地域包括ケアシステムとして福祉の分野での支えあい活動を進めてきましたが、この福祉の分野だけでなく、国は、社会教育法で各自治体の教育委員会に社会教育主事の配置を定め、本区においても配置されていると伺っています。全国の自治体では、中学校区に一か所ある公民館などに社会教育主事が配置され、子どもから高齢者までの地域での学習活動を支援しておりますが、残念ながら本区には公民館などのコミュニティセンターがないことから、社会教育主事の活動は限定的であり、区の議事録等を拝見すると、社会教育主事の活用の必要性が度々記載されております。  ここで伺います。区の社会教育に対する認識と社会教育主事の活用の現状と課題について伺います。 ◎内田 生涯学習部長 教育委員会では、誰もが自らの生き方に適した生涯学習を行えるとともに、地域社会の担い手として学び合い育ち合う社会教育を推進しており、環境や防災など現代的、社会的な地域の課題解決に役立つ学習機会等を充実させ、地域づくりの担い手の育成支援等につなげることが重要であると認識しております。現在、社会教育、生涯学習の専門職として五人の社会教育主事を配置しており、地域コミュニティーへの関わりでは、幼稚園や小中学校のPTAの連合体、社会教育主事が兼務する各総合支所地域振興課の主催事業や、その受講者による任意のサークル活動等において、活動内容などの助言や指導、様々な情報提供など支援を行っているところです。  今後、地域課題等の解決に向け、社会教育主事はこれまで以上に地域に出向くなど、区民に寄り添い、耳を傾けながら、よりきめ細やかに対応し、社会教育の充実を図っていくことが重要であると考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 国は、コロナ禍以前から少子高齢化社会の到来を見据え、行政職員だけでは対応できない町の困り事を自分事として地域住民が支え合うまちづくりの取組の推進が必要であることから、ただいま答弁いただいた社会教育主事の役割を発展させ、より活躍の場を拡充し、地域課題の解決に向けて住民と協働して取り組む仕組みづくりに向けて、令和二年度より社会教育士制度をスタートさせましたが、区として新たな社会教育士制度の認識を伺います。 ◎内田 生涯学習部長 お話しの社会教育士は、社会教育施設における教育活動のみならず、環境や福祉、まちづくりなど、地域社会の多様な分野における学習活動を通じて、人づくり、つながりづくり、地域づくりをテーマに、地域コミュニティーの活性化を目指す役割を持つとともに、その活動に際しては、社会教育主事との連携協働が図れることを期待されていると認識しております。  教育委員会としましても、今後多くの区民に社会教育士制度や社会教育士の活動を理解していただくよう、区のホームページ等での周知啓発に努めてまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 本区では、区内二十八地区のまちづくりセンターが各地区の防災と福祉の相談窓口としてのそれぞれの地域特性に応じた取組を進めているところであり、会派として、地域の顔の見えるまちづくりの強化を求めてきました。町の困り事を自分事として捉え、支える担い手づくりは、単なる動員型のボランティア活動ではなく、地域課題について共に学び、共にアイデアを出し合いながら、課題解決に向けての地域住民の方との協働作業であり、そのためには、その取組を促しサポートする要の存在が必要です。その要の存在として社会教育士の活躍が期待されますが、区の認識と今後の社会教育士の活用について見解を伺います。 ◎舟波 地域行政部長 防災あるいは防犯、介護、子育て等、多岐にわたる地域課題の解決に向けましては、まちづくりセンターが把握する豊富な地区の情報を生かし、区民や町会・自治会、NPO、事業者、学校など多様な団体等との相互連携を促す取組を進めることがますます重要となると認識しております。  まちづくりセンターは、地区の中で人と人をつなぎ、新しいコミュニティーづくりを支援していく上で、地区情報を分かりやすく発信し、地域活動への意欲を引き出し協力関係をつくる支援が重要となることから、社会教育士の有するプレゼンテーションやファシリテーション、コーディネートに関する能力等が有効であると考えております。今後、まちづくりセンターの体制強化に当たりましては、このような専門性を持つ職員育成に努めるとともに、社会教育士の活用方法等についても検討してまいります。 ◆岡本のぶ子 委員 様々な課題を解決するために、人材育成を含めた世田谷区のまちづくりを求め、公明党の総括質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時八分休憩    ──────────────────     午後二時二十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党、どうぞ。 ◆中村公太朗 委員 では、世田谷立憲民主党の総括質疑を始めたいと思います。  今定例会の代表質問において、過去にも取り上げましたけれども、政治的中立ということについての指摘をさせていただいたその矢先に、区の中枢において明らかに政治的偏りがある問題が発生をいたしました。改めて、憤りを通り越してほとほと飽きれ果てておりますけれども、この問題について、今般の経緯と、なぜそういうことが起きたのか、責任の所在等を含めて説明をお願いします。 ◎渡部 教育長 小学校の高学年の教科担任制の拡充については、議会の質疑でも一貫して教育委員会の考えを示してきたところです。文部科学省への要望書に関しては、その提出に至るプロセスについて慎重に判断すべきであったこと、また、委員会等できめ細かく説明するということが足りなかったことについては、反省をし、おわびを申し上げます。今後は、区議会に十分に情報提供を行ってまいります。 ◆中村公太朗 委員 今、ざわついていますけれども、多分まだ知らない議員もいるんじゃないかなということを思いますけれども、これもまさにそのとおりで、我々は、今回、区が、教育委員会から、国へと要望書を提出するに当たり、特定の政党の議員だけ同席をして国に申入れをしたということが起きましたということです。我々はその報告を受けて、おかしいということを、どう改善するんだということを教育委員会に申し上げました。我々としては、緊急に文教常任委員会を開催し、ちゃんと委員に説明をすべきだということを申し入れましたけれども、現時点でそういう対応は取られない、口頭説明もないということなので、今、知らない議員の方もいらっしゃるのだということだと思います。  極めて行政の質が落ちたのか、それとも過去からずっと続いている慣例なのか分かりませんけれども、代表質問でも指摘をさせていただいたとおり、こういうことが起きるということ自体が大問題で、相当緩んでいるだろうというふうに思います。重ねて教育委員会としてはどのような改善策を行うのか、改めてお答えください。 ◎渡部 教育長 教育委員会としての考えをお示しするというときには、要望書として提出するという際には、やはりそのプロセスについては慎重に判断すべきだと思います。それから、そういう要望書を提出するということに関しては、委員会等で細かく説明をすべきだと思います。そういうふうなことを考えながら、これから教育委員会として、気をつけていきたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 今、教育長おっしゃっていますけれども、その対策で本当に二度と同じことが起きない、再発防止になるというふうに捉える議員は多分少ないんじゃないかなというふうに思うんですよね。今回も独断でというか、極めてこれは問題だという感度、アンテナが低いまま実行されたわけですけれども、少なくとも今回の件を受けて、代表質問でも触れましたけれども、教育委員会の内規でもいいですよ。要綱、通達等、全てにおいてよほどの弊害がない限り、中立性の徹底という明文化をすべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎渡部 教育長 今おっしゃったことはとても大事なことで、本当は明文化されていなくても守るべきことだと思いますが、様々なところでできるところは明文化をしていきたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 問題の本質はやっぱり、重ねてになりますけれども、当事者がまずおかしいと思わなかった、それで行動を起こしてしまったというその感覚、感度の低さ、常識の欠如と言っていいのかな、という問題と、大目に見て、今回同席をされた教育長と教育監ですか。言い訳にはなりませんけれども、最近就任をした。教育長は数年前ですか。という状況の中で、ずうっとこの世田谷区の本庁舎で、役所として働いてきた方ではない方だとするのであれば、その部分が影響したのであれば、それを徹底された指導をされていないという文化がおかしいんじゃないかというふうに思いますけれども。  しかも、議会がかねてから警鐘を鳴らしてきたような問題について、前回は政経部長がお答えになりましたが、横で聞いていらっしゃったはずなんです、本会議場にいらっしゃったので。これは今回のケースには限らないんですけれども、とにかく行政に言ったことが本当に果たして真剣に受け止められているのかどうなのか。これはほかの会派が言っていますけれども、保坂区政になって、言ったことが馬耳東風だということ、これだって肯定せざるを得なくなってきますし、さらには、その当事者だけではなくて、横の庁舎全体というんですか、ほかの担当が同様の指摘が自分たちに当てはまる場合に全く波及されていない。こういうことが極めて露呈をした問題なんじゃないかなというふうに認識をしています。  任命責任を問うところまでは言いませんが、責任者として、区長は今回のこの一件をどうお考えになり、御自身としてどう再発防止をしたらいいと思われますか、伺います。 ◎保坂 区長 今回、文部科学省に小学校高学年教科担任制の拡充について要望を出すんだということについては、教育長から相談がありました。ただし、問題とされているシチュエーションについては、後から分かったということであります。  私自身は政治家なので、各省庁の大臣、それぞれ今の与党の皆さんも、ほぼ大体は知っている方が多いということがあって、電話でとか、あるいは直接に交渉に臨んだこともあります。委員お話しのやはりその教育の中立性ということから見て、特に教育長は政治家ではありませんので、こういうことについては繰り返すことのないように注意をいたしました。  また、その考え方自身も、より整理して、教育委員会がその検討をするとは思いますけれども、それをしっかりこの議会での御議論を踏まえた形にするための監督をしてまいりたいと思います。 ◆中村公太朗 委員 いや、だから僕が申し上げているのは、教育だけの問題でもないし、教育長だけの問題でもないと思うんです。分からないですよ。もしかしたらそれだけなのかもしれないけれども。ほかの部署だって起きているんじゃないですかとか、起き得るんじゃないですかという懸念を持つわけです。その辺は改めてどう徹底をしていきますかという、そのマネジメントをお伺いしています。副区長でも区長でもいいんですけれども、伺いたいです。 ◎中村 副区長 我々公務員は、地公法上で政治的中立性が求められているものです。それは採用のときでも、研修から始まって、みんな覚えているはずです。ただ、いろんな活動の中でそういうところが日々の職務に埋もれてしまうことがないように、庁内にも改めて、どういう形かちょっとまだ検討はしていませんけれども、徹底を改めてする必要があると考えています。 ◆中村公太朗 委員 最後に意見になりますけれども、政経部長、代表質問でやり取りさせていただきましたよね。今般のこのケースも受けて、改めてもう一度答弁を含めて考え直していただきたいと思います。この点を踏まえて、改めてもう一度お考えいただきたいと思います。  次の質問に行きます。ほかにいろいろ質問しようと思ったんですけれども、今日午前中に他会派からも質問がありましたので、改めて、認識が違うのでこの際、区民生活でやる予定だったものを取り上げたいんですけれども、せたPayについてなんですが、公共料金を支払えるようにすべきだというような意見がありました。僕も利用者としての視点からいけば、いろんな生活に密着することに、今後この地域通貨なりせたPayなりが利用できることというのは便利な方向に向かうのではないのかなというふうに感じますが、そもそもの認識が僕とは違うというか、これまで役所から聞いたことと違うので、改めて整理をさせていただきたいというふうに思います。  公共料金や納税というのは、そこに今あるせたPayというものを使えば、もちろん区内経済は回らないわけですよね。地元企業ではないところにせたPayが回っていくということだと思うので、これまでこのせたPayは、利用者視点というよりも、むしろ今般のコロナにおける商店街をはじめとした区内産業が厳しいから、事業者向けにプレミアムを含めて始動をした制度だと認識をするので。であれば、公共料金、納税、納税なんかは最たるものですけれども、まさに税金でプレミアムをつけて、それで税金を払ったら単なる減税にしかならないと思いますが。そもそもスタート地点は違うんだということが正しいかどうか、僕の認識が合っているかどうかを確認したいです。いかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 せたがやPayですけれども、委員おっしゃるとおり、コロナ禍で大変ダメージを受けた区内の事業者、中小零細を、主に小売、飲食、生活、サービス業、そういったような個店がまた盛り上がるようにということをまず目的として始めた事業です。 ◆中村公太朗 委員 ということは、その趣旨であれば、公共料金や税金等には使えるような想定をしていないということでいいですか。 ◎田中 経済産業部長 開始当初は、そういった公共料金の支払い等までは視野には入れていませんでしたが、流通が広がるに従って、例えば、残高の中で区立の美術館に行けたら便利じゃないかとか、そういったようなユーザーの声もありますので、使っていく中での残高の範囲内での選択肢の一つということで、可能性はあるかなとは思っています。 ◆中村公太朗 委員 ちなみに、今、せたPayの中にあるコインは二種類あって、自分でチャージをした分の現金がそのまま入った約半年間の、一年でしたっけ、有効期限のあるせたコインというのかな、とプレミアム分でついたコインというものがあるかと思うんですけれども、短いプレミアム、期間限定と言えばいいですか、ポイント分というのかがありますけれども。例えばこれを納税だったりとか、使えないものに使用できるような制度にするとなると、また別ポイントみたいな制度をつくらなきゃいけない。ポイント分だけれども、これには使えないよとか、もしくは、チャージされたものについてこれに使えないということは多分ないと思いますけれども、そういう細かい制度変更というのは、今のシステムの中で組めるんですか。 ◎田中 経済産業部長 システム設定上の問題になりますけれども、例えば区民の方が一万円をチャージしたとします。その一万円に対して二千円分のポイントがついたときに、その二千円分は税金で支払えないようにする、ブロックするというのは、システムを改修することによって可能だという認識をしています。 ◆中村公太朗 委員 あとは、ちょっと納税だけに限って質問させていただくと、これから先、新年度予算が入っている中は、まだコロナ対策で国と東京都の予算で全額プレミアム分も入ってくると思うんですけれども、それを使って区税を払って、区税の減額になるというようなことは可能なんですか。都区財のその仕組み、今回の落ちてくる補助金としての仕組みとして。 ◎田中 経済産業部長 今御指摘の点については検討していませんので、その交付金分が使えるかどうかというのは今の段階でちょっと分かりません。 ◆中村公太朗 委員 いずれにしても、結構細かく、これは今度区民生活でもやりますけれども、今度企業間の支払いにこれをこれから流通させたりとか、それこそ友人同士での割り勘機能というのかな、何かお金の融通とかということも発生して、機能としてもいろいろ考えられると思うんですけれども。  ただ、そこで問題がもう一つあるのかなと思っていて、そのコインの使用期限。例えばその使用期限は人に渡った瞬間にまた一年間に戻るのか、その人が持っている使用期限の残りが引き継がれるのか。ゼロに戻るとなると、行って来いでどんどん使用期限のロンダリングなんかもできちゃうのかなとか。いろいろ問題が細かく出てくると思うので、僕も日々便利にどう使ったらいいかなと、この制度が広がればいいかなと思っているんですけれども、なかなか一概にはすぐに思ったとおりできない細かい部分も発生するのかなというふうにも感じています。可能な部分は最大限に、ただ慎重にならなきゃいけない部分は慎重に検討を進めていただきたいなというふうに思います。  あと二分半あるので、じゃ、この点で一点だけ。かねてからこのせたPayは、我々としては、プレミアム分というのはあくまで時限措置だということをこの間の代表質問で言わせてもらいました。となれば、結局このスキーム、プラットフォームは何のためなのかというと、やっぱり企業さんのため、区内事業者のためだと思うんですよね。  ただ現状は、区内事業者は、アカウントって、あくまで空間上にあるようなないような状況じゃないですか。つまり、自分の店でどれだけ使われて、どの程度経済効果があって、例えば、ついこの間までやっていた売上げの五%がバックされるということも、企業側が細かく分析できるような、分析をしてデータを取って、新しく戦略を立てるようなための造りになっていないんですよね。それぞれに一つ一つホームページというか、アカウントを付与すべきだと思いますが、これってどうなのでしょうか、伺います。 ◎田中 経済産業部長 御指摘のデータの取扱いというのは、ちょっといろいろ確認を細かく取らなきゃいけないところがあり、例えば大企業がビッグデータを活用して何かやり取りする際も、いろんな規制等、細かいものがございます。その辺をスムーズに、確認しながら、当然、区内事業者がこのデータを役立てることが大変有意義なことだと考えていますので、そういった観点から、開示できる情報というのは開示していきたいと思っています。 ◆中村公太朗 委員 民間のツールを使えば全部分析がすぐクリックで、自分のアカウントページで見られるようになっていますから、それはぜひこのせたPayの区内事業者向けの仕組みでスタートしているのであれば、なおさらそこは、お金をかけるのであれば、まずはそこから手をつけるべきだということを申し上げて、質問者を替わります。 ◆桜井純子 委員 私からは、まず行政の人権意識についてということで、一般質問の続きを質問させていただきます。  婚外子差別の事件について取り上げてきました。それで、今回の一般質問で、やっと世田谷区からは、人権と事務効率は天秤にかける同質のものではなくて、人権擁護が何よりも優先されるものであり、区政全体に貫かれるべきものという認識を示していただき、そして、事務改善については、団体の方も含めてこれまで協議をしてきた内容に書き換えられると、変えられるということが答弁としていただいたわけです。  そして、ここからです。事務改善をすればいいというものでもないんです。答弁でいただいたように、区政全体に貫かれる人権意識というものがどういうふうに醸成されていくのかというところ、そこを外しては、この事件に関しては解決をしていくというふうには思えません。ですので、なぜこの人権侵害事件というものを世田谷区が起こして、そこから、解決に向けていくスタートを切ることができるその時間が五年半もかかったのかということについて、聞いていかなくてはならないなというふうに思い、今回はその質問をさせていただきます。  そして、五年半の中でいろいろなやり取りがありました。その中でも、もう本当に様々なやり取りがあり、世田谷区は二転三転、答えを変えていきます。例えば戸籍法に違反するから戸籍を見ながらの質問はできないという、法律上全く書いていない間違った答えをしながら、それを訂正していかない。そんなことは言っていないということを言ったり、本当にその内容はひどくて。そして、初めから人権侵害の事件なんだということを言っているにもかかわらず、人権侵害を起こしているというその認識よりも、多分、私が感じるのは、クレーマーが来たというような認識だったりとか、ごまかしていきたいという気持ちだったりとか、もしかしたら身内を守るというような意識が働いて、部長、課長が替わっていく中で、どんどんどんどん本当に必要な改善というところ、目を向けなくてはいけないところから目を背け続けたんだと思っています。  やっと五年半たって、しっかりとした答弁をいただけるようになりました。この五年半、なぜこんなに時間がかかったと世田谷区としては認識をしているのか、まずお聞きします。 ◎舟波 地域行政部長 平成二十八年のこの戸籍の証明書交付における差別と捉えるべき事案に対しましては、その当時の対応も含め、当事者の方の声にしっかりと向き合えていなかったというふうに切に感じている次第でございます。このため、本人確認の書類をお持ちでない申請者の本人確認を行う方法として、御家族の状況などを帳票に記載していただく方法に変更はいたしましたけれども、口頭のやり取りでの差別的な発言を防ぐという部分的な改善にとどまっていたと考えてございます。  職員が申請書を基に戸籍をまず確認することで、その戸籍の状況から、申請者の御事情に配慮した本人確認を行うことができるという関係団体の方の改善要望に対しましては、窓口での混雑緩和など、区民サービスの面からの事務処理の改善に重点を置き、人権擁護の観点から事務処理の問題を深く掘り下げてこなかったことが、根本的な見直しに時間を要したと考えております。様々な事情を抱えながら戸籍の手続に来庁される方が、心情的な苦痛を抱くことなく手続を行っていただくことを第一に考え、今後、戸籍を確認した後に本人確認をさせていただく運用に改善するとともに、人権擁護の観点に立った戸籍事務の研修、事務処理の自己点検を強化してまいります。 ◆桜井純子 委員 御答弁の中にありました心情的な苦痛を抱くという心情的な苦痛、これは人権侵害を受けた、その痛みですよね。これは人権侵害を起こさないように、そして起こしたことを踏まえての答弁だということで、部長、よろしいでしょうか。 ◎舟波 地域行政部長 おっしゃるとおりでございます。 ◆桜井純子 委員 そして、この五年半の間で世田谷区が人権侵害なんだと、差別的な扱いをしたということを認めた瞬間がありました。それが二年前の予算特別委員会、この場から私が質問して、岡田副区長が答えた瞬間です。しかし、そのときには職員にしっかりとこの事件について、そして差別的なことをしてはいけないということ、それを根づかせていくという答弁がありましたけれども、そこから二年、変わったなという印象をなかなか受けることができずに来ました。  職員の皆さんは、この二年間、特別な人権のその研修なりなんなり、世田谷区が人権侵害の事件を起こしたんだということ、これを身にしみて感じることってあったでしょうか。本当にこの事件、これは婚外子差別の問題だけではないんです。それは、根本的な具体的なところに個別に入っていくとそうですけれども、人権侵害を行政が起こした、世田谷区が起こした、そのことが重大だということです。ですから、皆さん、全ての職員の皆さんがこの事件のことを知って、どうしようと思っていただかないといけなかった。そういうふうに私は取っていただきたいと思います。  そして思うのは、世田谷区に人権研修ってありますよね。何年かにわたってやっていく、何回か、何回か、やっていく。だけれども、それが効果がなかったと私は思います。いろいろと工夫してやっているというふうにおっしゃるかもしれないけれども、事件を起こして五年半、人権侵害の事件だというふうに取り扱ってこなかった。その根本は、表面的な研修にとどまっていたのではないかと思います。  ですから、この人権侵害事件を起こした世田谷区が、この事件をしっかりと受け継いで、人権研修などに入れていく、それぐらいのことをしていかなくては、この五年半の時間というのは本当にもったいない。これからスタートをするのであれば、人権研修の内容についてしっかりと検討して、行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎池田 総務部長 職員には高い人権意識に裏づけされた職務遂行が求められており、区では、新規採用時や昇任の機会など捉え、人権研修を継続的に実施し、職員が障害や性別などによる差別、同和問題などに対して正しい理解を得ることができるよう取り組んでおります。今回の事案を踏まえまして、今回の事案がまさに自分たちが働いている世田谷区で実際に発生したという事実を具体的に紹介いたしまして、職員としてどうあるべきかを深く考えさせる、そのような人権研修を継続的に受講させることを通じまして、全ての職員が将来にわたり高い人権意識を持って職務に当たることができるよう取り組んでまいります。 ◆桜井純子 委員 しっかりと内容を見直していただくこと、そして、あったことというのを受け継いでいっていただきたいと思います。当事者の方にもお話を聞く機会なども含めて、ただ単に話を聞くというだけではなくて、ロールプレイとかいろんなやり方があると思います。工夫をしていただければなというふうに思いますし、ぜひ一緒につくっていけるところはつくっていくようにしていきたいなというふうに思います。  そして、この人権の問題に関して、五年半、起きた間に世田谷区は変化がありました。男女共同参画の条例ができて、そして人権問題で行政が何か起こしたときには苦情処理委員会というところができて、そこに訴えるということもできるようになりました。生活文化政策部にある人権担当の所管、人権・男女共同参画担当課というところが本当に重い責任をさらに持ったという変化があったわけですけれども、今後どうしていくかということだと思います。人権・男女共同参画担当課を所管している部長にお聞きをしたいと思います。こういう事件を起こしたことをどのように受け止めていくのか。そして、これから世田谷区の人権担当、政策担当としてどのように考え、行動していくのか、お聞きしたいと思います。 ◎片桐 生活文化政策部長 今回の人権侵害に係る事案が発生しましたことを、人権施策を所管する立場として改めて重く受け止めております。今後は、区の基本構想も踏まえて策定いたしました多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例の理念にのっとり、あらゆる施策で一人一人の人権が保障されるよう、所管での状況の確認や今後の対応についての協議などを行ってまいります。世田谷区職員が人権侵害することなく、業務に取り組む対応、体制を強化してまいりたい、そのように考えております。 ◆桜井純子 委員 しっかりと人権・男女のほうから発信をしていくこと、そしてそれを重く受け止めて業務をしていただきたいと思います。  そして、最後にちょっとお聞きしたいんですけれども、この五年半の中で、世田谷区は保坂展人区長、人権を大切にしている区長のいる区じゃないですかという言葉を本当にもう数えられないぐらい言われました。これだけ時間がかかってしまいましたけれども、本当に訴えてくださった当事者の方々が、諦めずに世田谷区と向き合ってくださったおかげで、こういうところまで来て、スタートを切るということです。今日は、研修の内容を変えてくださいという話、人権・男女、どういう態度で臨むんですかということ、そして、所管の部も五年半の中でのまずい対応というところ、しっかりと受け止めていただいているという気持ちはします。ただ、当事者の方はこういう状況です。五年半、本当に世田谷区とのやり取りの中で傷ついてこられたんだなという実感がするのは、変えますという答弁を一般質問でいただきました。人権は大事です。事務効率よりも人権なんだというお答えをいただいたにもかかわらず、本当なんだろうか、半信半疑の気持ちだということをおっしゃるんです。そこまで深く人権を侵害し傷つけ続けるということは、人を傷つけるんだということ、信頼する気持ちを損なわせるんだということなんだなと私も本当に改めて思いました。  この件に関して、そしてここから、このことを起こしてしまった世田谷区として、人権を大事にすること、このことについて区長から一言いただければと思います。 ◎保坂 区長 まず、この件で大変配慮のない差別的な取扱いを区の窓口で行ってしまったことについて、私のほうからもおわびをしたいと思います。  その上で、二年前の岡田副区長の答弁もありました。また、いろいろ団体の方との話合いも五年以上にわたって続いて、今日、取扱いを全面的に変更させていただくと、今、関係所管部長が答弁したとおりですが、ここに至る時間が大変長くかかってしまったこと。そして、今、総務部長から答弁ありましたけれども、今回のケース自体を一つの実際にあった事例として、職員全てにしっかりと直面してもらい、二度とそれを繰り返さないような、つまりこれは他の事柄についても通底しているわけですから、そういう研修、そして窓口で問題があった場合にスピーディーに解消、改善に向かうという体制を、責任を持って構築してまいりたいと思います。 ◆桜井純子 委員 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。そして、私、決算特別委員会のときに生活保護の窓口の対応について質問をさせていただいて、改善を求めました。そして、どうなっているかなというふうに思いましたけれども、実は一月の初めに、やはり住むところがなくて生活保護の申請にいらした方が、福祉事務所の窓口へ申請に来たんです。その方はこういうふうにおっしゃっていました。付き添ってきた、同行した支援者の方は、世田谷区のそのまずい対応だったときも知っているものですから、本当に書式なども変えていただいて、丁寧な、本当に心傷ついて来た人が安心するような対応をしてもらったと言っていました。  ですから、現場で例えば事務処理のやり方を少し変える、それを人が傷つかないようなものに変えていくことだけでも、どんどんどんどん区の中も変わっていくのではないかと思っています。今回は人権研修もセットでしっかりと行っていくということをおっしゃっていただきましたので、世田谷区が本当に変わっていくこと。そして、こう思うんです。本来持っていた力、人権を守るという、その公務員としての力が発揮されるような、そういう世田谷区になるんだなというふうに思っていますので、ぜひしっかりと、そしてなるべく早く、これを取り組んでいただければと思います。  それでは、質問を変えます。災害対策についてお聞きをいたします。  今日、三月八日は国際女性デーだということ。さきにもありましたけれども、女性にとって災害というのは、本当に災害が起きたというだけではなくて、身体的にも大きなダメージを受けるような、そういう事柄だということ。これは女性の視点を入れてほしいという言い方からしても、分かっていることではないかなと思っています。  世田谷区は、女性の視点というものを災害対策にはちゃんと位置づけるんだということを言っていますけれども、では、どのようにしてやっていくのかということを問われていくと思います。世田谷区では、今、女性防災コーディネーターという方々がいらっしゃいますけれども、まずその女性防災コーディネーターを置いた、養成をした目的を教えてください。 ◎菅井 危機管理部長 区は、平成三十年度から令和元年度にかけまして、せたがや女性防災コーディネーターの養成に取り組んできました。養成された三十八名のコーディネーターの方々につきましては、各地区で多様性に配慮した女性の視点からの防災意識の普及啓発に努めていただくこととしておりましたが、コロナ禍の影響などにより、当初目標といたしました令和三年度までに区内五地域での地域啓発研修の実施には至っておりません。  女性防災コーディネーターの将来像ということですが、今後二期、三期と以降の養成を進めまして、その活動を各避難所運営に根づかせ、さらには運営に携わる方々の中から生え抜きの女性防災コーディネーターが誕生し、地域の方々とともに全ての方々の人権が守られた避難所運営をリードしていく、そういったことを目指していきたいと考えてございます。 ◆桜井純子 委員 女性防災コーディネーターですけれども、今聞いてみると、個人個人での活動みたいな形になっているというふうに聞いています。女性防災コーディネーターが活躍していくためには組織化というのが必要だと思いますけれども、この点に関していかがでしょうか。 ◎菅井 危機管理部長 今お話がありましたように、御自身で連絡を取り合っていただいて、協力して、地域の訓練などに臨んでいただいていると承知してございます。お話しのように組織化することによって、様々なメリットが得られるんじゃないかとも考えてございます。活動を支援する体制の手法といたしまして、男女共同参画と、あと防災の知見と実績を持つ、例えば団体と連携して、その団体が訓練の参加の調整だとか、日常のフォローアップ研修など、現場の意見を活動に取り入れていくなどの役割を担うだとかも考えられると思います。  コロナ禍において二年間活動ができていない状況でございますが、来年度から改めて、フォローアップ研修だとか、指定避難所の課題の検討の際の参画だとか、こういった機会を通じまして、御本人たちの意向などもお聞きして、組織化に向けた可能性とその方策について検討を行ってまいります。 ◆桜井純子 委員 女性の視点というのは女性の参画が必要だということなんです。それと、女性と男性の災害時の反応の仕方が違うということが分かってきています。例えばストレスに対する耐性というのが、実は女性のほうが弱いということが分かってきました。それは発災直後ではなくて、二年、三年、四年とたって差が出てくるということが分かってきましたので、これについてはまたリプロなども含めてお聞きをしていきたいなと思いますが、そういう違いもあるということもつかんで、女性防災コーディネーターを使っていただければなというふうに思います。  そして、活躍の場なんですが、在宅避難者への支援、これもすごく重要なところだと思うんですけれども、ここへの関わり、これからしっかりと進めていただきたいということと、あと、私、在宅避難者の支援については、計画をつくってしっかりと行う必要があると思っています。この件に関して、いかがでしょうか。 ◎菅井 危機管理部長 今お話にあった在宅避難の推進につきましては、まさにその心理的な面なども考慮した支援対策というのが必要になってくると考えてございます。その点、検討に当たって、育児、介護に携わった経験だとか、あと、多様性に配慮した女性の視点というのは生かせるんじゃないかと考えてございます。また、今お話しあった今後の計画につきましては、体系的にまとめていく必要があるんじゃないかと考えており、関係者、関係機関とも共有しながら取組について、進捗把握も含めて、進めてまいりたいと思います。 ◆桜井純子 委員 質問者を替わります。 ◆羽田圭二 委員 午前中も少し、どこが負担するのかというような話がありました。東京都の子ども医療費の無償化、所得制限を取って実施をするという話も含めてされていたわけですが、最終的にそれが当面は東京都が負担をし、その後、対応は変化しかねないといったようなことも言われていたかと思います。そこで、今日は、前半はその誰が負担するのかという話なんですが、財務省が毎年二月に打ち出している国民負担率という統計がありまして、この統計をずっと追っていきますと、実はこの数年上がり始めている。もちろん国のほうはこの国民負担率が五〇%以上にならないようにということで対応を図っているということなんですが、その国民負担率というのは、租税、税金を国民が払っていて、その負担率、それから社会保障費、健康保険とか年金とかいろいろありますけれども、それらの保険料や、あるいは医療の負担とかを含めてあるかと思います。それらのその負担率が、実は、ここ数年上がっているということが分かっていると。  税金のほうが上がっているのは、この間の消費税増税が大きな原因だということは分かっていて、一方で、社会保障費も実は上がっている。国は、なかなか税金を引き上げて、あるいはその消費税問題もいろいろありましたけれども、直接それを引き上げていくということがなかなかできない。結果的には、国民の負担は社会保障費に偏ってと言えば言い過ぎかもしれませんが、社会保障費のほうで実は負担を強いられていたのではないかというのが、最近よく言われるような話になっていると思います。  今回も、その意味では、保育士さんだとか、あるいは介護士さんの報酬の見直しということが言われて、当面は国が出すと。しかし、その後はどうするかということが極めて曖昧ということで、下手に自治体だけが出すということにもならないわけですし、そして、さらに言えば、一番私たちが恐れているのは国民の負担ということで、また求められていくのではないかということにあるかと思います。  そこで、この問題なんですが、今回、国民健康保険料の改定案がこれから審査されて、決められていくことになるかと思いますが、それらのように負担をできるだけ軽減をしていくということが実は自治体レベルからも問われてきたんだと思います。  そこで、より区民ですね。我々にはね返ってくるのは、区民の負担をできるだけ増加させないという取組が必要なわけで、その点では、今後国や都の支出金の増額、このことを求めていくべきだと思うわけですが、その点について最初に区長の見解を求めます。 ◎保坂 区長 社会保障関連経費の増大につきましては、地方消費税率の引上げ分の社会保障財源、百二十四億円が充てられているものの、後期高齢者医療保険では一定の所得を上回る方の窓口負担が一割から二割と上がるなどの動きも出てきております。介護保険料も制度開始から二十年たって二倍以上となっております。御指摘の国民健康保険については、平成三十年度に運営主体を東京都に切り替えたということと同時に、保険料負担を軽減するために各区でやってきました法定外繰入れをいわゆる段階的にゼロにするようにという国からの強い指針が示され、これが急激な変化にならないように刻みを入れて、段階的な、いわば繰入れの縮減を行ってきました。  しかしながら、このコロナで収入が激減したりということもありましたし、今回は医療費の場面で大変多くの支払いが生じたということで、剰余金を本来は充てて、縮減のカーブをあまり急激なものにしないということを図ろうとしていたことができなかったことから、区長会の今の議論では、その分を取り入れて、その上昇のカーブをできるだけ抑えようという議論をしております。  また、国保の問題については、世田谷区を先頭として再三の要望により、令和四年、ようやく子どもに係る均等割保険料の軽減措置が、未就学児童の保険料が五割減というところまでは来ました。しかし、就学児童の問題はまだ残っているということであります。  区長会で毎年行っている国と都に対する予算要望の中で、医療保険制度について安定的かつ持続的に運営できるよう、国庫負担及び都独自の財政支援を充実するように強く求めてございます。現在の国民健康保険料の負担のいわば負荷というのは大変重いものになってきていると認識しております。 ◆羽田圭二 委員 これからさらに議論があるかと思いますが、ぜひ、国や東京都の支出金の増額を求めていくということは、引き続き強めていただきたいと。ただ、問題なのは、税収を増やすといった場合に何が必要なのかということは、世田谷区の中において、今日の前半の議論にもありましたけれども、地域経済をどうしていくのかということは極めて重要な課題だと思っています。したがって、今回条例整備、あるいはものづくり学校の在り方等が議論になっておりますが、これらを併せてしっかりつなげて考えていくことが必要だと思っています。  本会議で、一般質問でも言いましたけれども、この間の産業構造の転換による就労構造の変化だとか、それから、コロナ禍以前ですよね。以前から続いているデフレだとか賃下げ、賃金が実質上がっていない問題、それから大きな課題ではやはり気候危機等、格差の拡大、そうした変化している社会状況、経済を認識した対応がこの経済政策の中で、この地域の中でも求められているというのが考え方であります。  そこで、今回の新しい資本主義実現会議が首相の下で設置をされているわけですが、実は実現会議の見方はいろいろあるんですが、私自身は今の経済がこれまでの対応ではなかなかうまくいかなくなっているのではないかという認識に立ち始めているのではないかと。全体がそう立ち始めているかどうかは別として、そのような危機感を持っている人が出始めているという認識を持っています。今回の地域経済の持続可能な発展条例、これもそうした国の考え方と併せて見てみますと、極めて重要な中身だと思いますが、その実現会議の国の考え方を軸に構成されていると私は思いますが、その点はいかがでしょうか。 ◎保坂 区長 岸田首相は、総裁選に挑む中で、新自由主義の負の部分について言及され、首相に就任された後、新しい資本主義のこういった提言などを進めておられると。目を通せば、持続可能性や人を重視するということであるとか、成長の実現に向けたイノベーション、担い手としてのスタートアップや起業・創業の支援、社会課題解決に向けたイノベーションの活用など、いわゆる新しい資本主義ということの中で株主を絶対化して、そこに還元することが全てだというような、いわゆる弱肉強食型の社会から、持続可能な社会への転換を図ろうとしているというふうに私は捉えています。そういう視点で言うと、先日議決をいただいた地域経済の持続可能な発展条例は、地域の経済発展と地域社会の課題解決を両立させようとする視点に立っておりまして、その意味では、岸田首相が目指そうとしているところと方向性を同じくするものとを考えています。  一方、成長か分配かという議論がありますけれども、世田谷区の立場から見れば、公契約条例で地域賃金の底上げを具体的に図ってきたということもありますので、積極的な労働分配率が非常に低いわけで、ここを押し上げるという政策はやはり国に対して求めたいと思っております。
     池尻中跡地を活用した産業活性化拠点は、様々なステークホルダーの交流や連携による新たな価値創造の場として、既存産業の活性化、起業・創業促進、さらに、地域課題の解決や、未来の社会と仕事を担う子どもの学びなどに取り組む、先般議決をいただいた条例の掲げるところの理念を具体化する拠点施設になるものと考えており、実現に向けて、議会などの御意見を踏まえながら、経済産業部を中心に検討を深めてまいりたいと思います。 ◆羽田圭二 委員 そうなりますと、この発展条例の中身自体は、世田谷区の産業政策の柱になっていくというふうにこの条例そのものがあると、そのような位置づけで、今後、産業公社と池尻の拠点、この二つが今後どのような役割を果たしていくのか、この点について簡単に聞いておきます。 ◎田中 経済産業部長 新たな産業活性化拠点では、地域経済の持続可能な発展条例でお示しした四つの基本方針である地域産業の基盤強化、多様な働き方の実現、地域や社会の課題解決、持続可能な事業活動を具現化し、区民や地域経済に新たな価値をもたらす施設となるよう検討を進めています。産業振興公社におきましては、条例の理念に基づき、コロナ禍からの事業者の立ち直り支援など、全ての事業者を取り残さないベーシックな支援を行ってまいります。  また、産業活性化拠点との連携については、これまで産業振興公社が培ってきた区内事業者や産業団体、金融機関などのネットワークを生かし、成長に意欲的な事業者をつなぐハブとしての機能を発揮するとともに、拠点で育った事業者を他の事業者とマッチングするなど、産業連携を推進する役割を果たしてまいります。 ◆羽田圭二 委員 税収確保の問題も最初触れましたけれども、先ほど区長から話がありました。つまり、人への投資といいますか、働いている方々の賃金の確保、あるいはその労働条件の改善、これらも重要なテーマとなっているというのが今回の条例の特徴ともなっているかと思います。そこで、今回、これからの取組の中でそうした労働条件の改善、賃金引上げ、それだけではなくて人材育成、能力開発、これらに向けた雇用支援も大変重要だと思うわけですが、その点はいかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 長引くコロナ禍の影響の中で、非正規雇用で働く方々や個人事業主、フリーランスの方を中心に生活に大きな影響が出ていることも多いと認識しております。区では、直接的な支援に加え、業態転換やDXへの対応のためのハンズオン支援など、様々な支援に取り組んできました。ここ数年、特にIT関係のスキルを必要とする求人が増えている一方で、無料でITスキルを身につける機会が少ないことから、令和四年度は、民間企業との連携によるITスキル習得講座などで、多くの方が安定した仕事ができるような支援を実施します。この先、DXの進展により、あらゆる業種、業態でITスキルが必要となる社会となることが想定されます。個人事業主やフリーランスなどがそのような環境で安定成長していくためには、様々な種類のIT関連の支援が必要であり、区では、旧池尻中学校跡地を活用した産業活性化拠点において、IT関連に強い事業者とタイアップしながら多くの方を支援してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ今後、それらを含めて強めていただきたいと。  最後の質問ですが、コロナ感染症陽性者の後遺症の課題であります。これは前にも触れたことがありますが、今回、福祉保健のほうでこの間二回目を済ませたアンケート、その調査報告がまとめられているかと思います。最初にこの中身、特徴について伺っておきたいと思います。 ◎辻 世田谷保健所長 二回目の後遺症アンケートは、一回目の調査対象以降、令和三年四月十六日から九月三十日までに世田谷保健所で発生届を受理し、管理しているコロナ陽性者一万八千五百五十三名の方に実施をしております。回答数は六千二百八十九件、回答率三三・九%でございます。この二回目の調査結果の速報につきまして、二月上旬に議会報告をいたしました。前回と同様、後遺症として、十代から三十代までは嗅覚障害が最も多く、五十代から七十代までは全身の倦怠感が最も多い結果となりました。また、今回の特徴としましては、後遺症があると回答した方が五四・二%と前回の四八・一%より多かったことや、脱毛があったと回答した方が三三・七%と、前回の一七・六%と比べ増えている点などが挙げられます。 ◆羽田圭二 委員 後遺症によって大学を休学したりとか、あるいは仕事を休んだりだとか、そういったことで必ずしも後遺症だと受け止められていないというような状況があるということが伝えられております。こうしたことを踏まえて、労働者や学生へのその影響をどのように今後つかみ、広げていくのか、これは区長から答弁をいただきたいと思います。 ◎保坂 区長 昨年の一回目アンケートの結果をもって、厚生労働省の医務技監及び東京都の副知事をそれぞれお訪ねして意見交換してまいりました。後遺症により仕事に戻れないと訴える声がたくさんあることや、治療方法を確立するためのさらに大規模な調査の実施、例えば労災の円滑な認定などについても課題があることを申し上げました。  これら後遺症の中で、まずその診療の体制、相談の体制もまだ整っていない。これを構築することが急務。そして、その労働、雇用に関する不利益待遇も改まっていない。こういうことに対して区としてトータルな相談の体制を整えていき、さらに、オミクロン株でこれだけ広がりましたので、後遺症がどのように現在あるのかということについてもしっかり見て、国や東京都にも問題提起を続けていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 ぜひ働きかけを強めていただきたいと思います。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時二十一分休憩    ──────────────────     午後三時三十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の総括の質疑を始めます。代表質問の続きということで、会派のほうから明日も、それからその次の日も時間をもらっておりますので、明日は半分ですけれども、じっくりやっていきたいと思います。  これまでの各会派の質疑を聞いていて、せたがやPayのことについていろいろ質疑がありました。私たちは、せたがやPayのためにポジティブな意見を言うのではなくて、世田谷区で働く商工業者のためにポジティブな意見を述べたいと思っております。そこで、一つ提案なんですけれども、三月十五日に期末手当が配られますよね。その日に幹部職員の方の期末手当を全部せたがやPayで払うというようなことというのは、ぽっと決められますか。 ◎池田 総務部長 基本、職員の給与については現金で支給することになっておりますので、条例改正等の検討が必要になるかと考えております。 ◆大庭正明 委員 もちろんこれは、いろいろ決められるかというのは、いわゆる幹部職員の間だけで、よし、やりましょうというような合意というのは取り付けられますかということも聞いているんです。やろうと言えば、期末じゃなくてもいいですよ。次の期末でもいいですから。どうですか。 ◎池田 総務部長 幹部職員全員について同意を取るということについて、全員の合意が必ず取れるかどうかというのは現時点では分かりませんので、ちょっとお約束はできない状況でございます。 ◆大庭正明 委員 全員の合意が取れなくても、やるということはできるんですか。 ◎池田 総務部長 制度設計上、あと税制上、それがどうなるのかとか検討が必要で、現時点で必ずできるというお答えは、申し訳ございませんが、できません。 ◆大庭正明 委員 私が言っているのは、全員の合意がなくても幹部職員会で決めたらそういうことはできるんですかということを聞いているんです。 ◎中村 副区長 我々地方公務員にも労働基準法は適用されますけれども、労働基準法には、賃金が直接現金で全額という、たしか賃金原則がありましたので、直接現金というところにPayがどういうふうになるか、そこはちょっと確認しないとというふうには考えています。制度上の問題はちょっと検討しないと即答ができない部分があるかと思います。 ◆大庭正明 委員 では、賃金ではなくて、いわゆる積立金の返還についてはどうですか。 ◎池田 総務部長 積立金というよりは、幹部での互助組織みたいな形で幹部会というものがございまして、この二年間、あんまり使用がなかったものですから、それを還付するということを検討しております。先般、それをせたがやPayという形で還元させていただくということを御相談させていただいて、そのようにさせていただく予定でございます。 ◆大庭正明 委員 今言ったように、幹部の間で二年間ですか、積み立てていたお金というのが互助会的な組織の中であると。それが相当数、何百万円もたまっているということで、それを返還するのに、このせたがやPayを使うということを一部の幹部で決めたというような話があるんですけれども、それは事実ですか。これは全員の合意がなくてはいけないし、例えば区長の命令だみたいな雰囲気で言われちゃうと、パワハラになる可能性もあるわけですよね。本来だったら現金で返還するのは当然なんですけれども、それをせたがやPayでやってくると、世田谷に住んでいない職員の方もいらっしゃるわけですよね。そういうところから不満が出てくるという可能性はないんですか。 ◎池田 総務部長 先般、各部長に御意見を聞きました。その中でこの三月末で退職されて、世田谷区で勤務する、世田谷区のエリアに来る機会が少なくなる、ほとんどないというお申出もいただきました。そちらについては個別に御相談いただきまして対応させていただくということで、お返事をさせていただいたところでございます。いろいろ個別の事情がある方もあるかと思いますので、それぞれの事情に応じて対応させていただきたいと。また、せたがやPayでお支払いするということについては、基本的な考え方として御了解いただいたものと考えておりますが、確かに出席した幹部職員は部長級のみですので、今後、課長級についても意見を聞いてまいりたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 やっぱりこれは同調圧力というわけじゃないですけれども、世田谷区の職員だったらせたがやPayに協力しろみたいな形で、何でお前はせたがやPayで返還するのを断るんだというのは、ある意味での差というか、そういうものを生じて、やっぱり庁内不和というか、そういうものになるんじゃないかと。そういうことを軽々にやるものではないんじゃないかと。決め方としても、やっぱり民主的な手続で、部長だけでやって、課長も従えみたいな、いや、部長がやるんだったら課長もやりますみたいな、ある意味上下関係の下でこういうことが決められているというのは、こういうのは何かの一つの端緒ですよ。例として今挙げました。  次の話に行きます。世田谷区長が、ふるさと納税で七十億円も穴が出るというか、外に流出して、一般財政が相当苦しくなってくるんだという話をあちこちでされています。これはあちこちで確実にしていますよね。でも、小学校二校分が消えたとか、そういう形でお話しになっている、そのこと自体を、外に向かってふるさと納税を区内のほうに還元するようにしてくださいという動きのためだとしても、それはいいと思うんですよ。  ただ、制度を知っている人から見ると、実はふるさと納税で減った分の八五%は財調で還元される仕組みになっているんですよ。ですから、一般財源には響かない。大体、五十億円以上が一般財源に響いたら、財政課はひっくり返っちゃいますよ。今の全体の真水の分の予算というのはそんなに多くないんですよ。世田谷の部分というのは決まったような形のお金が多い。その中で、七十五億円とか七十億円とか、いろいろ金額が入ってこないなんていうことを、内部の職員も何か信じちゃっている人もいるんですけれども、それは財調で八五%見る仕組みになっているんですよ。  財調も、大きな財布と言えば都税と、区民税と一緒ですけれどもね。でも、今、都税も伸びていますから、その分の負担というのはちゃんと八五%は還元されているということは、区長、御存じですよね。 ◎保坂 区長 二十三区の財調において基準財政収入額の特別区民税の算定過程で、ふるさと納税の減収分、三年平均額として加味されているということは認識しています。しかしながら、財調で八五%というお話がありましたけれども、財調は特別区固有の財源を各区に配分額調整を行っているにすぎないわけでありまして、そもそも東京都は不交付団体でありますので、いわゆる地方交付税における国から四分の三補填、これはないわけです。  ですから、例えば川崎市に例えてみれば、政令市で不交付団体であったときもあるということで、いわばその地方税が減ったと。そこに固定資産税や法人住民税、他の税源からそこを埋めるというのと変わらない構造ではないかと。つまり、ふるさと納税、財調算定のその金額というのは、本来はそれぞれの区と世田谷区のために、住民の様々なニーズのために使われるべきものであったので、その七十億円という金額が流出しているということは、私だけが言っているわけじゃなくて、報道機関も全てそのように、つまり流出額最大ということで書いているということではないかと思います。 ◆大庭正明 委員 私が言いたいのは、要するに世田谷区の基本計画とか実施計画とかというのが進行するわけです。十年単位または四年、八年単位で進行している。その中で、いとも、そのふるさと納税の影響で実施計画というのがなかなか金欠というか、お金が足りなくなって、進まなくなったというようなストーリーを言われているのではないかということを言っているわけですよ。それに対して、実際上、実施計画を実施するに当たっての資金というか、税は十分にあったと。足りないから実施計画が滞ったということはないということを言いたかったんですよ。  あたかも、何か小学校二校分が入らなくなっちゃったんですよというと、じゃ、学校改築が進まないというのも、それは仕方ないよねというような話になっていっちゃうということを恐れているわけですよ。そんなことはないんですよ。入るべきものはちゃんと入っているし、つくるべきものは本当にあったのにつくらなかったということを、ストーリーとして、私は主張としては言いたいということで申し上げたんです。  それで、代表質問の続きになるわけですけれども、世田谷区には基本構想というのが一番上にあって、これは二十年ぐらいの計画。その下に基本計画があって、その下に実施計画というのがここにあるわけです。その間に各政策の計画というのがあって、これは両方向を指しているんです。これは区の資料から引き出しました。これは一方にこうなっている。それから基本計画はこういう形に行くというような形になっています。  問題はこの実施計画のことを代表質問で言ったわけです。こちらもちょっと見せておこうかな。こういう、これは御存じですね。言わずもがなの。ということなんです。  それで、具体的にこの間何を言ったかということをもう一度申し上げたいんですけれども、さっきの実施計画というのは前半と後半に分かれていて、前半の四年と後半の四年。これは前半の四年です。前半の四年の計画で、実施計画。これは平成二十六年度から令和五年度ですけれども、実際これは平成二十六年から二十九年度の実施計画の前期というところを示しております。これができたのが平成三十年ぐらいの図式なんです。  そこで、この二十九年度の前半が終わったときの平成三十年度決算の主な主要事業の説明のところの一七ページのところを読めますか。新実施計画におけるという前。 ◎加賀谷 政策経営部長 御指摘のところですけれども、新実施計画事業全百三十の成果指標を示しておりまして、四年間の目標に対しては四分の一以上達成できたものが七十二指標あるというところを記載してございます。 ◆大庭正明 委員 引き続いて、約半数の取組は、必ずしも順調に進んでいるとは言えず、達成に至らなかったということをその後に書いてありますよね。読んだんですから。つまり、この計画は、実施計画、ここに落とし込むわけですけれども、ここにあるものは、建物整備・保全計画、せたがや道づくりプラン、それから舗装更新計画、それから橋梁長寿命化修繕計画です。あと、みどりとみずの基本計画、区立公園長寿命化の改修等々と、その他諸々の計画が山ほどあるんですけれども、このうちの半分以上ができていなかったということをこの平成三十年の決算で認めているということでよろしいですね。  世田谷区公共施設等総合管理計画の平成二十九年三月の三ページの諸計画の関係図より引いてきたものです。つまり、ここに関係図が載っているんですよね。ほかのところとか実施計画のところには関係図が一切載っていないので、諸々の計画の関係性というのが全然分からないんですよ。それで、あらゆるところを調べたらやっと出てきたのがこの世田谷区公共施設等総合管理計画の中で諸計画の関係図というのが出てきた。そういうことでよろしいですか。今確認を取っていますか。多分あなたたちが書いたんでしょう。間違いないと思います。 ◎加賀谷 政策経営部長 公共施設等総合管理計画に記載の内容で、御指摘のとおりでございます。 ◆大庭正明 委員 そうでしょう。そうだよね。だから、平成二十六、二十七、二十八、二十九の、平成二十九年度までの計画の半分が達成していなかったと言われているわけですよ。ですから、今度はその次の四年間。この次の四年間というのは、ここに当たるんです。これは令和三年の、去年の九月に出された更新版です。令和三年九月の世田谷区公共施設等総合管理計画の一部改訂版に載っていた二ページの諸計画の関係図です。これは前の四年間できていなかったのに、後期でもうこういうふうになっているんです。  何が変わったかというと、ここに学校施設長寿命化計画というのが入りました。それから、橋梁長寿命化修繕計画というのが六年ぐらい伸びました。あと、ここにできたのは、結局ここで本当は新実施計画の後期が全部終わるという話だったのが、終わらない。終わらないで、今度、世田谷区未来つながるプランというのが令和四年と五年に重ねて引き続きやっていくと、延長戦に入ったと。この世田谷区未来つながるプランの前半の令和四年が、今ここで審議している新年度予算という位置関係になるんですけれども、よろしいですか。 ◎加賀谷 政策経営部長 はい。御指摘のとおりでございます。 ◆大庭正明 委員 それで、この実施率は、先ほど、前半の四年というのが半分にも満たなかったというふうに答えました。じゃ、後半の四年間、これは今年の三月、今月です。令和四年の三月で終わるのかな。多分そうだと思うんですけれども。それで、後半の四年間の達成率、一年半はコロナの影響があったとしても、達成率は何%と言っていますか。 ◎加賀谷 政策経営部長 令和二年度でございますけれども、先ほどの記載のところで申しますと、百六十九の成果指標に対して五十九指標ということですから、おおむね三五%という状況になります。 ◆大庭正明 委員 そう、三四・九%なんですよ。前半にコロナの影響があったといっても、それは全部がコロナをやっていたわけじゃありませんし、九十二万区民が全部コロナにかかってお休みしていたというわけじゃありませんから、それはそれなりに達成目標というのを着実にやらなくちゃいけないわけですよ。途中で補正予算も組んで、いろいろな形で八度も組んで、いろいろな方向転換もしたんです。それでも、結局この後半の四年間が三四・九%ですよ。達成していないというのは三分の一ですよ。  分かりますか。前半、私の前の質疑者がみんな、これはもう何年も前から言っていましたよとか、その後変わりましたか、変わっていませんよねとか、言っていること、聞いていること、ほとんど文句と言っては失礼ですけれども、言っていることは、相当前に言っているのに達成できていないよねということを個々の問題に関して皆さんが取り上げていたように思うんです。それはそうですよね。八年間のうち前半が五〇%ぐらい。それで後半が三分の一しか計画ができない。ある意味ぼろぼろじゃないですか。どういう言い方が適切か分かりませんけれども。少なくとも、よくやったねという感じじゃないですよね。  皆さん優秀な、テストを受けて合格されて管理職になられているんだろうと思うんですけれども、三十点じゃ合格しませんよね。六割、七割、それ以上の人たちばっかりなのに、後期四年間三四・九%というのは、どういうふうに考えればいいんですか。  それで、やっぱりこれはいろいろな縦横の組合せがありますから、いわゆる三拍子がそろうという話で、一つとか二つが達成できても三つ目が達成できないと、その全体が達成しないという組み合わせというのがいっぱいあるんですよ。人と人員はそろったけれども用地が見つからない。用地が見つかったけれども人と人員がつかないとか、補助金のタイミングが合わないだとか、いろいろとその計画が三〇%、五〇%を切ると、全体計画というのがうまくいかない。これを改めてどう思いますか。やっぱりあなたの指揮が、あなたが経営者なんですから、あなたは別に働かなくてもいいけれども、ちゃんと任せる人に任せて、それでやるべきことをやるべきじゃないかと僕は思うんですよ。  でも、あなたはいつもツイッターばっかり打っていますよね。去年の一年間、あなたがツイッターを何回打ったか数えてみました。八千五百十七回ですよ。去年の一月から十二月までの間に八千五百十七回、一日に換算すると二十四回打っているんですよ。これは全部数えたわけじゃないよ。数えるソフトがあって、一か月間だけ検証のために僕は調べましたけれども、そういうソフトがあって、年間でそういうのがあるわけです。  でも、これはほとんど、言いましたけれども、何て言うのかな、人が書いた記事をただ紹介しているだけのものなんですよ。あなたの主義主張というか、つまり、計画はこれだけうまくいっているよとかなんとかということは一切載っていないんですよね。今日こういう会議があったとか、こういう形でどういうことをしたとかというような話というのは、そういうのは本来書いてもいいんじゃないですか。別に秘密のことじゃないし、今日は幹部会で少し何か絞ったとか、どうのこうのとかというのもあって、それは面白いんですけど。  八千五百回も打っている人なんて普通いないと思うんです。時間は別としても、いつ打っているかは構いませんけれども、自由といえば自由ですけれども。ただ、こういう実施計画というのが、結果として、さっき言ったこの計画自体が破綻しているわけですよね。三〇%とか五〇%ぐらいで八年間も続けられちゃうと、当然先送り、先送り、先送り。そのうちに人が替わっちゃう。部長が替わっちゃう。担当者が替わっちゃう。訳が分からない、どうするのみたいな、そういう形になるんですよ。その辺の責任というのをどうお考えなんですか。 ◎保坂 区長 現在の基本計画、そこにありますが、策定以後、二十八か所のまちづくりセンターでの三者連携による福祉の相談窓口の整理、保育待機児童の解消、うめとぴあの開設、児童相談所の開設など、多くの区政課題を解決してきました。さきの代表質問において答弁を差し上げましたが、新実施計画事業の目標達成状況について、コロナ禍や事務事業の緊急見直しの影響を鑑みたとして、複数年にわたり五割すら達成できていない状況、大変厳しい結果であると重く受け止めています。  特に新実施計画の後期については、従来の事業の実施結果を図る活動指標、アウトプット指標だけではなくて、目標達成の度合いを測る成果指標、アウトカム指標を設定するなど、その評価に当たっての改善を図ってきたところであります。したがって、この目標値に至る、例えば九千という数字があれば一万に持っていこうと。この九千が九千のまま、計画上その四年間推移すれば〇%ということで評価をする。ですから、評価の中にはマイナス、大変大きな数字、七〇〇%とかそういうものも含まれてくるということでございます。  成果指標には、最終目標達成に向けて幾つか段階がありますが、後期計画についてはそのレベル感にばらつきがあって、区の実施事業以外の外的要因による影響を受け、これはコロナが典型的ですけれども、そういった事業も多く設定されていたことから、このような達成状況となり、区としてはこの成果指標の設定についての反省も行っていかなければならないと思っております。  全事業全体の、いわば到達したい成果と実際に実施している事業実績ということの見合いで、いわば目標と実績の対比ということも今後は考えていかなければいけないと。例えば予算の執行率はおよそ九割になっているわけで、これは伸びはしなかったけれども、その基礎的な事業の確保についてはしっかり行ってきたということでもあります。未来つながるプランにおいては、こうした点を踏まえて、今御指摘をいただいたことも踏まえて、しっかり成果指標が現状の区政改善につながるように見直しを図っていきたいと考えております。 ◆大庭正明 委員 今、区長の発言の中には怪しい文言が相当あって、それは明日解明しますけれども、でも、今ちょっと気になったのは、執行率一〇〇%で達成率三〇%というのはどういうことなんでしょうね。執行率は一〇〇%ありますよと、今お答えになりましたよね。 ◎保坂 区長 いえいえ。 ◆大庭正明 委員 言ったじゃないですか。執行率は一〇〇%やったけれども基礎的な事業はやっているんだみたいなことを言ったんじゃないですか。違うんですか。 ◎保坂 区長 ちょっとこれは、一〇〇%ではなくて、例えの話で恐縮ですが、いわゆる到達目標を千という数字にします。この四年間で九百のところを千に持っていこうと。しかし、その九百のままであったというと、結局今回のいわゆる目標を増やすということに対して何%かという評価については〇%になりますよと。ただし、事業の到達目標と実績との対比においては九割になっています。予算の執行率についてもおおよそ九割、こういう例えで申し上げました。 ◆大庭正明 委員 政経部長、今の説明でよろしいですか。明日やりますよ。今の説明は多少間違っていませんか。多少ぐらいつけてもいいですよ、間違っているといっても。多少ぐらい間違っていませんか。 ◎加賀谷 政策経営部長 予算の執行状況と必ずしもその立てた指標……。 ◆大庭正明 委員 いや、達成率の話を今。 ◎加賀谷 政策経営部長 今現在の達成率は、目標に対して四年間でどこまで当初の設定時から、いわゆる伸びしろ分というのですか、が届くかというような状況でお示ししていますので、単年度で区切った場合は、前年度と比較した場合、この令和二年度、コロナによる影響もありましたけれども、落ち込んだ場合は今現在はやっぱり前年度と比較してマイナスとか現状維持で、伸びしろ分がなかったという意味では達成率が非常に低いという表記をしております。 ◆大庭正明 委員 今言ったことは明日ちゃんと証明しますのでね。僕が言いたいのは、やはり使うべきお金というか、人件費とかそういうのを投入しているんですよ。投入していながら、できなかったというようなものが多々あるということを言っているんです。それというのは、やっぱり期間内にちゃんとつくるというものですよ。例えば条例づくりだとかなんとかというのだって、延びて延びて延びてじゃないですか。同じ人員を使って一年間収入を与えて、人件費を使って、それでできませんでした。またさらにできませんでしたといったら、本来一年でできるものを、二年かけて、三年かけてやったら、それは税金の無駄遣いでしょうということを言っているわけです、スピードとして。  あと、もう時間がないんですけれども、最終的に僕が言いたいのはこれですよ。老朽化。これは四年前にも示したと思うんです。四年前の三年分のところは全部削りまして、あと六十三年ぐらいの経過のものが山ほど来るんですよ。今年やらなければ、これが全部積み上げになっていくんですよね。ここでできなかったら、できなかった分がここに積み上げになって一年足す。さらにここでできなかった分はさらに一年積み上がって、膨大なものになるんですよ。これをどう解決していくかというプランが全然出ていないじゃないですか。出ているんですか。  長寿命化といいますけれども、長寿命化なんていったって三十年後に、あなた、ここにいるんですか。三十年後の話なんていうのをしていたら、今の子どもたちとか今の施設なんて利用できないじゃないですか。首都直下は今すぐ来る可能性があるんですよ。このことはもう何年も、二十年近く前から申し上げているわけですよ。こういう問題についてどうするんだと。九十二万人が首都直下に遭ったらどういう騒ぎになるのかということは、コロナの問題以上の大変な騒ぎになってくるということを僕は申し上げているわけですよ。これに対するプランというのが具体的になっていないじゃないですか。  小中学校だって九十校以上あるわけですよ。ほかの施設もあるわけですよ。でも、人口はその頃よりもさらに増えている。減少したり増えたりする。これは公共施設を使えないですよ。避難できないですよ。避難したって、怖くてそこにいられない。どうするんですかということなんですよ。どうするんですか。新年度、その未来につなぐプランでいいですけれども、ちゃんと、こういうことで使わないで、それで黒字が余っているというようなのは、本来使うべきものに使っていないから黒字化ということになっているんじゃないんですか。どうぞ、お答えください。 ◎加賀谷 政策経営部長 九月に一部改定ということで、公共施設等総合管理計画を示させていただいております。その中で、改めてその取組の方針は示させていただいて、順次取り組んでいくということで、大規模改築、改修、それから維持補修費を含めた年間約五百八十億円を、平均ですけれども、予算計画の中に反映していくということで、今般その前段階で基金の積立てを行っているという状況はございます。 ◆大庭正明 委員 だから、積立てじゃなくて、考えているじゃなくて、具体的な計画をどんどんつくらなくちゃ、間に合わないんじゃないんですかというんですよ。そういう計画、何年までにこれをやる、改築するという十年ぐらいのプランを出せますかということですよ。いつ出すんですかということです。 ◎加賀谷 政策経営部長 基本計画の検討と併せて六年度に改定しますので、その段階で改めてお示しをすると予定しています。 ◆大庭正明 委員 六年度なんて言っていたら首都直下が来ますよ。コロナだって、急に来て、もう対応であらわじゃないですか。こういうことを早く決めて、ぱっ、ぱっ、ぱっとお金を使うような形にしていかないと、ただ基金で積んでいたって命を救えませんよ。建物に変えるなり強固にするなりしなければ。  以上で私の質問は終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わります。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆江口じゅん子 委員 日本共産党の総括質疑を始めます。  まず、ウクライナへのロシアの侵略戦争についてです。  ロシアの行為は明確な国連憲章、国際法違反です。原発や核施設への攻撃、重ねられていますが、これは人類全体の存在を脅かします。今も子どもを含む多くの人命が犠牲になっています。さらに、プーチン大統領は攻撃されたら核兵器で応えるなどと世界を威嚇しています。既に国際世論が、そして日本でも、国会から地方議会、自治体、多様な市民、団体が、ロシアは侵略やめよ、国連憲章守れの声を上げています。四日には区長が侵攻に抗議、停戦など求める声明を発表しました。区議会でも今、決議を上げるための協議が進められています。こうした世論が現実的に国際政治を動かしています。  国連総会は四十年ぶりに緊急特別会合を開催し、ロシア非難決議を加盟国の七割超に当たる百四十一か国の賛成で採択しました。さらに、世論と運動を広げることが、ロシアを包囲し、平和をつくる大きな力になります。  先週末には、複数の市民団体主催で、経堂や三軒茶屋などで抗議行動が行われました。合計百名以上が参加をして、ウクライナ支援の義援金が道行く人から約六万円も寄せられました。いても立ってもいられないと、飛び入りで抗議行動に参加する方もいました。今、平和を求める世論、本当に大きくなっていることを実感しています。  一方、ウクライナ侵略に対し、安倍元首相などは、国連は無力、改憲すべき、核兵器をなど発言、また、日本維新の会は核共有の議論を求めるなど、緊急提言を外務省に提出しました。しかし、力の論理を否定し、紛争の平和的解決を求めたのが国連憲章であって、憲法九条です。武力行使の禁止原則は、国連憲章の中でも最も重要な原則です。憲法九条には、日本が再び侵略国家にならないという決意とともに、自ら戦争を放棄し、戦力保持を禁止することで世界平和の先駆となろうという決意が込められています。力の論理の推進は、戦後の国際秩序の根本、戦後の日本の原点の否定につながります。  今、岸田政権、敵基地攻撃能力の保有検討を表明し、九条改憲に前のめりです。しかし、多くの国民は、戦争する国づくりは望んでいません。また、核兵器を持たず、造らず、持ち込ませずの非核三原則は日本の国是です。既に二日の参議院質疑で、我が党の質問に岸田首相は、核共有について、非核三原則を堅持する立場などから認められないと明確に答弁をしています。私たち日本共産党は、政府には、核兵器禁止条約の参加を強く求めるものです。  ここで区長に伺いますが、区長は九条、国連不要論、また、核共有論、これについてどのような認識をお持ちでしょうか。また、四日の区長の声明発表、大変重要です。さらなる世論を高める発信や、憲法九条を守るための積極的対応を求め、伺います。 ◎保坂 区長 ウクライナ侵攻で、核兵器の使用を示唆する発言と、一般市民も含めた市街地への攻撃を繰り返すロシアのプーチン大統領の行動は、武力による主権と領土の侵害であり、国連憲章への重大な違反であると私も強く抗議するため、三月四日に声明を発表いたしました。  先日、私も一員として参加する平和首長会議をリードする広島、長崎の両市長からも、第三の被爆地を生まないために、プーチン大統領宛ての抗議メッセージが出されたところであります。人々の貴い命と平和な暮らしを理不尽に奪う侵略行為を直ちに中止し、平和的解決の道を探ることも強く求める姿勢に私も賛同する立場でございます。また、私が呼びかけ人として参加する全国首長九条の会では、昨年十二月の総会アピールをおいて、戦争につながる九条改憲を決して許さない決意を訴えたところであります。  さきの一般質問でも、ウクライナの緊迫情勢を踏まえて、核兵器の廃絶と恒久平和を願う考えの下、九条改憲について言及をさせていただきました。現在、核兵器使用を示唆する発言、核施設や研究所、原発への攻撃など、絶対に許されない、人類の生存、我々の生存に関わる根本的な脅威だというふうに考えております。岸田首相も、いわゆる核の共有論を重ねて否定をしているように、私としても、同時に非核三原則を堅持していくという立場、ここを継続することを強く望み、平和都市宣言を行った自治体として、あらゆる機会を捉えて核兵器廃絶、非核平和実現の声を上げていきたいと思っています。 ◆江口じゅん子 委員 今、区長が御答弁されたように、全国首長九条の会、九条を守ろうという現職、元職の首長で構成されていますが、そのうち現職は三十名で、東京では保坂区長含め三名の首長の方が参加をされていて、本当に平和についてそういった立場で区内外に発信する首長の役割、大変大きいと思っています。区長は、これまで核兵器禁止条約の早期批准を求めるといった内容も区議会で御答弁をされています。ぜひ、こうしたことについても積極的な早期批准を求めていただきたく、要望したいと思います。  それでは次に、外環道について伺います。  二月二十八日、東京地裁で一部区間の工事差止めの決定が下されました。理由として、具体的な再発防止策が示されておらず、工事再開によって陥没のおそれがあると指摘し、同じ工法によっての外環道の工事の中止を命じています。大深度地下利用の安全神話は崩壊をしています。裁判所が工事の危険性と違法性を認めた画期的な決定です。  しかし、今月四日には、区内の中央ジャンクション、練馬の大泉ジャンクションで事業地内のシールドマシン再掘進が強行されました。二月末には調布の陥没事故が発生し、そして、三つもの地下空洞が発見された地域で、工事再開には地盤改修工事が必要という理由で約三十世帯を立ち退かせる家屋解体工事が強行されようとしました。区民の方も駆けつけて抗議をして、この解体工事の強行というのは一時中止になっています。
     三鷹などで住民説明会が行われました。私も参加しましたが、事業者が示す再発防止策に不安と中止を求める声が相次いでいます。二月末には市民団体から掘削中止を求める要望書が区長、区議会に届きました。我が党としても、工事再開は行うべきではなく、今からでも中止を強く求めるものです。  一昨年の陥没事故後、区長は二度にわたって国など事業者に十分な再発防止策、安全対策が講じられるまでは工事の再開をしないことなどを要請してきました。区長、区長の今般の判決を受け止め、どのように受け止めていらっしゃいますか。また、工事再開に対し、十分な再発防止策、安全対策が講じられたと認識しているのでしょうか。区民の安全安心を守る立場で、ぜひ工事再開中止を事業者へ要請していただきたい。区長の認識を伺います。 ◎保坂 区長 先月二十八日に東京地裁が決定しました外環の工事一部差止めについて、当日の報道で知りまして、その後、所管からの報告を受け、状況を把握いたしました。今回の地裁決定は、外環の七本のシールドトンネル工事のうち、東名ジャンクションを発進した二本のトンネル掘削工事について、気泡シールド工法による掘削工事を行ってはならない旨の内容と理解をしています。国土交通省は、今回の決定について内容をよく確認、関係機関と調整の上、適切に対応するとしていますが、これはよくよく吟味をしてほしいと思っています。  私は、外環事業者は今回の決定を重く受け止め、まさに住民の安全のために適切に対応する必要があるものと考えておりまして、今後のその対応の在り方をしっかり確認してまいります。一方、差止めが認められなかった区間のうち、中央ジャンクションにおいては、今年の一月に再発防止対策について事業者が住民説明会を開催、先週の金曜日から区内の一部も含む事業用地内でのランプシールドトンネル工事が再開をされております。  今回の事業用地内での作業開始に当たり、事業者が公表した再発防止対策が確実に機能し、地域の安全安心を高める取組が履行され、掘削予定箇所周辺にお住まいの方々への分かりやすい情報提供と丁寧な対応がしっかり行われるよう、事業者から直接説明を受ける際など、改めて区の考えを伝えてまいります。  東京地裁による工事一部差止め決定に対する事業者の対応や、今後の事業用地内におけるトンネル工事の状況等を確認した上で、沿線自治体と連携を密に取りながら、区に届けられた地域の皆さんの声も踏まえながら、適宜事業者に対して直接報告を求めるなど、必要な要請を行ってまいります。 ◆江口じゅん子 委員 気泡シールド工法の危険性が認められた決定ということで、やはり区内の地域の方からは、七本のシールドトンネル工事のうち二本は危険だから掘削工事を行ってはならないとしたのに、じゃ、残りの五本は何でそれで進められるのかと。中央ジャンクションの一部には、当然当区の敷地が入っております。やはりここで区長が区民の安全安心の立場で積極的な対応を取ることを区民の方は期待していますし、また、これまで区長は要請書を出すのみならず、直接事業者も呼んで要望してきた、そういった経緯もあります。ぜひ、適宜事業者に対して、必要な要請などを行っていくということですけれども、積極的に時期を逸することなく、要請などをしていただきたいと要望したいと思います。  それでは次に、子ども・子育て支援について二点伺います。  区長は、今議会の招集挨拶で、基礎自治体として子ども・子育て応援都市をバージョンアップする、生まれてくる子どもが歓迎され、大切にされて育つ地域を実現する、子育て支援をより一層充実させるなどと表明されました。大変重要な方向性です。我が党としてもこれに賛同する立場で、本日は二点提案したいと思います。  一点目は、子育て支援策としての国保の子どもがいる世帯への支援です。国保の加入者は、高齢者、自営業、フリーランス、非正規と、経済基盤が脆弱な方々が多く、コロナ禍でも経済的な打撃、直撃しています。  お子さんが三人いる区内の四十代のお母様からお話を伺いました。会社勤めのときの保険料は半額会社持ちだったが、国保になって本当に高額と思っている、貯金を崩して国保料を払うときもある。また、四十代のトラック運転手の方は、コロナ禍で取引先のビール会社の需要が激減、年間百万円の減収、納付の意思はあるが、国保料を払えず滞納している、そのため減免も受けられない、病院の窓口負担も高く、虫歯の治療にも行けないなど深刻な声がこの間寄せられています。高過ぎる保険料が家計の急変世帯、低所得者、子どもが多い世帯の暮らしを圧迫し、受診抑制、保険料滞納につながっています。  国保には、加入者の所得は低いのに、ほかの医療保険と比較し、保険料は最も高いという構造的な問題があります。本日は、このグラフで区内在住の給与年収四百万円の三十歳代の夫婦と子ども二人の四人世帯を事例に、国保と、それから中小企業の労働者が加入する協会けんぽではどのくらい今年度の保険料が違うのか、比較をするためにグラフを作ってみました。まず、協会けんぽの場合は、この四人世帯では年額十九万六千八百円の保険料となっています。しかし、国保は、これを見ると分かるんですけれども、年額四十三万二百円と協会けんぽの二倍以上の保険料となっています。  では、何でこんなに二倍も国保料は高くなってしまうのかということなんですが、その要因の一つに、国保にしかない均等割というものがあります。均等割は人頭税と同じ仕組みです。収入のない赤ちゃんであっても、加入者一人当たりにかかる負担になっています。今年度は、年間一人当たり五万二千円。子どもが二人なら五万二千円が二人分なので十万四千円、三人なら年間十五万六千円が均等割額となります。この四人世帯の場合は、年額保険料四十三万二百円の半分、二十万八千円が均等割を占めるということで、国保料が高い大きな要因が均等割になっているというのがこのグラフでも分かると思います。  そういったわけで、この子どもの均等割というのが子どもの貧困対策にも子育て支援にも逆行するということで、長年、全国知事会、また区長会も、国へ子どもの均等割減免を要請してきました。これらや、そして、何より国保料が高いという大きな世論が国を動かして、来年度から小学校入学前の子どもに限って、均等割は半額になります。  しかし、これで子育て支援として十分なのでしょうか。この四人世帯の事例を見ていただきたいんですが、この四人世帯のここにいる子どもです。この二人が小学生以上であれば、来年度からの国の未就学児の均等割半減の恩恵はありません。だから、国保料が四十三万二百円のままです。仮に就学前の子どもが二人ということだったら、均等割の保険料がそれぞれ二万六千円に半減されます。そのため、この世帯の場合、令和四年度から国保の年額の保険料は三十七万八千二百円になります。しかし、軽減をされても、協会けんぽの保険料の一・九倍の保険料額になるんです。来年度の国の制度から見ても、保険間の負担感格差解消には程遠いという状況が分かると思います。  区長は、既に国の制度改正は子育て支援として不十分と表明をしていますが、まさにそのとおりです。同じ世田谷の子どもでありながら、加入する保険の違いで負担に差異がある。だったら、基礎自治体である世田谷区が、子育て支援策として、その軽減に踏み出す必要性があるのではないでしょうか。  先ほど来、ほかの会派から、来年度からの子どもの医療費助成の対象十八歳まで拡大について質疑が重ねられています。私どもも一般質問でそのことを質問を行い、大変重要な施策と評価をしています。同時に、子どもにかかる負担軽減という点では、子育て支援にも、子どもの貧困対策にも逆行するこの国保の子どもの均等割の軽減も非常に重要な課題です。  区長はこの間、国保の多子世帯軽減については、区としての早期の実現を目指して引き続き課題整理、検討を進めていきたいと、令和二年の決特などで答弁をされてきました。また、区は具体的に、軽減対象や影響額、一定の所得制限を設けた場合の試算など、検討をしていると議会答弁も重ねてきた経緯があります。区長、伺いますが、子育て支援策として、国制度への区独自の対象年齢拡充にぜひ踏み出していただきたい。来年度に向け、どう取り組んでいくのか、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 国民健康保険についてですけれども、確かに会社員であるところの皆さんが入っていらっしゃる健康保険とは負担の度合いが異なるという点、しかも、お子さんが四人であれば、この示された表よりさらに十万円以上高くなる。少子化対策という点からいっても、子どもが多ければ多いほど、何かペナルティーを払うような仕組みはよくないのではないかということは、かねてから特別区長会で問題提起し、これはそれぞれの区長たちも、やはり国民健康保険料をどうやって確定していくか、非常に悩ましい課題なんです。それに関して皆さんの賛同を得て、国に働きかけ、これが就学前という限定つきではありますが、一歩前進したと。  次は、やはりそもそもの考え方、子どもが多ければ多いほど保険料が増えるということを抜本的に改めようということを区長会としても言っていきたいと思います。委員おっしゃる区としてこの落差を何とかできないのかということについてですけれども、区長会での取組を強めるとともに、区としても、財源の確保や、どのような仕組みが適当なのかという課題を整理していき、この課題は国民皆保険自体を現在の国保の状況は揺るがしつつあると認識していますので、今後の課題として念頭に置きたいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 財源の確保や仕組みの課題を整理していくということで、大変重要と思いますけれども、しかし、課題のみならず、多子世帯については具体的に検討した経緯もあるので、ぜひこの対象年齢拡充についても検討まで進めていただきたいと思いますが、区長、御答弁をお願いします。 ◎保坂 区長 かつての議論がありました。区として何ができるのかを検討いたしました。そのあたりももう一度振り返りながら、現状の課題について何ができるのかを整理したいと思います。 ◆江口じゅん子 委員 ぜひ検討を進めてください。  子ども・子育て施策の二点目の提案は、不登校児対策、発達障害児などの対策です。  つながるプラン案などでは、誰一人取り残さない社会の構築、また、コミュニティー、居場所、プラットフォーム、これを区政運営の土台にすると明記されています。この方向性をぜひ不登校児や発達障害児などの支援についても貫いていただきたい。本日は予算編成権を持つ区長にその認識を伺います。  不登校児、生徒、大変増加しています。そして、教室には入れず保健室登校など、その予備軍とも言うべき子どもたちはさらに多い状況になっています。区の調査でも、不登校児の半数以上が長期欠席、また、支援につながらない、自宅で長期間過ごす子どもたちの問題が指摘されています。  また、すまいるルーム利用者は多くなっていますが、ハード面も、そして質の部分もまだまだ不十分です。教員や支援員、サポーターの質の向上は喫緊の課題です。この間、区長は、学びの質の転換を掲げ、教育委員会とともに、総合教育会議、教育推進会議において連携協働を進めてきました。ぜひ、誰一人取り残さない、個に応じた寄り添う教育支援の実現のため、区長として積極的に取り組んでいただきたい。見解を伺います。 ◎保坂 区長 不登校のお子さんが大変増えて悩んでいらっしゃる。区としては、ほっとスクール拡充、不登校特例校、そして特別支援教育のさらなる充実、これは教育総合センターが立ち上がりましたので、大いに区長部局と連携するバックアップ機能として生かして、世田谷区の資源、施設、人材をトータルに投入しながら、誰一人取り残さない教育の実現を教育委員会とともに実現してまいります。 ◆江口じゅん子 委員 しっかり進めてください。  以上で日本共産党の質疑を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十一分休憩    ──────────────────     午後四時四十五分開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆高岡じゅん子 委員 今日は世界女性デーです。生活者ネットワークは、たくさんの方と手を取り合って、ジェンダー主流化をこれからも進めていきたいと考えております。ウクライナの戦況はさらに悪化しています。女性の戦争被害に思いをいたしながら、一日も早い平和を祈りたいと思っております。  それでは、総括質疑を始めます。  世田谷区の財政状況は、令和三年度末にも基金を積み増しするなど、むしろ好転しているように見えますが、このこと自体喜ばしいことではあるんですが、二年間続いたこのコロナ禍での区民の息苦しい生活実感に比べると、大変違和感があります。区財政のこの状況の要因をどのように分析しているのか、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 高岡委員お話しのように、特別区税、特別区交付金ともに、長引くコロナ禍での経済活動の大きなマイナスが、二年前には二〇〇八年のリーマンショックのときを上回るだろうというふうに厳しく見てきたところであります。したがって、大幅減収を予測した事業の見直し等を行ってきました。令和三年度の第八次補正予算及び令和四年度の当初予算においては、基金繰入れ及び起債の抑制と基金への積立てを行い、今後の行政需要に備えるための対応を図ったところです。  非常に深刻な予想と実際の結果が、いわゆる税収の上振れのようなことが起こったという理由なんですが、新型コロナの影響を受けた、直撃をされた飲食関係、観光、サービス業などが極めて厳しい状況に追いやられた一方で、業種によっては特段の影響を受けていなかったり、逆に巣籠もり需要などの業績向上という業界もあったということが、トータルで法人税収の上振れなどに表れたものと思います。  しかしながら、ウクライナ侵攻があり、ロシア、ウクライナと食糧大国でもあります。エネルギー大国でもあります。そういったところのいわば経済制裁の影響、戦争の影響も、どこまで広がるか分からない状況になっております。もう既に物価のインフレ化という懸念もございます。そういうことなので、この状況は一時的なものというふうに見て、持続可能な財政運営をしていきたいと思っております。 ◆高岡じゅん子 委員 そうですね。主たる財源である区民税とか特別区交付金が予想以上に堅調であるということは本当にいいことなんですが、これは必ずしも区民の誰もが豊かになっているということを示すのではありません。コロナ禍の二年によって階層の分離が進んでいます。  最近の二年間、ぷらっとホーム世田谷の利用が今までにないような増え方をしました。新たな支援を必要としている層がSOSを発しているということを示しています。先ほど区長もおっしゃったように、ウクライナ情勢によって物価の急上昇、そして悪性インフレというものも足音が聞こえてきていると言われています。  このような状況下で今回の予算は、地域社会から福祉を向上させる予算と銘打ったものになっています。経済社会の動向を見据えて、来年度何に重点的な施策を展開し、将来につなげていこうとされているのか、区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 先ほど申し上げたように、今後の先行きが非常に不透明であると。同時に、その影響がまず一番早く出てくるのが、非正規の形態で働いている皆さんであると。先日、男女共同参画に関わるシンポジウムがありまして、女性支援、今日は国際女性デーでありますけれども、その議論をいたしました。湯浅誠さんの貴重なお話の中では、まず女性であることで男性に対して八割の収入、そしてまた非正規であることで六割と、これだけの格差がついてきてしまう。そして、シングルマザーであることで生活が困窮するという率が、世界の中でも日本は非常に悪いところを走っていると、非常によくない事例として長いこと改善されていないというお話を受けました。  こうした状況の中で福祉の土台をしっかり再建をしていく課題があると思います。人と人がつながるコミュニティーや居場所、プラットホームなど、持続可能な区政運営の土台の中で、今ある支援機関、ぷらっとホーム世田谷もその一つですけれども、しっかりと機能ができるように、区として必要な支援を行いながら、行政の目配りの中で、これから起こる可能性がある生活困難な物価高、あるいは失業、そういった問題に対して総力を挙げて、これは区の持てる力を全て区民の生活の土台を支えるということの決意で取り組んでまいりたいと思います。 ◆高岡じゅん子 委員 そうですね。本当に、さらに孤立の問題、単身世帯の増加、そして誰にもSOSを自分から出してくれない、こういった区民がやはりあります。こういった方が支援から見落とされるという可能性を深刻に捉えて、来年度の区政運営を進めていただきたいと思います。  コミュニティーの再生ということに触れられましたが、やはり新型コロナに翻弄された二年間を乗り越えていくための、これも最重要課題の一つだと考えております。新型コロナ感染症の蔓延はまだ出口が見えません。令和四年度も新型コロナの対策というのは区政の重要な柱になると考えています。  私たち生活者ネットワークは、一貫して、重症化しやすく死亡につながりやすい高齢者を中心に、クラスターが起きやすい施設や福祉、医療などのエッセンシャルワークの現場に重点を絞った感染症対策ということを求めてまいりました。区の検査体制整備の取組を評価しております。  先日の抗原定性検査キットの配布に関しましても、感染の大爆発の状況下で検査キットの数の確保とか配布の方法がうまくいかなかった部分など、反省していただく部分はいろいろありますけれども、やはり不安になっている区民に対して検査の手段を提供し、安心につなげるという方向性が間違っていたとは私たちは思っていません。感染の波に対して有効なタイミングで検査による拡大防止という観点からは、これは時期を逸してやったのでは、やる意味のない政策になってしまいます。もちろん議会と議論をし、補正予算をきちんと組み、承認を得て予算執行するということが私たちも原則だと思っておりますが、臨機応変の対応の充実を図ることも、こういった場合には必要ではないかと思っております。  今後、新型コロナ対策、どうなっていくか分かりませんけれども、重症化防止と命を守るということを最優先に、今後も専決処分と補正予算を適切に使い分けて、機動的な対策を取っていただきたいと考えます。区長の見解を伺います。 ◎保坂 区長 WHOがパンデミックを宣言してから既に二年が経過をしますが、この間、保健所の防疫体制やPCR検査体制の確保や、自宅で療養される方の支援のほか、リスクの高い高齢者、特に高齢者施設を守るという取組、また、障害者の方を優先したワクチン接種や接種会場への移動支援、あるいは訪問接種など、数次にわたる補正予算を編成し、区民の命と暮らしを守る対策を迅速に講じてまいりました。また、令和三年十二月には臨時議会を招集させていただき、子育て世帯及び住民税非課税世帯への臨時特例給付について、急遽補正予算を提案し、議決をいただくなど、区議会の協力もいただきながら遅滞なく対応してきたところでございます。  また、抗原定性検査キットの配布にも触れていただきましたが、とにかくクリニックや医療機関ではもう検査どころかその診療さえなかなかままならない。検査自体も非常に滞ってしまって、結果が三、四日かかってしまうという事態が、感染の波の急激な跳ね返りで、いわゆる急増で出てまいりました。そういう事態に、いわば他会派の災害時というような捉え方が先ほど言われましたけれども、機敏な対応ということを、議会と緊密な連携をした上で取っていく必要もあるだろうというふうに思っております。  引き続き、このコロナ対策については継続をしていく来年度になるかと思います。区議会への丁寧な説明を行うとともに、基本的に審議をいただき、議決を経ることを原則としながら、専決処分については緊急時で他に方法がないなど、そういった条件―限られた条件ですが―においては、時期を逸することなく取り組んでいきたいというふうに思います。 ◆高岡じゅん子 委員 先ほど災害という言葉も出ましたけれども、新型コロナ感染症に限らず、巨大台風やいつか必ず来ると言われている首都直下型地震など、やっぱり区民の命に関わる事態はいつ起こるか分かりません。素早い対応が迫られます。情報公開と説明責任を常に意識していただきつつ、区長には、来年度も区民の命を守ることを最優先にした区政運営を求めます。  基金に関して質問いたします。  財政調整基金を景気動向に左右される特別区交付金の激減時に備え、積み増ししているということは、円滑な区政運営のため必要なことと理解します。一方、各種特定目的基金については、ただ積んでおくだけではなく、目的に合わせ、活用されることが大切です。  児童養護施設退所者等奨学基金は、基金設立後、世田谷区内だけでなく全国からも寄附が集まり、着実に基金残高を伸ばしていますが、一方、活用がいまいち進んでいないように見受けられます。さらなる活用を図る必要があると考えます。見解を伺います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 世田谷区児童養護施設退所者等奨学基金には、委員お話しいただきましたが、この間、区内、区外から多くの寄附をいただいておりますが、対象となる児童養護施設の退所者などの人数が限られていることや、ほかの就学支援制度が充実してきたことに加えまして、進学を選ぶより就職を選ぶ、こういう方もいらっしゃいます。この間、奨学金として支出できたのは対象者の一部にとどまっている現状でございます。  こうしたことから、アルバイトを前提とした就学というのをしている方が多い実態を踏まえまして、学業と生活の両立を支援するための就学継続支援費の新たな導入や、大学などの中退者の学び直しなどを視野に入れた対象者の拡大などを内容とする見直しを令和四年度から行うことといたしました。  今後、基金に寄せられた寄附については、最大限の活用を図るため、当事者、それから学識経験者などによる検討委員会でも議論を進めており、区民などの御厚志が着実に退所者などの社会的自立に生かされるよう、さらなる事業の拡充を図ってまいります。 ◆高岡じゅん子 委員 せっかく奨学金を得ても学業との両立が難しく、中退を選ぶようにならない、そういったための生活支援や、学び見直しが可能な仕組みという変更を歓迎いたします。私たちは本当にコロナ禍で、先ほども出ましたが、ひとり親家庭など収入激減にさらされている家庭でも、この支援金を使うことができないかというふうに提案しようと思ったんですが、やはりこの基金への寄附というのは児童養護施設退所者等という、そういう支援目的に充てられているため、この基金を使ってあまり広く中退防止などに使うことは難しいということで、本当に残念だと感じています。  寄附による基金のファンディングというのは、この基金のように、やはり対象と使途を明確にしたほうが多くの方の共感を呼び、集まってくるわけなんですが、逆にそういうふうに明確にしたことによって、新たな使途の拡大が難しくなるという非常に微妙なものがあると感じました。また、寄附だけに頼る基金では、できることに限りがあるというふうにも感じています。  来年度は、気候危機対策基金を立ち上げます。新たな基金を活用していくためには、活用しやすい財源の確保も重要です。今後の基金の財源確保について、区の見解を伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 今般創設しました気候危機対策基金ですけれども、二〇三〇年度までの二酸化炭素排出削減目標の達成に向けて、気候危機対策の施策を継続的かつ着実に推進するために設置した基金でございます。基金の財源を中期的に確保していくことが不可欠でございますので、原資としましては、特別区競馬組合分配金ですとか、森林環境譲与税の一部を活用して財源を確保し、併せて今後寄附を呼びかけるというものでございます。  ふるさと納税の減収の影響ですとか、新型コロナ感染症の影響の長期化、また、国際情勢などから、区の財政は今後も予断を許さない状況が続くことが見込まれてございます。中期的な財政見通しに基づいて計画的に基金積立てを行う一方、基金を活用する施策を区民、事業者に関心を喚起する具体的な事業を組み立てた上で寄附募集につなげる、こうした取組を行いながら基金財源の確保に向けて関係所管とも取り組んでまいりたいと思います。 ◆高岡じゅん子 委員 気候危機対策基金という新しい基金を活用していくには、やはり多様な手段での原資の確保が必要だということが分かりました。子育て支援に活用されている子ども基金のように、寄附の募集と並行して活用する企画の応募も受け付けるような、そういう形で基金の使い方をできるのではないか。気候危機対策では、本当に様々なアイデアを区民が持っていると思います。寄附の募集をこれからすると思いますけれども、同時に使い方のアイデアの募集なども区民から広く募っていく、そんな感じのオープンな基金にすることを要望いたします。  続いて、公共サービスの質の確保や向上についての質問をいたします。  サービスの質を守っていくためには、数字などの形で目に見えないこの質というものを比較可能な形にし、サービスの質の向上に取り組む必要があります。現在の基本計画の前期で外部評価委員の方をお願いしまして、区民目線での公共サービスの質の評価や見える化に取り組んだというふうに聞いております。その中で、施設のプロセスを適切に評価することを基本とするというような外部評価委員の提言を受けまして、アウトカムを意識した事業の展開、進行管理、そういったことが提言されています。  このアウトカムという言葉なんですが、とても分かりにくいです。これの言っていることは、結局は、全ての職員が一つ一つの業務、作業をするときに、このサービスを受ける区民にこのことはどういうふうに役に立つのかということを明確に意識して仕事をする、そのことが大切だということが、この質の確保、この外部評価委員会の提言の中にあったというふうに感じています。本当に職員の方が公共サービスの質というものを皆さん意識していただいて、日夜取り組んでいただきたいと思っております。  今、公共サービスの担い手というのは区職員だけではなくなっています。介護や介助、それから保育などの福祉の現場を中心に、専門性を持った民間事業者にサービスの現場を任せていく時代の流れがあります。現場は民間事業者に任せたとしても、そのサービスの質の確保は公の役目ではないでしょうか。公的サービスの質の確保に世田谷区はどのように関わっているのか、伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 御指摘いただきました外部評価委員会の提言、それから新公会計制度の導入等を踏まえまして、実績管理に重点を置いた評価から、いわゆる成果、コストを重視した評価の在り方に転換したのが平成三十年度決算より導入しているという状況です。この行政評価制度ですけれども、事業成果を定量的な成果指標により毎年度把握することで、アウトカム、成果の部分をより意識した事業展開、進行管理を行って、客観的な検証を踏まえました改善等を行うことで、成果の達成状況の公表により区民への説明責任を果たすという役割を担っている部分もあると認識しています。  また、事業のフルコストですとか、個々の取組ごとの費用の見える化によりまして、費用対効果について各所管部が一層重視するように取り組んで、より効果的、効率的な事業の在り方を追求する意識、これは全庁的に定着した部分もあると思います。引き続き行政評価のプロセス、いわゆるPDCAサイクルを効果的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 それでは、区が公的サービスの質の担保にどのように関わっていくかということについて、もう一言手短に御表明ください。 ◎加賀谷 政策経営部長 区では、民間企業等のノウハウ、資源の活用によりまして、サービスの向上、業務の効率化ですとか、コスト縮減が図られる場合などでは、行政の責任を明確にした上で質の確保に十分留意しながら、民間活用の導入を進めているということでございます。その中で、サービスの質の確保について、例えば指定管理者制度においては、運用ガイドラインを示しまして、制度導入の可否判断ですとか、毎年度の運営状況について区が評価を行って、質の確保に努めています。また、保育サービスにおきましては、保育の質ガイドラインによって、行政、事業者の責任と役割を定め、関係法令等に基づいた保育所等の指導検査も併せて実施ということで、同じように質の確保に努めているということでございます。  今後も、それぞれのサービスの性質ですとか内容を踏まえまして、適切な指針等の下、適正な指導監督を通じてサービスの実施主体である行政の公的責任を果たしてまいりたいと考えております。 ◆高岡じゅん子 委員 あくまでも公的サービスである以上、実施主体である区の責任においてサービスの質の担保を図っていくということを確認させていただきました。  世田谷区は、区民参加と協働というものを、区政を進めるに当たって大切な視点としていると思います。公的なサービスの質に対して、受け手側の市民の声を取り入れることで質の担保をより確かなものにするため、福祉の分野で第三者評価という制度を活用していると思います。現状を確認いたします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 第三者評価は、外部の評価機関が福祉サービスを専門的かつ客観的な立場から評価し、その内容を公表することで、利用者にとっては、自分に合った福祉サービスを選択するための情報を収集でき、事業者にとりましては評価に基づきサービスの見直しに取り組むなど、質の向上を図ることができます。また、情報を広く開示することで、運営の透明性を図り、利用者からの信頼性の獲得につながることが期待されることから、区では、都の補助金を活用し、施設ごとに六十万円を上限に、審査費用を補助することで事業者に受審を勧奨し、受審を通じた質の向上に取り組んでおります。 ◆高岡じゅん子 委員 第三者評価、特に保育部門に関して少し詳しくやり取りしようと思っておりましたが、ちょっと時間が足りなくなってまいりましたので、この第三者評価を保育においてどのようにサービスの質の向上のために取り入れているかという、そのことについてだけお答えいただければと思います。 ◎和田 保育部長 第三者評価の評価結果につきましては、とうきょう福祉ナビゲーション、いわゆる福ナビにおいて広く公表され、保護者が園を選択する際の参考資料となっているほか、事業者にとっても運営内容を見直すよい機会と捉えており、昨今、感染予防対策のため、園の中に入ることが制限されていることも多い中、第三者評価の重要性は増していると考えております。  また、第三者評価では、利用者へのアンケート結果を評価に反映しており、利用者である保護者も保育園をどのような視点で評価すべきか、アンケートに回答することによって気づく機会にもなっております。さらに、評価結果は関係各課で共有しており、気になる記述があった場合は巡回支援や指導検査の際に確認しております。 ◆高岡じゅん子 委員 このように保育の場面では第三者評価を活用していただいています。今、障害者福祉のほうでも、やはり厚生労働省のほうで第三者評価を積極的に使っていくというような中間の整理が出ております。ぜひ、第三者評価を活用していただいて、そして福祉サービスの質の向上に今後も取り組んでいただくことを要望し、生活者ネットワークの質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 今回、区から提案されました地域行政推進条例(素案)に反対いたします。この素案は、単なるまちづくりセンターの強化充実の案でしかなく、区政全体がどのように変わるか示されていないからです。区は、さきの議会において、総合支所、本庁の役割の根本的な見直しについての質問に対し、具体的な仕組みや体制について、条例、推進計画に反映させていくと答弁されました。  であるのに、その後に行われた特別委員会において、以前とほとんど変わらない案を提出してくるというのは一体全体どういうことですか。区は思考停止状態に陥っているとしか思えません。さきの定例会において、区全体の司令塔はいるのかという質問に対し、区政の流れをつくる区全体の事務方の司令塔は中村副区長であるとの表明がなされました。責任者が明確になるのはよいことです。では、この地域行政の改革が思考停止状態に陥っていることを司令塔である副区長はいかに考えているのですか。  区民に時間を返す、ワンストップサービスの実現、地域行政制度の推進、DX改革は密接なつながりがあり、一体的に取り組むものであり、その進行管理はまさに司令塔の役割です。それが今、全くのばらばら状態です。ばらばらであっても、少しでも動いていればよい。実態は全く動いていない状況としか言えません。どのように進めていくのですか。司令塔とは、組織全体の指揮を執る人であるはずです。さらに、司令塔が司令塔たるゆえんは、責任を取るということです。どのようにその指揮を執り、責任を取るのか伺います。 ◎中村 副区長 お話しの区民に時間を返す改革とその一環でありますワンストップサービスについては、地域行政とDXとを一体的に進めてまいります。引き続き、私は事務方の司令塔として、岩本副区長と連携を密にして、職員一人一人の意識改革と区民の視点を踏まえた現場の主体的な改善提案を促し、区政によい流れをつくり出して、全庁が一丸となってこのDXの成果を、地域行政の仕組みを通じて、区民に還元できるようにベストを尽くしてまいります。 ◆小泉たま子 委員 密に連携しようがしまいが、内部の問題です。区民生活に関係ないんです。地域行政改革の進捗が遅れているのは、一体誰の責任なのかということです。地域行政の改革そのものが全庁的な課題となっていないこと、窓口で区民の方々をお待たせしても何とも思わない。窓口の混雑、慢性の待ち時間は世田谷の風物詩のように見えている。これは一体誰の責任かということです。非常に問題です。区政が劣化していると思います。とんでもないことです。責任者の問題で、連携の問題ではありません。  次の質問に移ります。区政を実際に支えているのは、政治家である区長でもなく、区長が選んだ副区長でもなく、区の一般職員の皆さんではないですか。基礎的な自治体が国、都と違うところは、実際の現場を持っていることです。現場は、皆さん、幹部職員の下にあるのです。区長、副区長の下にあるのではありません。区政が停滞していると言えば、それは皆さん方、区の幹部職員の問題でもあるはずです。職員の模範となるような幹部職員の奮起を求めますが、他に属さない課題は総務部の所管ということで、総務部長、このことについて何かお考えがあれば伺います。 ◎池田 総務部長 幹部職員は、各実務分野の責任者であり、職員を牽引し、区民の方々に貢献できる組織づくりや施策展開に全力で取り組まなければならないものと認識しております。区民のためになる仕事をしたいという区役所に入庁した際の思いや、管理職として区政運営の一翼を担う決意をした際の思いを改めて思い起こし、管理職一同、職員の模範となることができるよう、職務に精励してまいります。 ◆小泉たま子 委員 つるみ委員に替わります。 ◆つるみけんご 委員 引き続き伺ってまいります。  まず、区長招集挨拶と実務について伺います。  本定例会の招集挨拶において、区長は、科学的知見と広い視野が必要不可欠であり、計画的、系統的な区政運営を進めることの重要性等を念頭に、具体的な区政運営を行っていくと言われました。一方、この御発言について、さきの議会での部長の御答弁では、科学的知見、広い視野、計画性、系統性などの事柄は、基本計画策定と審議会での審議の際の基本的考え方であるとお答えになられました。  普通に考えますと、区長が招集挨拶で具体的な区政運営に科学的知見等を適用していくと言われた以上、全ての施策、事業にもこの考え方が適用されるものと考えられるはずですが、一方、実務では、この科学的知見等は、基本計画策定や審議会の審議だけに活用されるということですと、何か根本的なところで招集挨拶と実務で食い違っているように思われます。どのように理解をすればよいのか、区のお考えをお聞かせください。
    ◎加賀谷 政策経営部長 社会がますます複雑多様化する中で区政課題に的確に対応するには、その課題解決のための政策を導き出すための根拠として、分野に限らず、科学的、専門的な知見を必要に応じて取り入れながら組立てを行うものと考えております。あわせまして、特にサービスの質の向上ですとか予防的取組など、区民の声や議会での議論、区政における過去の経験の積上げからくる知見等を基に、得られる効果なども推察をし、政策判断を行う場合もございます。  いずれにしても、区は、科学的、専門的知見、得られる効果の想定など、様々な側面からの根拠を基にして、論理的、総合的に政策判断を行うものと考えております。 ◆つるみけんご 委員 ちょっと今の御答弁では分からないところがありますが、また改めて別の機会に伺ってまいります。  次に、今後の区政運営における参加と協働を支える姿勢について伺います。  一月に行われた検査キットの配布事業では、その手法や政策決定過程などに区民の皆様、議会から多くの疑問の声が上がりました。この経験を今後の区政運営全般に生かすためにも、区のお考えと、そこに至る過程を分かりやすく説明し、区民、議会と共有することが大切であると考えます。より多くの方が納得できる施策、事業を展開し、区民の皆様の協力を得るには、今後、あらゆる政策判断において、その判断の基礎となる知見や判断の根拠について見える化、透明化を図られるべきと考えます。お考えを伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 政策判断の根拠の見える化、透明化を図るには、根拠を明文化するとともに、政策決定を行いました会議体での議論に関する議事録を公開することが重要だと考えております。区が作成する資料におきまして、決定事項を分かりやすく伝えることを重視した結果、検討経緯、事業実施に至った経緯や判断根拠なども含めて、説明が必ずしも十分でなかったものもございます。そのため、例えば議会報告資料におきまして、政策判断の根拠等の記載を徹底するなど、見える化、透明化について取り組んでまいりたいと思っております。 ◆つるみけんご 委員 具体的手法等については、また企画総務領域の質疑で伺いたいと思っております。  次に、長年解決されない窓口混雑問題について伺います。  窓口混雑問題は、我が会派の小泉委員が先月の一般質問でも、先ほども取り上げましたが、これまで何度も問題提起しており、平成二十八年の第二回定例会では、保坂区長自ら、長時間お待たせした結果になってしまったことは大変申し訳ない、心苦しい限りである、何とか改善したいと言われております。しかし、現在まで、窓口混雑の問題は、根本的な解決に至らないばかりか、区民の皆様の待ち時間が改善しているようにも見て取れません。具体的に各総合支所における混雑時期の待ち時間はどの程度であるのか、区の御認識をお聞かせください。 ◎舟波 地域行政部長 令和三年の状況でございますけれども、三月下旬の最も混雑する時期の特に月曜日、もしくは金曜日になりますけれども、総合支所や来客者の多い出張所あるいはくみん窓口では、届出の受け付けから処理終了まで最長で二時間程度、住民票の写しなどの証明書の申請のみの場合につきましては最長四十分程度の待ち時間が発生をしております。 ◆つるみけんご 委員 区長は、こうした中で、昨年六月、区民に時間を返す改革の実現を表明されたわけですが、この区民に時間を返す改革の観点から考えたときに、今年の三月、四月の窓口は、結果として区民の皆様にどれだけの時間をお返しできるのか、その想定を伺います。また、あわせて、区の様々な混雑緩和策によって、どれくらいの政策効果を見込んでおられるのか、具体的な目標数値も併せてお聞かせください。 ◎舟波 地域行政部長 窓口の混雑期の対策といたしまして、まちづくりセンターでの住民票の写しなどの証明書の取次発行ですとか、あるいは戸籍証明も新たに加えたコンビニでの証明書の交付、また、郵送による証明書の請求などについて、「区のおしらせ」、ホームページ、SNS、広報板などによりまして周知を図るほか、今年はデジタルサイネージによるお知らせも強化するとともに、ホームページに掲載の申請書の利用促進にも向けまして、様々な広報媒体を利用して、区民周知に取り組んでまいります。  また、来庁された方の密回避対策といたしましては、例えば窓口以外の場所に待合所を設置したり、区からの処理完了の御連絡までの間、窓口を離れていただくというようなことも可能とする対応など、各窓口の実情に即した混雑緩和対策を講じてまいります。  手続の所要時間の短縮につきましては、令和二年と比べまして、令和三年の混雑期における窓口での証明書の交付数が、一日当たりでございますけれども、平均して一割弱でございますが減少しておりますので、令和四年度においても窓口交付数の削減による手続に要する時間の短縮に努めてまいります。 ◆つるみけんご 委員 今の御答弁を聞いておりまして、区民の皆様を長時間お待たせしているということについて、何とか改善しようという御意思が見受けられないことは、一区民としても不思議でなりません。区長のおっしゃる区民に時間を返す改革と実際の実務、事務方の皆さんの御認識にはかなりずれがあるように思います。  次に、一般質問で伺いました区のセーフティーネットに対する基本的お考えについて、今回は違う観点で伺ってまいります。  その際の御答弁では、セーフティーネットについて、区の役割としては、区民生活や地域の実態に照らし、国や都の制度で必ずしも十分にカバーできない部分等について支援などを行うことで、地域で安心して暮らせるようにするものとのことでした。私はこの区の姿勢に疑問を持っております。区の役割は、国や都の制度のはざまを埋めることではありません。区民の日常生活における生命と財産に一義的に責任を持つのは、国や都ではなく、自治体である世田谷区であるはずです。  区長は、これまでコロナ対策をはじめ様々な政策、施策において、九十二万区民の生活を守るリーダーとして、むしろ国や都をリードしようと取り組んでこられたのだと思います。それが、区民の生命と財産を守る最も重要なセーフティーネットについて、こうした補完的、消極的な姿勢でよいのでしょうか。区民の皆様に安心していただく、そのことが区の責務であると考えます。これからの世田谷のセーフティーネット全体の在り方について、区長のお考えをお聞かせください。 ◎保坂 区長 委員おっしゃるように、区民生活や地域の実態を一番よく捉えているのは、基礎自治体である世田谷区でございます。区は最も身近な政府、公共団体として、区民が地域で安心して暮らせるよう、セーフティーネットを構築する必要があります。区の問題提起によって、国や都の政策の隙間が実は埋まることがございます。一例を挙げれば産後ケアセンター、長年世田谷区のみで単独事業という形を取ってきましたが、長年の努力によって、母子保健法改正という法内事業に持ち上げた経過もございます。  一方で、生活保護や生活困窮者支援などについては、国の責任と財源で、もちろんその実際の執行については区が責任を負いますけれども、財源についてはしっかり国が責任を持つべきだろうというふうに思っております。生活に困難を抱える区民一人一人の状況に応じて、生活面、経済面からの相談や就労支援、住居確保、生活の自立を支える事業など、これは区の大変重要な役割として、国の財源を無駄なくしっかり使いながら実行していきたいと思っております。  セーフティーネットについて、国や都にそれぞれの役割があります。区として、区民に身近なところで不断の検証を行い、つまり、隙間を埋めるだけ区がやればいいということではありません。つまり、隙間があったときに、そこに痛みや空白があるわけで、そこは恒久的、普遍的な制度として、そういうものがないように不断の努力、検証を行い、提言を実行してまいりたいと思います。 ◆つるみけんご 委員 最後に、時間がない中で大変恐縮なんですけれども、先ほどの窓口の混雑問題について、区長のお考えと、その理念が庁内に浸透していないのではないかというように思うんですけれども、このことについて、三十秒ぐらいありますので、お答えいただけますでしょうか。 ◎保坂 区長 区民に時間を返す中には、当然そういう窓口で長時間お待たせしないということも入ります。一つの具体策として所管に指示していますのは、まちづくりセンターにおいて申請ができ、この利用率、周知率はまだ低いんです。これを徹底して知らせて、少しでも分散をして、事業改革の中で窓口をどうするかということにつながりますので、そこを……。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいります。  まず、ウクライナ問題、何とか早く収束をしていただきたいと思いますが、戦争は憎むべきものでありますので、ぜひ早く収束していただきたい。議会も決議を検討しているようでありますけれども、具体的に世田谷区として何ができるのかといったときに、ほかの東京都の自治体でも、ウクライナの大使館に募金を届けようなんていう運動をしている自治体があるというふうに聞いております。ぜひ、世田谷区でもそういう取組をしていただきたいと思うんです。実は私、ウクライナに友人がいて、キエフとヤルタ、あとセバストーポリと案内をしていただいて、伺ったことがあります。今、戦火の中での状況を見て、本当にやるせない気持ちでおります。何か手助けができないかなというふうに思いますので、区としても募金を募って大使館に届けるとかいうことをぜひしていただきたいと思います。区長、どうですか。 ◎保坂 区長 先ほど他会派から、例えばウクライナを逃れて、戦火を逃れて避難されている方の受入れ等についてもお話がございます。現在、両副区長をはじめとして、世田谷区としてこの事態に何ができるのかということを、検討を始めているところです。そこにはもちろん募金の問題も含めて早く結論を出していきたいと思います。世田谷区も、そう多くはありませんが、ウクライナの方が在住されています。そういう皆さんのお声もぜひ聞いて、一日も早い平和解決のための、そしてまた人道支援、これを行っていきたいというふうに考えております。 ◆あべ力也 委員 ぜひ早急に検討していただきたいと、要望しておきたいと思います。  次に、池尻中学校跡地のものづくり学校の問題でありますけれども、私が記憶している範囲では、熊本区政で改修をして、その当時、この事業に関しては賃借料が大変安いということで、いろいろ問題があって、私もいろいろ発言をした記憶がございます。現状では、年間賃料が一千三百二十五万二千八百円ということのようですけれども、当時、事業者はイデーアールという事業者だったと思いますけれども、あの当時の賃料はもっと安かったと思うんですよね。幾らぐらいでしたか。ちょっとお答えいただければと思います。 ◎田中 経済産業部長 今はものづくり学校ですけれども、平成十六年から二十一年までの間と、それから二十一年から二十六年までの間、こちらが税込みで月額八十三万四千円、年額で一千万八千円です。御案内のとおり、イデーアールプロジェクト株式会社という社名でやっていましたが、その後、アールプロジェクト株式会社、さらにその後、平成十八年十月から現在の株式会社ものづくり学校の名称で契約をしています。 ◆あべ力也 委員 今日、自民党の会派がこの問題について御質問されていましたけれども、これは熊本区政で区議会の自民党が、私は推進をしたというふうな認識でおりまして、今の段階で大変これは失敗の事業で、問題があって、何とか採算の合う事業にというふうに、皆さん何かそういう状況だということに自民党の方々が気づいたというのは大変いいことだなと私は思っていまして。ただ、地域の方からは、これは自民党がマンションか何かを造って、校庭もなくなっちゃうんだと。新しい事業の中でも校庭は何か分離してやるので、校庭が小学校で使えなくなっちゃうんで何とかしてほしいという陳情が私の元にもございました。  それで、よくよく調べると、新しい事業の中で、その校庭を新たな使い方、区分をしてやるということのようであります。ぜひ、今まで使っていた使い勝手とか、利用頻度とかを実現するためには―何かちょっと聞いたところによると、チャレンジショップとかテストマーケティングとかというのを校庭でやるので、その分の敷地がちょっと制限されるんですということのようです。現状、天然芝で天候にも左右されるということなものですから、ぜひ人工芝とか、あらゆることを考えて、今地域で利用されている方々が利用できなくなっちゃうというようなことはぜひないように、区として検討していただきたいと。これは地域の方もそう要望しておりますので、区長、ぜひ地域の要望等も取り入れて、ぜひ校庭を地域の方が使えるように継続していただきたいと思うんですが、この点についてお考えを伺いたいんです。 ◎保坂 区長 旧池尻中学校の跡地活用について、新たな産業活性化拠点として、校庭、校舎一体的な活用ということで、多くの事業者、区民が利用できる場にしていきたいと考えています。委員お話しのように、休日、放課後にグラウンドを利用している地元関係者などから、校庭活用に関する御意見や御要望もいただいております。もちろん引き続き御意見をお聞きしながら、整備面での工夫や、その事業者が利用していない時間帯などで柔軟な活用ができるよう、所管部で検討しているところです。  耐震補強工事につきましては、安心安全の観点からできるだけ早く工事は実施したいと考えていますが、この募集時期を再考いたしますので、その工事時期についても併せて考えていきたいと思っております。 ◆あべ力也 委員 熊本区政は、私が考えるに、区政に対する感想ですけれども、本質は利益誘導型の自民党政治の典型のような区政だったなというふうに僕は感想を持っておりますが、その中でも負の遺産が保坂区政の中でも継続しているものが二つあって、その一つがものづくり学校、あともう一つが安全パトロールということ。これがやっぱり区民の皆さんにとって、しっかり実になるように、見直しも含めて、ぜひ検討していただきたいと思うわけです。  それと、次に外環道ですけれども、これは地裁で差止めがされるということで、地域住民の方も、今後について大変不安があるということですけれども、今後の見通しがつかない中で、区としては不安解消に向けてどういう説明をしていくのか。区長のお考えを伺っておきたいと思います。 ◎保坂 区長 先ほど他会派に答弁したとおり、今、大変深刻な状況にあります。東名ジャンクション周辺の方々には、長きにわたり工事が続くということで御不便をおかけしております。安全が何より優先だと思います。このような大深度地下の工事についての安全を……。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 昨年末の四定、先月の一定と、私の一般質問の候補に据え、所管とも話合いをしましたが、他の質問候補が多過ぎて質問を見送ってきたテーマ、シルバー人材センターによる労働ダンピングについて伺います。  区の施設で働くにもかかわらず、その時間当たり単価が最低賃金を下回る労働者の方がいます。区の外郭団体、シルバー人材センターの下、請負という形態で働く高齢者です。せんだって、区のシルバー人材センターから事業種別の配分金一覧をいただきました。そこには配分金額が次のように書かれています。公共駐輪場管理、一時間千円、区公園施設管理業務、一時間千二十円、請負ならば請負人が仕事を完成させるごと、その結果、成果物に対して報酬を払うので、時間単価など書かないはずなんですが、なぜか時間単価です。  この請負形態で働く方々の配分金額について、厚生労働省のシルバー人材センターの適正就業ガイドラインは次のように書いています。会員が請け負い、委任の業務に従事する場合、最低賃金法は適用されませんが、配分金の総額を標準的な作業時間で除した額は、原則として最低賃金を下回らない水準を勘案したものとする必要があります。重要部分を繰り返します。最低賃金を下回らない水準を勘案したものにする必要があります。  ところが、区立の駐輪場五十四か所で働く高齢者の時間単価は千円です。同じく区立公園の施設管理業務に就く高齢者の時間単価も千二十円です。ちなみに、東京都の最低賃金が時間千円を超えたのは二〇一九年の十月で、現在の単価は千四十一円になります。つまり、シルバー人材センターの時間単価は、国ガイドラインに複数年にわたって反してきたことは明らかです。  この点を指摘しますと、区は早速昨年末、二つの文書を発出します。私がこの問題の議会質問を見送っている間にです。一つは、シルバー人材センターに対して、もう一つは庁内の各所属長に対してです。  まず伺いますが、これらは私からの議会質問をされる前に火消しを図ったものでしょうか。いかがでしょうか。 ◎田中 経済産業部長 火消という意図ではなく、御指摘いただいた時期が予算見積りの時期と重なっていたことから、改めて早期の対応が必要と考え、発出したものです。 ◆上川あや 委員 不当な単価を改めること自体はよいことだと思います。しかし、議員に言われるまで何年も気がつかなかった管理責任は、発注元である区にも、シルバー人材センターにもあるのではないですか。いかがですか。 ◎田中 経済産業部長 会員とシルバー人材センターとは、請負または委任による契約をしており、最低賃金法が適用されませんが、御指摘のガイドラインは遵守されるべきものと考えております。経済産業部としては、その認識を持っております。今後は、予算要求の時期に合わせ、継続的な通知により注意喚起をしてまいります。 ◆上川あや 委員 私が問いましたのは、区とシルバー人材センターの管理責任です。はぐらかさずにお答えください。 ◎田中 経済産業部長 先ほど御答弁したとおり、ガイドラインというのは守られるべきものと考えており、そのことについては担当所管として管理が行き届かなかったことは大変申し訳なく思っています。今後、関係法令のみならず、ガイドラインについても遵守するよう改めて働きかけてまいります。 ◆上川あや 委員 次に、さきに挙げた二つの事業、区立の駐輪場と区立公園の管理で、現に最低賃金以下で働く方々は何人いらっしゃるのでしょうか。その実人数を伺います。 ◎田中 経済産業部長 一か月単位の集計になりますが、自転車駐輪場はおおむね二百九十人、公園はおおむね八十人となっております。 ◆上川あや 委員 国ガイドラインは、シルバー人材センターで提供できる業務で、請負、委任とできるのは臨時的かつ短期的、または軽易な業務であるとして、二つの判断基準を示しています。一つ目に、おおむね月十日程度以内で完結する業務であること、二つ目に、おおむね週二十時間を超えない軽易な作業であることです。そこでは、わざわざ認められない例として、恒常的に上限(十日間)を超えて就業する場合などと明記がありますが、区はまさに恒常的な駐輪場管理をシルバー人材センターでの請負に任せてまいりました。そこでの継続的、反復的な労働が臨時的、短期的と言えるのか甚だ疑問です。  では、今挙げた国ガイドラインの二つの基準を超えて、区の施設で働く方はいないと断言できるのでしょうか、伺います。 ◎田中 経済産業部長 厚生労働省のガイドラインでは、軽易な作業についてはおおむね週二十時間を超えないことが目安とされておりますが、シルバー人材センターに確認したところ、週二十時間を超えている会員が十数名程度いることが確認されました。また、ガイドラインでは、会員の就業は現役世代の労働者などが一人で行う業務を複数の会員が時間や日にちで分担して行う方法、ローテーション就業が基本とあります。上限を超える就業の是正についてシルバー人材センターに働きかけてまいります。 ◆上川あや 委員 今回の件は、区の公契約条例の趣旨に照らしても、私は問題があると思っています。さきに述べた区が発出した二つの文書によって、区がシルバー人材センターに発注するどの事業も、都の最低賃金を踏まえ、来年度以降値上げすることで調整中だとは伺っております。しかし、最低賃金さえ上回ればよいとするのもおかしいと考えるんです。  区は、公契約条例で労働者に適正な賃金が払われるよう、今年度は千百三十円の労働報酬下限額を定めます。区との契約先で働く労働者に対しても、区はこのようなポスターまで既に作成、配付し、掲示をさせています。その一部を読み上げます。上です。予定価格二千万円以上の公契約に従事する労働者の最低賃金は、一時間当たり千百三十円になります。御自身の賃金が労働報酬下限額を下回っていないか御確認ください。大変親切です。  ところが、この区営駐輪場、区立公園で働く高齢者への労働単価はたったの千円です。区のシルバー人材センターによる駐輪場の管理は、利用料金制度ということで区からお金が出ませんので、上がりでやってくれということですので、二千万円未満となって、下限額を守らせる協定対象の指定管理者にならないというからくりがあります。これは改めるべきじゃないでしょうか。条例の趣旨に従って払うべきだと思いますが、いかがですか。 ◎田中 経済産業部長 区では公契約の業務の質の確保をするため、一部の契約で公契約に従事する労働者の最低賃金額を労働報酬下限額と定めていますが、シルバー人材センターの会員は、公契約条例に定める労働者に当たらないことから適用されていません。しかしながら、経済産業部としては、公契約条例の趣旨を踏まえるべきと考えております。今後は、労働報酬下限額を参考に単価を設定するよう、発注元である区の各所管とシルバー人材センターにしっかりと働きかけてまいります。 ◆上川あや 委員 それでこそ公契約条例を持つ区だと思います。しっかり改めてください。終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時四十二分休憩    ──────────────────     午後六時開議 ○菅沼つとむ 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は豪雨対策について伺います。  私は、近年頻発する豪雨による水害対策の推進について何度か要望してきました。現在、世田谷区は、土のうステーションの大幅の増設と止水板の配置、排水ポンプ車の導入、ゴムボートの配備、風速計の増設、各避難所の運用状況の発信など、着実に対策をされて前進をしており、すばらしいと思います。また、昨年の第三回定例会で特に浸水被害の大きい玉川・野毛地区の豪雨対策を求めたところ、先日の常任委員会で報告のあった世田谷区豪雨対策行動計画(改定)(案)の中に尾山台・奥沢地区とともに玉川・野毛地区が流域対策推進地区の追加として明記されました。  一方で、東京都は、世田谷区の計画の改定案が報告をされた後、二月十五日に大規模豪雨時の浸水被害を軽減するための整備方針を示す下水道浸水対策計画二〇二二(案)を公表し、現在、意見募集を行っています。その中で一時間七十五ミリ降雨に対応する下水道整備を重点的に推進する地区として、新たに世田谷区の代沢、八幡山、南烏山が選定をされました。今後、地元世田谷区と連携をして、下水道幹線や雨水貯留施設などの整備を進めるほか、AIの特性を生かした雨水を排出するためのポンプの運転支援技術や、ロボットを活用した人力作業困難箇所での清掃技術の開発、市街地への浸水を防ぐ樋門の下水道事務所などからの遠隔制御化の検討などに取り組むとしております。  私は、以前から、世田谷区の下水道のうち、分流式地域の雨水管の整備を進めていただきたい旨の質問をしておりますが、その見通しはどうか、まずお伺いいたします。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 世田谷区内の下水道の処理の地域につきましては、約六割が合流地域、また四割が分流地域となっておりまして、合流地域の合流管と分流地域の汚水管の整備につきましては、ほぼ完了している状況でございます。  分流地域の雨水管につきましては、現在約三割の整備が完了しておりまして、東京都はおおむね三十年後の整備完了を目標にして、現在整備を進めております。区は、雨水管の整備を推進するために東京都下水道局からの整備工事の一部を受託しておりまして、今年度につきましては約九百メートルの雨水管整備を実施しておりまして、また、来年度におきましても、同じく約九百メートルの整備を予定しているところでございます。引き続き、東京都と連携しまして、水害に強いまちづくりに取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 今後も継続した整備をよろしくお願いいたします。  また、今回の下水道浸水対策計画(案)に基づき、東京都と今後どのように連携をしていくのか、お伺いをいたします。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 下水道浸水対策計画二〇二二(案)につきましては、計画期間を令和四年度から令和十八年度までの十五年間としまして、浸水対策の目標整備水準を、これまでの時間当たり五十ミリ降雨対応から、時間当たり七十五ミリ降雨対応に強化することを掲げているところでございます。また、重点地区につきましては、過去の浸水被害の実績による選定に加えまして、事前防災の観点も踏まえまして、新たに七十五ミリ降雨対応の流出解析シミュレーションの結果を考慮しまして、浸水の危険性が高い地区を優先的に整備する地区として選定して、事業を推進していくものとしております。  本計画案では、これまで重点化している五十七の地区に新たに十地区を加えまして、六十七の地区を重点地区としておりまして、委員お話しのありましたとおり、世田谷区内では代沢、八幡山、南烏山の三つの地区が新たに位置づけられているところでございます。区といたしましては、現在示されている案が計画として策定された場合におきましては、盛り込まれている各施策に連携しまして、下水道事業の円滑化に協力をして、浸水対策に今後も取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 浸水対策は一歩ずつ前に進めることが大切で、継続した取組が必要と考えております。引き続きよろしくお願いします。  次に、不妊治療についてお伺いいたします。  私は、昨年の予算特別委員会で世田谷区の職員の方の不妊治療について、高額な費用がかかるだけではなく、治療を受けている女性の身体的な負担が大きいこと、治療は直前に決まることも多いため、働く女性にとっては仕事の調整も大変なこともあり、仕事との両立が難しく、休職をされたり、中には退職される方もいること。既に東京都をはじめ仙台市や鳥取市、熊本市など十近くの自治体が不妊治療休暇制度を設けていることから、世田谷区でも導入すべきと質問いたしました。  今回、昨年の質問からちょうど一年が経過して、本定例会にようやく職員の方の不妊治療のための休暇のための条例改正が可決をされました。そこで、これまでの検討の経緯、休暇制度の内容についてお伺いをいたします。 ◎池田 総務部長 不妊治療のための休暇制度につきましては、昨年の予算特別委員会におきまして、委員より導入すべき旨の御意見を頂戴していたところです。区では、国が不妊治療に対する支援に動き出していたことを踏まえ、その動向を注視しておりましたが、本年一月一日より、国家公務員に不妊治療のための休暇制度が導入されました。区といたしましても、本議会に条例改正案を提案させていただき、先般可決いただいたところです。休暇制度の内容ですが、日数は一般的な診療時間や日数を踏まえ、五日が付与され、生殖補助医療を行うといった頻繁な通院を要する場合には、さらに五日が加算されます。また、会計年度任用職員も含め、有給での対応となります。この休暇制度が有効に活用されるよう、管理監督職の理解促進、職員への周知を進めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 また、今年の四月からは人工受精などの不妊治療が公的保険の適用となります。私は、区民の方を対象とした助成制度についても、昨年質問しました。そのときの答弁では、国の制度は拡充されたものの、治療を受ける区民の負担は依然重いため、検討を進めていくとのことでしたが、その後の検討状況をお伺いいたします。 ◎辻 世田谷保健所長 特定不妊治療については、高額で経済的負担が重いため、国と都が助成制度を設けており、それらの助成制度拡充に合わせ、区は国と都の助成を受けた区民に対して上乗せ助成を継続してまいりました。令和四年四月一日以降、新たに開始する特定不妊治療については保険診療の適用となる予定ですが、令和三年度以前に治療を開始し、年度をまたいで継続する治療は保険適用外となることから、今般、国と都は移行期の経過措置として助成を適用する案を示しております。区は、移行期の経過措置につきましても、現行の上乗せ助成を行い、区民の不妊治療の経済的負担軽減に取り組む予定です。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 まず、本会議の続きで、SDGs関連のこの環境掛ける経済といったところのうちの今回は経済や産業というところを軸足にして伺ってまいります。  先月の本会議でこの環境掛ける経済という概念のうち、自分たちで使う分を自分たちでつくっていくという自然エネルギーの創出、創エネということを取り上げました。こうした政策は、国ですとカーボンニュートラルに向けた産業政策というふうに位置づけて、展開もされているわけですけれども、他方、当区においては環境政策としての展開は着々と進んでくる中で、経済効果、経済性といったところを見据えた展開が少し弱いかなというふうに見ています。  例えば、先ほどの創エネであれば、創エネといったことを取り組む商品開発であったり、新しい企画といったことを区内の事業者の方たちを巻き込んでやっていけば、これは新たな経済効果を生みますし、また、そういったことが持続可能な地域経済といったことにも発展していくわけですので、ぜひともそういった観点での環境政策を進めていただきたいなというふうに考えています。  このセクションが分かれるわけですけれども、環境も経済もどちらも事務方のトップは岩本副区長になりますので、まずはこの辺についてお考えを伺います。 ◎岩本 副区長 お話しの環境と経済の掛け合わせですけれども、社会課題、地域課題の解決や持続可能な発展という観点から重要と考えておりまして、今回の世田谷区地域経済の持続可能な発展条例では、経済的な発展と地域や社会の課題解決の両立を掲げて、SDGsの理念を踏まえながら、産業間の横断的な連携や持続可能性を考慮した事業活動を促進することなどを掲げています。  現在検討を進めている旧池尻中跡地を活用した産業活性化拠点においては、様々なステークホルダーの交流や連携による新たな価値を創造する場として、お話しの環境のみならず、介護、子育て、教育など様々な分野の社会課題、地域課題の解決に向けて、それぞれのテーマや特色を持つ産業や企業の循環を構築したいと考えています。  今後、環境分野をはじめ庁内各所管の課題と産業とのコラボレーションにより、それぞれの課題の解決につながるよう、産業活性化拠点、産業団体などと協力して持続可能性を考慮した事業者の取組や事業者間の連携を促進してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 環境政策における経済効果といったあたりの、それにつながる身近な例になるかどうかということで、ちょっと一つ事例として紹介したいんです。こちらはシンボリックサインといわれるけやき広場に設置されていたものなんですが、シンボリックサインじゃなくて、注目してほしいのはこの上の部分についている小型の太陽光パネルで、これがシンボリックサインの夜間の照明の電源となっていた。
     だから、こういったものを例えばデジタルサイネージだとか、いろいろ区内にも商品展開できる場所というのもありますし、例えばそういったものをつくれる区内事業者さんの方たちはたくさんいるので、コラボしていって、そういった創エネについても新しい価値が生まれていくといいなというふうに思っています。具体的な話はまた別の機会に伺っていきたいと思います。  次に、ちょっとまた今回、予算特別委員会を通じて伺っていきたいテーマの一つとして、子どもの権利ということについて伺いたいと思います。今、世田谷区の子ども条例の施行から二十年が経過をして、節目であることを受けて、昨日、子ども・子育て会議の中でも、子どもの権利について検討する部会が設置されたというふうに聞いています。先日来の、例えば新BOPの今回の学童クラブの外部化に関しても、子どもの意見を聞くであったり、子どもにアンケートという展開があるわけですけれども、そもそもこちらから聞くという以前に、子どもたち自身が自分たちの権利として、どういったことが自分たちの権利であるのかということをきちんと学んで理解しているということが非常に重要なのではないかと考えています。こういったことについて、子ども条例の第一義的な所管は子ども・若者部のほうでありますので、子ども自身が子どもの権利について理解をする、学ぶということについての見解をお伺いしたいと思います。 ◎柳澤 子ども・若者部長 世田谷区子ども条例につきましては、区立小中学校の児童生徒、保護者に子ども条例のパンフレットを配布し、学校の授業に活用したり、子どもの人権擁護機関せたホッとが学校で出前授業を行うなど、教育委員会とともに理解促進に取り組んでまいりました。子ども自身が周囲の大人に大切に守られ、遊んだり学んだり自由に意見を言ったり表現することができ、一人の人間として成長する権利を持っていると、こういう理解をすることは非常に重要だと認識しております。  今年度の子ども・子育て会議においては、子ども条例の施行から二十年が経過することを踏まえ、子ども条例や権利擁護を含めた子どもの施策について改めて評価、検証し、議論したいと、こういう意見が出ましたので、令和四年度は子どもの権利部会を設置し、子ども条例やその取組についてより集中的に議論を行う予定でございます。教育委員会とともに、保護者や子どもに関わる大人の理解も促進し、全ての子どもの権利が守られる地域社会づくりに推進してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 子どもたち自身が世田谷区の子ども条例、こういったところは変えてほしいなとか、そういった意見が出てくるといいななんていうふうにも思います。  先ほど来、子どもたち自身が学ぶということを言っているわけですけれども、学ぶということであると、現場である教育所管との連携というところも重要になってくるというふうに考えています。タブレットを用いて一年たって、探求的な学び、子どもたち自身が考えて、提案をしていくというようなプロセスも身についている中で、子どもの権利について子どもたち自身が学ぶことについて、教育長の見解、すみません、三十秒ぐらいでお願いします。 ◎渡部 教育長 世田谷区子ども条例の趣旨を踏まえ、子どもが自らの意見を持ち、多くの人と伝え合う経験は、これからの社会を乗り越えていく上でとても重要な力になります。一人一台配付されたタブレットは、考えを伝え合い、広げるためのツールとして有効に活用されています。委員お話しのとおり、チームズを活用して自分で意見を発信して、地域や社会の人に向けて発信したものがフィードバックを得ることによって豊かなものにしているという事例もございます。今後とも、所管と連携しながら、子どもの持てる力を十分に発揮できる教育を推進してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 ほかの領域でも伺ってまいります。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ◆そのべせいや 委員 本予算委員会では、予算書の内容を基に議論をしたいと思います。  今回示された二〇二二年度予算案を三十年前の一九九二年、二十年前の二〇〇二年、そして十年前、保坂現区長の体制で初めて編成をされた二〇一二年度、それぞれの当初予算の歳出と款別に比較をしたデータがこちらになります。  三十年前は、地価の高騰の影響もあり、現在では考えられないですが、土木費が最も大きな予算規模で三割弱、次いで民生費二四%でした。一九九五年以降は、二〇二一年まで基本的に人口は一貫して増えていますが、ゼロ歳から十四歳、子どもの人口が少なかった二〇〇三年前後の予算規模が最も小さく、そして二〇一二年頃には子どもの数、割合ともに一九九二年の水準まで回復をし、現在のトレンドである保育園増による財政への影響も目立つ一方、六十五歳以上の人口が二〇%に近づく中、国保、後期高齢者医療、介護保険事業の三特別会計への繰出金も二百億円を超え、一般会計の全体の八から九%と総務費、土木費、教育費のそれぞれと肩を並べる程度まで拡大をしています。  そして、直近十年間では、予算は九百十億円増となり、四月からの二〇二二年度予算は三千三百億円を超えています。十年間で人口は七・五万人増え、そのうち子どもが一・二万人、六十五歳以上が二・九万人ではありますが、人口のプラス九%に対して予算はプラス三七%と激増しています。一九九二年度予算が二千二百五十億円、そこからの十年が人口プラス二%、予算マイナス七%で、二〇〇二年度、二千八十億円、さらに次の十年が人口プラス六%、予算プラス一七%で、二〇一二年度、二千四百三十億円だったことと比較をすると、この十年間の予算拡大が従来の水準とは異なることが分かります。  款別で大まかに見ると、民生費が爆増しているということは一目瞭然ですが、三十年で予算規模が一・五倍になった中で、民生費は、二・八倍、そして予算全体の四五・五%、約半数を占めるに至っています。その他の主な推移を見ると、総務費一・四倍、土木費は半減、教育費はプラス二・五%で横ばい、職員費一・二倍となっており、総務費、職員費は全体予算の拡大と同様の傾向ですが、土木費が大きく圧縮されて、教育費が上げられなかったのがこの三十年です。  三十年間、日本では横ばいとなっている実質賃金の算出にも使われている消費者物価指数を見てみると、教育に関わる項目、教育、教育関係費、授業料、塾代、教科書、学習教材は軒並み一〇%から四〇%増となっています。  要は、同じ予算ではかつてと同じ水準の教育は提供できず、教育に投じる予算が教育に関わる価格の上昇率を超えていない限りは、実質的にクオリティーを切り売りせざるを得ない状態になっています。この点の詳細は文教領域と補充質疑で伺いますが、将来の国、町の活力や発展に直結する教育すら実質的に切り詰めて、つまり未来の持続可能性のことなど考えられる余裕もなく、近視眼的に福祉に予算を投じている状況と捉えています。  この間、金額、割合ともに民生費の増大に集中する予算拡大について、区として未来に向けてのビジョンがあったのか、民生費ばかり膨らんでいくことをどのように認識し、対処していくか、伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 これまでの民生費予算の推移ですが、一九九二年度の五百四十億円に対しまして二〇二二年度では千五百十八億円と、御指摘のとおり、一般会計総額の伸びと比較すると特に大きくなっているということです。この三十年間では、区の総人口は増加が続いておりまして、高齢者や子どもの人口も併せまして増加したことなどで、特に社会保障関連経費や保育関連経費の増につながっている部分があります。  例えば主な増要因ですが、介護保険制度の導入や高齢者数の増などにより、特別会計への繰出金が二百二十三億円の増、生活保護法に基づく保護費が百五十五億円の増、主に義務的要素が強いものが挙げられるほか、保育待機児対策等に係る保育関連経費がこの十年間で四百二十二億円がプラスとなっている状況があります。こうした経費には、国や東京都の財源も一定程度充当されておりますが、歳出と連動して特定財源の増加もしているという状況です。 ◆そのべせいや 委員 教育に予算が回っていない分、児童福祉の予算は約六百億円上がっているとのことですが、全体の予算の五分の一まで拡大をした主な理由は、保育園関連、三歳児未満、未就学児、小中学生と拡大を続けた子ども医療費助成、児童手当、子ども手当の三分野で、この三分野のみで、六百億円増加分の九四%を占め、特に保育単独で増加分の約七割を占めています。  保育についても、世田谷区が区の戦略として保育施設を整備して、外から子育て世帯を呼び込むという政策を打ち出したのではなく、都心回帰の流れや大型マンションの建設に従って人口流入が増え、また、女性の就労継続が日本社会のスタンダードになる中で、メディアで毎年報道される待機児童ワーストワンという汚名を返上するため、その後は選ばなければ認可外保育施設まで含め半径二キロ以内の保育園が利用できるよう、行政として最低限の責務を果たすために粛々と進めた結果であって、予算の裏に独自のメッセージや政策方針があるわけでもありません。  ここまで増えてきた保育予算については、二〇一七年度以降の区の当初予算概要に掲載をされている保育関連経費の状況と今後の見通しという図の最新グラフを見ると、二〇一五年から七年で予算は二百五十億円増えたものの、今後は現在の水準で推移をし続けるようです。この点は今後の課題にはならないようです。  一方で、社会福祉費については、先ほどの答弁にもあったとおり、特別会計の繰出金が社会福祉費全体の十数%から四五%を占めるまで拡大をしており、逆に繰出金以外の社会福祉費の上昇幅は、三十年で約百億円と民生費全体の一千億円と比較すると、社会福祉費において今後最も大きな課題は特別会計の増加と捉えています。  過去三十年比較では、国保は二・五倍、かつての老人医療会計を後期高齢者医療会計介護保険事業会計の合計と比較をしてみると、こちらも二・三倍となっています。国保が直近十年ではプラス三%とほぼ横ばいで推移をしているのに対し、後期高齢者医療会計、そして介護保険事業会計が三〇%弱、四〇%弱のプラスであることを鑑みると、今後もまだ落ち着かないことが予想されます。  二〇二二年度当初予算概要の中期財政見通しでも、今後の歳出への言及の中で、特別会計の繰出金について、高齢者人口の増加を踏まえた増を見込んでいますともありますが、今後の財政に大きな影響を及ぼす特別会計の繰出しを具体的にどう見込んでいるか、最後、伺います。 ◎加賀谷 政策経営部長 令和五年度以降の特別会計の繰出金ですけれども、この間の決算実績とかその他の変動要因等で一定の増としております。国保については、被保険者の高齢化、医療費の増加の傾向、コロナ禍による医療費の増の影響等、一定程度ございますけれども、不透明な部分があり、増減は見込んでおりません。また、後期高齢医療会計は、決算実績等の影響です。それから、介護保険については第八期の事業推計を基に高齢者の増加等を見込み、毎年度五億円の増というような傾向がございます。 ◆そのべせいや 委員 続きは企画総務で。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。 ◆神尾りさ 委員 今日は家について伺います。  家というのは区民にとって重要な生活の一部ですけれども、財産ですとか相続にも関わることでありますので、なかなか公の場で相談したりですとか、共有したりということが難しいのではないかと思われます。一方で、家の問題というのは、老後の生活、そして介護などの問題とも大きく関連しておりまして、区民が生活や人生について相談するのと同じように、家のことを相談できる体制というのを強化していく必要があるのではないかという観点で質疑をしてまいります。  区では、年々、空き家の数が増加しています。空き家といいますと、人が住んでいない家のことをどうしても想像してしまうんですけれども、本来は住んでいる間から空き家になることを防ぐという意識を持って対策することが求められるのではないかと思います。昨年の決算特別委員会では、民間の事業者と連携した空き家の発生抑制について取り上げましたが、まずはそのせたがや空き家活用ナビ事業の進捗状況について伺います。 ◎笠原 防災街づくり担当部長 区は、官民連携事業により運営企業を公募し、昨年十月二十日に協定を締結いたしました。十一月二十四日には、運営企業は、空き家等の所有者と登録事業者をマッチングする相談窓口をインターネット上に開設、また、十二月二十日からは事業者登録の受け付けを開始し、資格等の審査を運営企業が行い、登録を始めているところでございます。令和三年二月時点での空き家等の所有者からの相談は九件あると聞いております。そのうち四件は所有者がアドバイザーを通じて複数の提案を受け、登録事業者とのマッチングに向け検討していると聞いております。事業者の登録につきましては、不動産事業者、行政書士、司法書士、金融機関や解体工事業者など幅広い業種から三十四企業の登録が完了していると聞いております。  周知啓発につきましては、区が、「区のおしらせ」への掲載や、管理不全の空き家等の所有者への文書送付時にリーフレットを同封するなど、また、運営企業はウェブ広告などで、それぞれ進めているところです。 ◆神尾りさ 委員 相談が九件、そして事業登録が三十四企業あったということで、昨年末から始まったことを踏まえますと、まずまずではないかと思います。空き家になる前の意識啓発ですとか、高齢者をはじめとする多くの区民が、気軽に家や土地について相談できる場の確保も踏まえ、この事業について、もっと広く知ってもらう必要があるのではないかと考えますが、区の見解を伺います。 ◎笠原 防災街づくり担当部長 空き家等が放置される要因といたしましては、事前に使い道が決まらないまま所有者等が亡くなってしまうことや、福祉施設への入所及び転居などが考えられます。そのため、高齢者とその親族に対して、建物などの適切な管理や空き家等に関わる情報提供や意識啓発が重要でございます。区では、これまで空き家等の適切な管理や活用等の促進を図るために、令和元年度には世田谷区空き家対策ガイドブックを作成し配布しております。また、区の広報紙やホームページ等でも管理不全な空き家等の発生を抑制するために周知啓発してまいりました。また、令和二年度には、社会福祉協議会主催の終活相談会に参加された高齢者を対象に、空き家に関するコーナーを設け、相談対応いたしました。令和三年度には、まず砧地域で空き家に関する勉強会を開催し、空き家の課題や区民からの相談を受けた際の問合せ先などの情報について共有をいたしました。  今後は、総合支所等の地域の方々と接する機会の多い職員へ、さらにせたがや空き家活用ナビについて情報共有し、区民へ広く周知する方法について検討してまいります。 ◆神尾りさ 委員 より一層周知していただきたいと思うのですが、一方、区では、地域包括ケアというシステムを構築しています。このシステムでは、医療、介護、予防、住まい、そして生活支援という五つの観点から支援やサービスの提供を目指しています。この四番目の住まいという観点には、空き家を未然に防止し、生活の基盤である住まいを管理し続けることも含まれると考えますが、地域で相談に乗れる体制を今以上に強化できないか、伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 区では、地域包括ケアの地区展開といたしまして、まちづくりセンターにあんしんすこやかセンターと社会福祉協議会が入り、福祉の相談窓口を開設しております。福祉の相談窓口では、八〇五〇問題、介護などの相談を受ける中で、老後の不安や心配などについても相談がありまして、医療や介護の支援のほか、生活困窮や住まいなど、総合的な支援ができるよう関係機関と連携して取り組んでおります。  高齢の方が将来自らの資産や相続について心配になったとき、身近な地区で相談ができ、成年後見制度や空き家の活用などの支援について御案内できることは、区民の安心にもつながるものと考えております。地域包括ケアシステムに関わる様々な関係団体や関係機関と連携を図り、身近な地域で空き家活用ナビの周知を依頼するとともに、空き家が財産処分できなくなる問題の予防に努めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 空き家を未然に防ぐということは、老後の生活や介護などの支援にもつながっていくと思いますので、ぜひ取り組んでいってほしいと思います。そして、その地域包括ケアを構成している社会福祉協議会では、エンディングノート、私のノートというのを作成しています。その中の私の財産というページには、土地や建物についての情報を記入する欄があります。私のノートを手にする区民に対し、空き家を未然に防ぐことについても周知し、意識を高めてもらう取組が必要ではないでしょうか、伺います。 ◎澁田 保健福祉政策部長 世田谷区社会福祉協議会の成年後見センターが作成しております私のノートには、自らの資産である預貯金、有価証券、不動産について記載するページもございまして、物忘れが多くなり、財産の管理や手続が不安になってきた際には、成年後見人等に情報を提供することができるツールでもございます。  本人が元気なうちから自らの不動産の活用や管理などについて考えることは、将来にわたって安心して暮らすための備えであり、空き家活用ナビの制度は私のノートを手にする方にとっても有効な情報となると考えますので、社会福祉協議会とも連携し、制度の周知に取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 都市整備領域と福祉領域が連携して取り組むことで、少しでも管理不全の空き家を減らし、区民の安心な暮らしを守っていく必要があります。  最後に意気込みをお願いいたします。 ◎松村 技監 福祉所管や総合支所、まちづくりセンターなどとさらに連携をしまして、御指摘の高齢者をはじめとして区民の方々が気軽に家のことを相談できる環境を整えまして、管理不全な空き家の未然の防止をはじめ、所有者の立場に立った空き家対策に取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、民生委員児童委員のことに関して質問をいたします。  民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々であり、児童委員を兼ねています。児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配事などの相談、支援を行います。  ここでまず、質問をいたします。民生委員は、どのような手続で厚生労働大臣に委嘱され、現在、世田谷区内で民生児童委員は何人いるのでしょうか。 ◎澁田 保健福祉政策部長 民生児童委員は、各まちづくりセンター単位で設置されております世田谷区民生委員・児童委員候補者内申協議会を開催し、候補者の選出を行っております。  次に、世田谷区民生委員推薦会におきまして、各内申協議会から選出されました候補者について審議し、都知事宛てに推薦いたしまして、厚生労働大臣から委嘱をされます。世田谷区では、定数六百五十四名のところ、三月一日現在、六百二十一名の民生児童委員が活動していただいております。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  民生委員の職務については、民生委員法第十四条で以下のように規定されています。住民の生活状態を必要に応じ適切に把握すること。生活に応じ、助言その他の援助を行うこと。福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。社会福祉事業者と密接に連携し、その事業または活動を支援すること。福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること。その他、住民の福祉の増進を図るための活動を行うこと。  このように、社会的弱者の方々が福祉サービスを受けるに当たって重要な役割があるわけですが、長引くコロナ禍においては、民生児童委員の活動も様々な制約があったのではないかと思いますが、どのように活動を継続されていたのか、お伺いいたします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 コロナ禍の民生児童委員は、感染防止のための相談活動は電話を基本とし、訪問による相談は控えておりました。そのような中におきましても、まちづくりセンターでのワクチン接種の予約支援について、お困りの高齢者への周知に御協力いただいたほか、民生児童委員の周知チラシのポスティングや卒業式に出席できない代わりに卒業生へお祝いの文書を送付する。また、家の塀を活用して区からの情報を提示するなど、様々な活動を工夫し、継続していただいておりました。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  民生児童委員は、地域共生社会の実現に必要な地域の中での支えあいの活動を行っていただいているわけですが、区は、民生委員が安心して活動できるよう支援をするべきと考えますが、どのような支援をされているのか、伺います。  また、民生委員は民生委員法第十条により無給で活動することになっています。この間、他会派からの質問に対し、区は、東京都の基準を上回る活動費を支給しているとの答弁をいただいていますが、現在どの程度の上乗せを行い、今後、活動費の見直しの予定はあるのか、お伺いいたします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 区は、民生児童委員が組織しております民生委員児童委員協議会の事務局といたしまして、会長協議会などの運営や研修の実施、広報紙の作成などを通じ、民生児童委員が活動しやすい環境の整備を図っております。例えば、民生委員の活動が効果的に展開できるよう、タイムリーな行政情報を丁寧に説明し、情報提供を行ったり、民生委員同士が相互に相談できるよう地区での打合せや情報交換の場の設定、個人情報の取扱いや守秘義務についての研修や、地域福祉に関する講演会の実施など、民生委員活動への支援を行っております。  また、活動費につきましては、東京都の基準に毎月約二千円から六千円を区が上乗せいたしまして、一万一千円から二万円の活動費を支給しております。  来年度は、民生委員の一斉改選の年となっており、この間の区議会からの御意見も踏まえまして、民生児童委員の皆様へ実態把握調査を行い、民生委員活動での課題や負担感、そして活動費に関する要望を取りまとめ、活動費について見直しを行ってまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。  現在六百二十一名もの方々が民生委員として活動していただいているとのことです。民生委員の方々は、担当区域内の区民の生活の実態や福祉ニーズを把握し、区民の方々が抱える課題について、相手の立場に立って、親身になって相談に乗られています。コロナ禍で対面での活動に制限がある中、それぞれに様々な工夫をして、区民のために一生懸命活動をしていただいております。かなり責任が重い活動をしていただいておりますので、民生委員の方々が少しでも安心して活動できるよう、また、活動の助けになるように、民生委員の方々の声をしっかりと聞いていただき、活動支援策を拡充していただくこととともに、活動費の見直しについても前向きに検討していただくことを求め、私からの質問を終わりにいたします。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 世田谷区のふるさと納税対策についてお伺いします。  毎年十一月から十二月にかけて、テレビのコマーシャルや新聞、雑誌、またインターネットの広告などで今年のふるさと納税の期限はあと何日とか、還元率何割、視聴者の、読者の気持ちをあおり立てるような、乗り遅れたら損と思わせるような宣伝をたくさん目にします。デパートのバーゲンやスーパーの特売のように、とにかくお得ということを強調して、消費者の気持ちをあおり立て、刺激し、購買意欲をかき立てるものだなとつくづく感じております。  実際、ふるさと納税の額に応じ、寄附先の自治体から豪華なお礼の品が送られてきて、しかも、ふるさと納税した金額は二千円を除いて翌年の税金から差し引かれ、つまり実質二千円で数千円、数万円の品物をもらえるというわけですから、うまい話はないと思っておりますが、世の中ではこんなうまい話はありません。しかも国のお墨つきですから安心です。  総務省が七月に発表した令和二年度のふるさと納税の獲得第一位は宮崎県の都城市でした。高級な牛肉や焼酎を返礼品として提供して、百三十五億円もふるさと納税を集めたそうです。第二位が北海道の紋別市、海の幸を燻製にし、これも百三十四億円。第三位が同じ北海道の根室市の百二十五億円、ここはカニやホタテ、ウニ、イクラなど海産物が大変好評だということです。  私は若い頃、仕事で全国津々浦々、昔の国鉄、現在のJRの慰安会で旭川鉄道管理局を一か月間、仕事で回ったこともあります。景気の良い時代には、地元の方々に土地の名物でもてなしをいただいた経験もありますが、今、名前の出た地域の方々との交流もあり、おいしいものをよく知っています。昔から魅力あふれる海産物を育て、売り出してきた努力が、ふるさと納税という制度によって新しい花を咲かせ、地元に大きな利益をもたらしていると言えるのではないでしょうか。  それに引き換え、世田谷区は、今年度のふるさと納税流出額が何と七十億円も。それに対し、今年度四月から十二月までに受け取った区の寄附金が一億三千万円と聞いています。私は、世田谷区がどんな返礼品で全国の消費者にアピールしているのか気になったので、区のホームページからアクセスできるふるさと納税サイトを見てみましたら、世田谷区の返礼品はクッキーやロールケーキ、コーヒー、そしてビール、変わったところでは羽根木餃子など、それぞれに区内の事業者が生産するすばらしい製品だと思いますが、ふるさと納税で大きな収入を得ている自治体の海産物やお肉などに比較すると、若干地味に見えるのは私だけでしょうか。区長さんは、こうした状況を見て、御自身だったら世田谷区にふるさと納税したいと思うでしょうか。率直な感想をお伺いします。 ◎保坂 区長 本来ふるさと納税は、生まれ故郷やお世話になった地域に感謝の気持ちを届けたいという思いを込めて希望するというのが本来の趣旨でございます。昨今の過熱した返礼品競争や自治体通販のような状況は、お話しのふるさと納税サイトなどが主導する過剰なPRや、現在、ポイント提供など節度を失った状況により、税制としてはバランスを欠いていて、抜本的な見直しが必要だと考えています。  世田谷区の品々についてお話しございました。世田谷区は、豪華な返礼品で他自治体の税収を奪い取るという立場ではなく、社会貢献、地域貢献型の地域への愛着や政策の共感を寄附の形で表していただいた方に記念品をお贈りするということですから、そもそも比べられると当然、何かこの品物として値段はということで比較すると、太刀打ちができないということになりますが、それでも一億三千万円、その政策なり取組に共感していただいている方がいるということはありがたいと思っております。  ただし、七十億円という段階に入ってきました。もっと増える可能性があります。これも限度を超えております。私は、区長としての立場でふるさと納税を使うことは考えていません。今後は、この流出額を抑制する具体策が必要だとやはり考えています。その際に世田谷区らしい文化や芸術、例えば気候危機対策等、焦点を絞ったそれなりのフィロソフィーがある、哲学のある取組を始めるように、現在指示しているところでございます。 ◆青空こうじ 委員 ふるさと納税の返礼品は、国が定めた様々な制約があると聞いていますが、世田谷区はふるさと納税の返礼品をどのような考えで選定しているのか、これもお伺いします。 ◎加賀谷 政策経営部長 地方税法の規定により自治体内で生産された品物や提供されるサービスなどに限り、寄附額の三割相当の額の範囲で返礼品を提供するということで、対象としては区外在住者からの寄附に限られているということになります。  世田谷区の寄附は、地元区民からが全体の七割を占めており、この方々に対しましてはお礼の品を提供できないという仕組みでございます。現在、世田谷区では、区が推進する施策と関連が深いものに区外の方にも一層注目していただきたいという考えの下、障害者施設の生産品ですとか、世田谷みやげを用意しております。また、世田谷を本拠地として区の様々な取組に協力いただいているリコーブラックラムズ東京のグッズも、昨年度に引き続き、予定をしております。 ◆青空こうじ 委員 変わったところでは、茨城県では一億円寄附した人に核シェルターを差し上げますと言ったんですって。そうしたら、何と関西の方が一人一億円を寄附したそうです。  世田谷は、全国に誇れる特徴として、映画やテレビの撮影所がたくさんありますが、その関係で古くから俳優さんや芸能関係者がたくさんおります。アーティストをはじめ有名人もたくさんお住まいです。撮影現場の見学や俳優さんとの出会いの体験を記念品にはできないでしょうか。また、世田谷区の豊かな農地で生産されるタケノコ掘りの体験とか、二子玉川のホテルに泊まって楽しんでもらうとか、利用できる資源はたくさんあるように思いますが、その点、いかがでしょうか。 ◎加賀谷 政策経営部長 様々御提案いただいております。課題がございますが、まずは豊富な文化資源などで区の魅力発信に取り組んでまいります。区長の指示の下、庁内アイデアによる世田谷らしいふるさと納税対策を進めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございました。  以上で終わります。 ○菅沼つとむ 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○菅沼つとむ 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時四十九分散会...